近・現代文学研究◎作家

佐多稲子

政治とジェンダーのはざまで

小林裕子[著]

A5判上製・367頁・3800円+税
ISBN978-4-87737-459-4(21・6)

プロレタリア作家として、階級格差の原因に気づいた佐多稲子は、同時に男女差別の因ってきたる構造にも目覚めていったのではないか。「くれない」の佐多稲子はこのようにして生まれた。この論集を編むことによって、その道筋が佐多の小説の行間から立ち上ってくるように思った。──────あとがきより

佐多稲子小伝─他者という鏡
Ⅰ 詩から小説へ
詩からの出発─仮面から素面へ
小説への転身
Ⅱ プロレタリア文学の中の女たち
「女工」もの五部作─走る、泣く、揺れる「女工」たち
「煙草工女」の語りの構造─母の顔と党員の妻の顔
「別れ」─乳を搾る女
Ⅲ 戦争前夜の模索
「牡丹のある家」の位置─「くれない」につながる転換点
「樹々新緑」─目覚めと苦悩
「くれない」─政治、生活、文学の転機
Ⅳ 戦後日本の時空間
敗戦直後の評論活動─使命感とともに
「みどりの並木道」─空虚な明るさ
「夜の記憶」─二つの夜の明暗
「渓流」(一)─ある女系家族の終焉
「渓流」(二)─〈わが家〉はなぜ失われたのか
「黄色い煙」と「ばあんばあん」─時事問題の取り込み
Ⅴ 同時代の女性作家
若杉鳥子(一)─階級格差と男女格差
若杉鳥子(二)─闊達な女語りの魅力
壺井栄「廊下」─逆境の下での夫婦愛
大谷藤子「須崎屋」─母子幻想の崩壊

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村上春樹 物語を生きる

浅利文子[著]

4/6判上製本・312頁・3200円+税
ISBN978-4-87737-458-7(21・5)

〈回転のイメージ〉により現代人の自己分裂と孤絶を表象する『回転木馬のデッド・ヒート』『ノルウェイの森』『スプートニクの恋人』
「過去の記憶をいかなる歴史として受け継いでゆくか」と問う『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』

Ⅰ 齟齬と分裂の物語

第1章…自己分裂と孤絶の物語──『回転木馬のデッド・ヒート』『ノルウェイの森』『スプートニクの恋人』
第2章…「あちら側」と「こちら側」──『スプートニクの恋人』

Ⅱ 過去から引き継がれた物語

第3章…過去の責任を継承する──『海辺のカフカ』
第4章…物語論としての物語──『1Q84』
第5章…芸術論としての物語──『騎士団長殺し』
第6章…歴史を生きる魂──『騎士団長殺し』『猫を棄てる 父親について語るとき』

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尾崎紅葉事典

山田有策・谷喜美枝・宇佐美毅・市川紘美・大屋幸世[編]

A5判上製・448頁・12000円+税
ISBN978-4-87737-455-6(20・10)

時代を賑わせた『金色夜叉』への熱狂 
近代文学誕生前夜を率いた 明治の大作家の軌跡をたどる


かつて近代文学史のテキストに〈紅露逍鷗〉という用語がしばしば登場していた。
確かに明治二〇年代初頭から明治三〇年代後半に到る時代は日本の文学や文化が近代的に整備されていく過程での混沌そのものだった。
誰もが〈近代〉を求めて、その幻影を実体化すべく悪戦苦闘せざるを得なかった。
〈紅露逍鷗〉とて例外ではなく、それぞれ、もがき苦しみ、挫折や中断を余儀なくされたのである。
その中でも最も苦闘し、ついには中途で生そのものをも犠牲にせざるを得なかったのが尾崎紅葉であった。
この紅葉の悲劇は後の文学的評価となって文学史に定着することとなった。
紅葉が短い生涯の中で情熱を傾けたさまざまな文学的行為は、逆に現代においてこそその可能性を輝かせるのではないか。
──────「はじめに」より

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詩人・木下夕爾

九里順子・Kunori Junko[著]

A5判上製・350頁・3800円+税
ISBN978-4-87737-456-3(20・7)

詩人・木下夕爾は、詩と俳句を手放さずに生きた。

東京・御幸村・広島/戦前・戦後、その先へ。
夕爾が遺した一筋の光を辿る。

木下夕爾(きのした・ゆうじ)
大正3(1914)年、現在の福山市御幸町に生まれる。『若草』の投稿家として注目され早稲田高等学院に学ぶが、家業の薬局を継ぐために名古屋薬学専門学校に転じ、昭和13(1938)年帰郷。昭和15(1940)年、第6回「文芸汎論詩集賞」受賞。詩集に『田舎の食卓』(昭14)『生れた家』(昭15)『昔の歌』(昭21)『晩夏』(昭24)『児童詩集』(昭30)『笛を吹くひと』(昭33)、句集に『遠雷』(昭和34)がある。同人詩誌『木靴』句誌『春雷』を主宰する。昭和40(1965)年8月4日逝去。絶筆は「長い不在」(『中國新聞』昭40・8・5)。

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龍之介の芭蕉・龍之介の子規

伊藤一郎[著]

A5判上製・307頁・4800円+税
ISBN978-4-87737-451-8(20・5)

芥川龍之介における芭蕉、そして正岡子規の受容、ならびに久米正雄との関係を論ずる。 新傾向俳句運動と連動した〈六朝書体〉について考察する。

第一部────── 
芥川龍之介における芭蕉受容
第一章 あこがれと孤独─龍之介「枯野抄」の成立考
第二章 芥川と芭蕉─「芭蕉雑記」を中心にして
第二部──────
芥川龍之介における子規受容
第三章 芥川の「芭蕉雑記」と正岡子規
第四章 子規を読む芥川龍之介
第五章 芥川龍之介の詩歌─子規の余韻
第三部──────
芥川龍之介と久米正雄の交流
第六章 久米正雄と芥川龍之介の青春
第七章 芥川我鬼と久米三汀
第四部──────
芥川龍之介の〈六朝書体〉
第八章 芥川龍之介の〈六朝書体〉
第九章 ヴァリエーションとしての〈六朝書体〉
資料編
芥川俳句をめぐる人びと
〔一〕 遠藤古原草句集『空を見ぬ日』
影印・翻刻および解題・古原草略伝
〔二〕 佐佐木茂索書簡 
翻刻・注釈および解題
〔三〕 小澤碧童書簡 
翻刻・注釈および解題
〔四〕 小澤碧童追悼短冊集 
影印・翻刻および解題

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漱石深読 そうせきしんどく

小森陽一[著]

4/6判並製・312頁・2400円+税
ISBN978-4-87737-447-1(20・4)

『こゝろ』をめぐる論争の当事者が
夏目漱石の代表作を冒頭分析で論じる

夏目漱石の長篇小説の多くは、新聞連載小説であった。きわめて厳しい言論統制と権力による情報弾圧の中で、最も広い読者層に言葉を渡すことの出来る、新聞小説という領域において、漱石夏目金之助が、どのような言語的文学的実践をしたのかを、今の時代において読者のみなさんとの有効な共通体験としたいというのが本書の願いである。  
「あとがき」より

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漱石の文学理論

The Influence to Soseki's Theory

小倉 脩三[著]

A5判上製・200頁・4000円+税
ISBN978-4-87737-446-4(19・11)

漱石の蔵書から漱石の『文学論』「文学理論」への影響を具体的に考察する。

はじめに
Ⅰ.────テオドール・リボー『感情の心理学』の影響
(Theodule Libot, The Psychology of the Emotions, London: WalterScott, 1897)
Ⅱ.────ロイド・モーガン『比較心理学入門』の影響
(Lloid Morgan, An Introduction to Comparative Psychology, London: Walter Scott, 1894)
Ⅲ.────ウィリアム・ジェームズ『宗教的経験の諸相』 の影響
(Willam James, The Varieties of Religious Experience, London: Longmans, Green & Co., 1902)
Ⅳ.────ウィリアム・ジェームズ『心理学原理』の影響
(William James, The Principles of Psychology. 2vols, London: Macmillan & Co., 1890)
Ⅴ.────ジョン・ラスキン『近代画家論』の影響
(John Ruskin, Modern Painters. 6vols, London: G. Allen, 1898–1902)

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芥川龍之介の文学と〈噂〉の女たち

秀しげ子を中心に

中田睦美[著]

A5判上製・352頁・3800円+税
ISBN978-4-87737-445-7(19・7)

とかく男性的な一方的まなざしで括られる〈噂の女〉たちの実像を明らかにする

はじめに
[第一部]
女性のまなざし、女性へのまなざし─「秋」とセルロイドの窓
王朝世界へのオマージュ─「六の宮の姫君」管見
「お富の貞操」への道程─〈貞操〉のゆくえ
[第二部]
秀しげ子のためにⅠ─ 芥川龍之介との邂逅以前
秀しげ子のためにⅡ─ 〈噂〉の女の足跡
秀しげ子の著作
文学に描かれた〈秀しげ子〉像
[第三部]
「蜘蛛の糸」管見─童話と小説の間
「或敵討の話」試論
「舞踏会」の制作現場
[第四部]
「片山広子拾遺年譜」に寄せて─文学的まなざしと『翡翠』前後の活動を軸に
片山広子拾遺年譜─消息/著作リスト/評および言及
片山広子(松村みね子) 
片山総子(宗瑛)
おわりに

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薄田泣菫読本

すすきだ きゅうきん

倉敷市・薄田泣菫文庫調査研究
プロジェクトチーム[編]

A5判並製・160頁・2400円+税 
ISBN978-4-87737-439-6(19・3)

詩人であり、エッセイスト、ジャーナリストとして輝かしい足跡を残した薄田泣菫の人と文学を知るための一冊

1部───泣菫の生涯
第1章 出発期
1 生い立ち/2 岡山県尋常中学校にて/3 故郷を離れて/ 詩壇への登場
第2章 詩人としての絶頂期
1 第一詩集『暮笛集』の刊行/2 『ふた葉』『小天地』での活躍/3『ゆく春』の刊行/4『二十五絃』の出版/5『白羊宮』の刊行/6 結婚
第3章 模索期
1 結婚後の動向/2 綱島梁川の死と長女の誕生/3 随筆集『落葉』/4 小説への挑戦/5 帝国新聞社入社
第4章 大毎編集者としての活躍期
1 大阪毎日新聞社への入社/2 編集部員としての活躍/3 泣菫と芥川龍之介/4 随筆、児童文学、戯曲、翻訳などの仕事
第5章 随筆家としての円熟期
1 分銅町に転居/2 自然観照へ/3 沈思黙考の時/4 泣菫の晩年/5 泣菫没後
第2部───泣菫の作品鑑賞
第3部───資料編
第1章 語られる泣菫
第2章 薄田泣菫─年譜
第3章 薄田泣菫─ゆかりの地
第4章 薄田泣菫関連情報
薄田泣菫文庫/薄田泣菫生家/薄田泣菫顕彰会/薄田泣菫文学碑一覧/泣菫研究紹介

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漱石『道草』の詩学

田中邦夫[著]

A5判上製・408頁・5600円+税
ISBN978-4-87737-433-4(19・1)

『道草』の根本的テーマを、健三の顕在化している意識と顕現する過去の意識との繋がりによって、明らかにする。

第Ⅰ部 主人公健三の意識の推移と語り手の視線

第一章  『道草』の言葉の基本的特徴
第二章  生活世界に接触する健三の意識の特色
第三章  健三の血縁世界
第四章  幼児期健三の孤独と心の傷
第五章  語り手と洋燈の象徴性
第六章  健三における自己・神・類の意識
第七章  追憶や連想によって描かれた健三夫婦の個我意識と類の意識の交差
第八章  教育と野生、血の繋がりと根源的自己意識
第九章  健三と比田との同質性と異質性、および健三の夫婦観と細君との諍い
第十章  「義父の連印依頼」と健三の内面劇
第十一章 健三における言葉の論理の絶対化とその矛盾の自覚
第十二章 島田との決裂によって想起される諸場面と心の傷克服への動き
第十三章 健三における世俗での責任を果たそうとする現実意識の確立
第十四章 健三の現実意識と純粋な人間的意識との葛藤

第Ⅱ部 『道草』の主要テーマの分析

第一章  『道草』の「自然」
第二章  細君に対する健三の「情愛」の性格
第三章  漱石手帳に書き込まれた『道草』の方法

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「鏡」としての透谷

表象の体系/浪漫的思考の系譜

黒田俊太郎[著]

A5判上製・260頁・3600円+税
ISBN978-4-87737-431-0(18・12)

透谷という「鏡」に映じた自分の姿を見つめる人々を見つめ直すこと、それが本書の目的である。───(序章)

ひとたび「海の洗礼を受け」る==国境線を意識することで自己相対化が開始されてしまえば、いわば〈国家〉や〈近代〉というものの輪郭を意識しそれを懐疑した刹那、無限の自己相対化という否定を伴う〈心の革命〉が始動する。───(第八章)

 

序 章───「鏡」という技術
第Ⅰ部◆表象の体系としてのアンソロジー
第一章───明治三五年版『透谷全集』─その「商品」性と流通ネットワーク
第二章───明治三〇年代後半、〈文学〉化されゆく手紙─「透谷子漫録摘集」を起点として
第三章───成型される透谷表象─明治後期、〈ヱルテリズム〉の編成とその磁場
第四章───透谷を〈想起〉するということ─昭和二年、『現代日本文学全集』刊行をめぐって
第Ⅱ部◆日本浪曼派と〈透谷〉
第五章───中河與一の〈初期偶然論〉における必然論的側面─小説「数式の這入つた恋愛詩」の分析を通して
第六章───戦時下日本浪曼派言説の横顔─中河與一の〈永遠思想〉、変奏される〈リアリズム〉
第七章───彷徨える〈青年〉的身体とロゴス─三木清〈ヒューマニズム論〉における伝統と近代
第八章───〈偉大な敗北〉の系譜─透谷・藤村・保田與重郎

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吉屋信子研究

The Study of Yoshiya Nobuko

竹田志保[著]

A5判上製・290頁・3200円+税 
ISBN978-4-87737-423-5(18・3)

花物語だけではない吉屋信子
彼女が書きたかったもの、書けなかったもの、書いてしまったもの──
大衆長篇小説の読解から、吉屋信子の新たな像を提示する。

序章 吉屋信子再考
第一章 『花物語』の誕生─<主体化>する<少女>たち
第二章 「地の果てまで」の転機─<大正教養主義>との関係から
第三章 もう一つの方途─「屋根裏の二処女」
第四章 困難な<友情>─「女の友情」
第五章 <良妻賢母>の強迫─「良人の貞操」
第六章 流通するイメージ─新聞・雑誌記事に見る吉屋信子像
第七章 「あの道この道」行き止まり─昭和期『少女倶楽部』の少女像
第八章 三人の娘と六人の母─「ステラ・ダラス」と「母の曲」
第九章 吉屋信子の<戦争>─「女の教室」
終章 展望として

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宮沢賢治の磁場

中野新治[著]

A5判上製・671頁・5400円+税
ISBN978-4-87737-417-4(18・4)

「宮沢賢治の磁場」とは、熱い信仰的陶酔と、それからの冷徹な覚醒のせめぎあいによるエネルギーによって造られたものであった。

Ⅰ 宮沢賢治の磁場
「よだかの星」―絶対的な問い
救済としての「童話」―大正十年夏の賢治
「どんぐりと山猫」―ものみな自分の歌を歌う
「やまなし」―聖なる幻燈
「鹿踊りのはじまり」―その「ほんたうの精神」をめぐって
「銀河鉄道の夜」初期形―求道者たちの実験
「ポラーノの広場」―夢想者のゆくえ 
「銀河鉄道の夜」後期形―死の夢・夢の死
〈魂の眼〉で見られた世界―「銀河鉄道の夜」覚え書き
「風の又三郎」―畏怖・祝祭・謎
「グスコーブドリの伝記」―植物的な死
「セロ弾きのゴーシュ」―もう一つの祈り
「報告」―賢治理解のために
「装景手記」と「東京」―楕円形の生
「〔丁丁丁丁丁〕」―恋愛伝説について
「〔雨ニモマケズ〕」―〈樹木的生〉の与えるもの
〈郵便脚夫〉としての賢治―「物語」はいかにして届けられたか
宮沢賢治における〈芸術と実行〉―イーハトーヴ幻想と現実
〈聖なる視線〉の拓く世界―宮沢賢治における生と死
中原中也「一つのメルヘン」成立と宮沢賢治
宮沢賢治の〈Tropical war song〉

Ⅱ 近代日本と文学的達成
若松賤子
北村透谷
高村光太郎・萩原朔太郎

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大西巨人

文学と革命〔二松學舍大学学術叢書〕

山口直孝[編]

A5判上製・460頁・3800円+税 
ISBN978-4-87737-426-6(18・3)

「大西巨人と書物」の 迷宮に分け入る


稀有な意志と才能とによって革命の文学を追求し続けた作家、大西巨人。
二〇世紀文学の達成『神聖喜劇』の作者の創作の源泉と展開とを、 四年間に及ぶ蔵書調査を踏まえて考察する、初の論集。
諸氏の論考に加えて主要蔵書解題、詳細な大西巨人書誌を付す。

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漢文脈の漱石

山口直孝[編]

A5判上製・208頁・3000円+税
SBN978-4-87737-425-9(18・3)

漢詩文・漢学から拓く、革新的にして本来的な漱石像

「元来僕は漢学が好(すき)で随分興味を有(も)つて漢籍は沢山読んだものである。」(談話「落第」)
転換期に教養形成を行なった夏目漱石の思想・感性・文芸を漢文脈の受容と創造の観点から多角的に考察する論文集。
二松學舍大学SRF(文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成事業)シンポジウム「漢文脈の漱石」から始まる、漱石研究の新次元。

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森鷗外の歴史地図

拓殖大学研究叢書(人文科学)19

村上祐紀 [著]

A5判上製・240頁・2800円+税 
ISBN978-4-87737-422-8(18・3)

帝室博物館総長/史談会/十津川/雪冤/医史学/天皇皇族実録/民友社/渋江抽斎/探墓/集古会/鷗外という領域/維新資料編纂会/横井小楠/御家騒動/宮内省図書頭/紋章学/史伝/軍医総監

【序章】
近代史学の歴史地図

【第Ⅰ部】歴史を語る
第一章 探墓の歴史
第二章 歴史叙述の実験
第三章「立証」と「創造力」

【第Ⅱ部】歴史を綴る
第一章 鷗外と外崎覚
第二章 集古会から見る『渋江抽斎』
第三章 好古と考古

【第Ⅲ部】歴史を創る
第一章 接続する「神話」
第二章 帝室博物館総長としての鷗外
第三章「皇族」を書く

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正宗白鳥論

吉田竜也 [著]

A5判上製・256頁・3200円+税 
SBN978-4-87737-421-1(18・2)

自然主義全盛期にあって、〈ありのまま〉を見、書くことに拘り、終生、言葉の限界、書きたいことと書くことの間の断絶に苦しんだ白鳥の文学的営為を明らかにする。

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田山花袋 作品の形成

小堀洋平[著]

A5判上製・210頁・2800円+税 
ISBN978-4-87737-419-8(18・2)

1890年代初頭の出発期から『時は過ぎゆく』(1916)にいたる田山花袋の重要作品について、 海外文学の受容と執筆過程の実態を検証する ことにより、その文学的営為の内実を解明する

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蓮田善明論

戦時下の国文学者と〈知〉の行方

奥山文幸[編]

A5判上製・280頁・3200円+税
ISBN978-4-87737-415-0(17・9)

Ⅰ 

独語としての対話 ──『有心』を読む保田與重郎

◆五味渕典嗣
蓮田善明「有心」論 ──島尾敏雄「はまべのうた」と比較して

◆浦田義和
蓮田善明における詩と小説 ◆野坂昭雄
Ⅱ 

蓮田善明「鴨長明」論 ──中世文学研究の側から

◆中野貴文
蓮田善明と「古事記」 ──時代の中の「古事記」・蓮田の中の「古事記」◆五島慶一
蓮田善明と近代天皇 ──〈日本文芸学〉との関わりから

◆茂木謙之介
蓮田善明における〈おほやけ〉の精神と宣長学の哲学的発見
──昭和一〇年前後の日本文芸学と京都学派の関わり◆河田和子

「詩人」と「小説家」の肖像 ──保田與重郎と蓮田善明が描く佐藤春夫◆河野龍也
「小説の所在」 ──あるいは蓮田善明と川端康成◆原 善
蓮田善明と保田與重郎 ──『文芸文化』と『日本浪曼派』の間◆坂元昌樹
雑誌『文芸文化』の昭和一六年 ──蓮田善明のなかの三島由紀夫◆奧山文幸

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弱い「内面」の陥穽

芥川龍之介から見た日本近代文学

篠崎美生子[著]

A5判上製・447頁・3800円+税
ISBN978-4-87737-413-6(17・5)

日本近代小説がその原点に抱え込んでいる「弱い内面の平等性の発見」 芥川テクストとその流通のさまをモデルに明らかにする

 

序章──「弱い内面の発見」と「鼻」
第一部 ◇ 「物語」と〈疎外〉 
第一章──「物語」化がもたらす〈疎外〉
「物語」化とジェンダー/「南京の基督」 /「奉教人の死」
第二章──「物語」化へのノイズ
「六の宮の姫君」/「蜃気楼」
第三章──二項対立の「物語」
「羅生門」 /「蜘蛛の糸」/「藪の中」
第二部 ◇ 「物語」とメディア
第四章──借景するテクスト
「枯野抄」 /「内藤丈草」の季節/「開化の殺人」
第五章──「芥川」をつくったメディア 
「芸術」をめぐる戦略と自殺/『新潮』の戦略/『大阪毎日新聞』の戦略
第六章──「上海游記」をめぐる時間と空間
『大阪毎日新聞』と「上海游記」/「上海游記」にあり得た可能性
第三部 ◇ 〈疎外〉に抗して
第七章──研究の中の〈疎外〉
「芥川」研究の文法/「私小説」を語る言葉
第八章──行き止まりの装置
「母」を殺す言葉のために/〈娘〉の負い目の物語 
終章──「物語」のさらなる破壊へ

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谷崎潤一郎読本

五味渕典嗣・日高佳紀[編]

A5カバー装・356頁・3200円+税
ISBN978-4-87737-408-2(16・12)

あなたの知らない「谷崎」が、ここにいる。
「谷崎潤一郎全作品事典」を含む、21世紀の文学入門。

テクスト、メディア、文化と芸術、研究の現在とキーワード
複数の視点から気鋭の研究者たちが挑む──。
不世出の文豪が開いた、豊饒なる文学世界の見取り図。

 

座談会──複数の「谷崎」をめぐって
 明里千章、千葉俊二、西野厚志、細江光、五味渕典嗣、日高佳紀
Ⅰ──小説機械、谷崎潤一郎
 千葉俊二/大浦康介/飯田祐子/五味渕典嗣/日高佳紀
Ⅱ──谷崎をめぐるメディア・イメージ
 徳永夏子/篠崎美生子/平野芳信/山本亮介/笹尾佳代/安藤徹/井原あや/杉山欣也
Ⅲ──接続するテクスト
 城殿智行/木股知史/真銅正宏/中村ともえ/石川巧
Ⅳ──谷崎テクストの現在地
 金子明雄/生方智子/岩川ありさ/森岡卓司/榊原理智/西村将洋/坪井秀人/瀬崎圭二/牧義之/西野厚志
Ⅴ──データ室・谷崎潤一郎全作品事典

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溶解する文学研究

島崎藤村と〈学問史〉

中山弘明[著]

A5判上製・352頁・3600円 
ISBN978-4-87737-407-5 C0093 (16・12)

文学研究が揺らぐ現在、〈学問史〉という新視点から島崎藤村を照射する著書
近代文学の中核として存在してきた島崎藤村。そのテクストを、流動化しつつある文学研究の原点を再考する〈学問史〉と〈リテラシー〉の視点から精緻に捉える。
文学研究と時代の関わりを常に精査する著者の、「第一次大戦」と「戦間期」の論考に続く三部作の完結編。

 

序 論 〈学問史〉としての文学史

 

第一部 〈学問史〉と藤村言説
第一章 〈藤村記念堂〉というフォルム─谷口吉郎の建築と意匠
第二章 丸山静の藤村論─「国民文学」論と〈学問史〉
第三章 〈底辺〉から歴史を見る─田村栄一郎の『夜明け前』批判
第四章 三好行雄と〈学問史〉 ─アカデミズムと「国民文学」論

 

第二部 初期藤村とリテラシー
第五章 『若菜集』の受容圏─〈藤村調〉とリテラシー
第六章 〈小諸〉という場所─島崎藤村における金銭と言説
第七章 神津猛のパトロネージ─〈小説〉の資本論
第八章 「水彩画家」の光彩─〈ローカル・カラー〉論
第九章 〈談話〉の中の暴力─『破戒』論
第十章 『千曲川のスケツチ』の読者─『中学世界』とリテラシー

 

第三部 〈血統〉の解体
第十一章 『春』の叙述─〈透谷全集〉という鏡
第十二章 『家』の視角─〈家業〉と〈事業〉
第十三章 血統の神話─『家』のエイズ論
第十四章 『新生』における〈読み書きの〉─手紙と短歌
第十五章 方法としての〈老い〉─「嵐」の戦略

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谷崎潤一郎と芥川龍之介

「表現」の時代

田鎖数馬[著]

A5判上製・309頁・3600円
ISBN978-4-87737-395-5 C0093(16・3)

明治末期から大正期にかけて一般に定着し始めた
「表現」という言葉は、谷崎と芥川の文学を深く結び付けていく。
これまで知られてこなかった、
谷崎と芥川の「表現」をめぐる共鳴と
対立のドラマを丹念に辿り、
両者の密接な影響関係を軸に、両者の文学を読み解く。

第1章 谷崎と芥川の芸術観―「小説の筋」論争の底流
第2章 谷崎「刺青」の世界 
第3章 谷崎「愛すればこそ」の構造
第4章 芥川「奉教人の死」の方法 
第5章 芥川文学の変容 
第6章 芥川と「詩的精神」 
第7章 芥川の死と谷崎
補 論 谷崎と孝子説話

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反復/変形の諸相

澁澤龍彥と近現代小説

安西晋二[著]

A5判上製・333頁・3800円
ISBN978-4-87737-392-4 C0093(16・2)

翻案・引用を端緒に、
そこで形成されるパロディとしての構造を見据え、
典拠が、読み換えられ、書き換えられていった
複雑な経路を丹念に往還する試み。

❖序章❖反復/変形
翻案・引用、方法としてのパロディ
❖第一部❖澁澤龍彥の方法
1.パロディとしての自意識…「撲滅の賦」における反復/変形の構造 2.〈猥褻〉をめぐる闘争…サド裁判と四畳半襖の下張裁判と 3.澁澤龍彥の見たサド裁判…自己戯画というパロディ 4.『唐草物語』の方法…作家・澁澤龍彥の〈私〉 5.反復/変形される〈史実〉…「ねむり姫」の虚構性
❖第二部❖典拠の利用とその諸相
6.反復/変形の戦略性…芥川龍之介「六の宮の姫君」の方法から 7.習作期の中村真一郎…「和泉橋にて」の創作意識 8.パロディ化される文学史…太宰治「女の決闘」の起点 9.文学史叙述の可能性…太宰治「女の決闘」研究史を読み直す 10.「饒舌」と「説話」…昭和一〇年代における〈私〉の一側面 11.〈歴史〉を語る方法論…石川淳「諸國畸人傳」への視角 12.石川淳「修羅」を統べる〈ヒメ〉…〈歴史〉を改変するための力学 13.パロディを要請する志向…三島由紀夫「橋づくし」のエピグラフ 14.「わたし」をめぐる物語の変容…川上弘美「神様」と「神様 2011」
❖第三部❖変奏される〈音楽〉
15.書き記された〈音楽〉…永井荷風「新帰朝者日記」と洋楽受容 16.〈内部〉と交響する主題…福永武彦「私の内なる音楽」の批評性 17.吉田秀和と永井荷風との交差…「音楽的文明論」を手がかりとして
❖終章❖結論と課題

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川端康成

無常と美

藤尾健剛[著]

四六判・231頁・2800円
ISBN978-4-87737-388-7 (15・11)

「伊豆の踊子」から『たんぽぽ』に至る代表作十篇を独自の観点から解釈し、かつ川端文学を特徴づける「魔界」概念の成立背景や意義を考察する。

第一章 「伊豆の踊子」 
  ―「孤児根性」から脱却するとはどういうことか
第二章 「禽獣」の花嫁 ―動物・死者・仏
第三章 変幻する『雪国』 ―メタファーと写像
第四章 『舞姫』の「魔界」 ―戦後社会批判
第五章 『千羽鶴』の茶道批判
第六章 『山の音』の伝統継承
  ―死の受容と生命の解放
第七章 『みづうみ』の「魔界」

  ―無常への抵抗とその帰結
第八章 『眠れる美女』 ―母性と救済
第九章 「片腕」の寓意 ―永遠の独身者
第十章 『たんぽぽ』の「魔界」 

  ―日本の歴史継承批判
終章 「魔界」と芸術

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21世紀の三島由紀夫

有元伸子・久保田裕子[編]

A5判上・320頁・3200円
ISBN978-4-87737-391-7 C0093(15・11)

生誕90年、没後45年

三島由紀夫という〈総合的文化現象〉が、どのように同時代の言説や文化・社会状況と接合していったかという視点から、没後45年間にわたる三島由紀夫の多面的な活動の広がりと深みを考察。
今、三島を読むことにはどのような意味があり、どのような可能性を拓いていくことができるのか。
三島文学の新たな可能性を探る。

エッセイ────────
坂東玉三郎/生田大和/宮沢章夫/田尻芳樹/福田大輔/キース・ヴィンセント/ナムティップ・メータセート/藤田三男
インタビュー───────
宮本亜門

Ⅰ 三島由紀夫 作品の世界─────
杉山欣也/金井景子/松本常彦/松本徹/中村三春/田中美代子/宮内淳子/柳瀬善治

Ⅱ 三島由紀夫 作品へのアプローチ───
井上隆史/佐藤秀明/柴田勝二/久保田裕子/梶尾文武/有元伸子/山中剛史

Ⅲ 三島由紀夫 作品を読むための事典──

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太宰治

調律された文学

大國眞希[著]

A5判・224頁・2800円 
ISBN978-4-87737-386-3 C0093 (15・10)

〈音〉に耳をすましながら太宰作品を構築する
言の葉の繁みに入り込み、いかに太宰作品が調律されているか、太宰の小説空間にいかに〈音〉が響くのか、その重層性、音響について明らかにする。

 

序…太宰文学におけるスペクトル
I 声と色彩
《幽かな声》と《震へ》─「きりぎりす」
水中のミュートとブレス─「秋風記」
II 信仰と音
小説に倍音はいかに響くか、言葉はいかに生成するか─「I can speak」
《鳥の聲》と銀貨─「駈込み訴へ」
「斜陽」と生成と海─「斜陽」
III 瞳が構成するもの
《象徴形式》としての能舞台─「薄明」
ロマンスが破壊されても美は成立するか?
─「雪の夜の話」
IV 水に沈む主体と
  映し出される青空
天国と地獄の接合点─「道化の華」
生贄を求めて、ぽっかり口を開ける〈作家〉
─「断崖の錯覚」
失われた首を求めて─「左大臣実朝」
結…太宰文学と〈音〉
水、鏡、音の変奏─「ダス・ゲマイネ」から
月光と水底と声 

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平林たい子

社会主義と女性をめぐる表象

グプタ スウィーティ[著]

A5判・173頁・2800円
ISBN978-4-87737-385-6 C0093 (15・9)

平林たい子  生誕110年

女工、農婦、職業婦人、女性社会運動家、社会運動家の妻、主婦、病人など、さまざまな女性表象に着目して女性像の多面性を探り、社会主義思想の転換による人間表象の変化にも言及し、たい子文学の新たな側面を発掘する。

 

第一部 社会問題への目覚め

第一章 『殴る』—闘う女の苦しみ—
第二章 『荷車』—辛抱する女から復讐する女へ—


第二部 社会運動内部での葛藤

第一章 『非幹部派の日記』—女性社会運動家の成長—
第二章 『その人と妻』—社会運動家の妻の悩み—


第三部 社会運動内部にみる問題点と可能性  
第一章 『プロレタリヤの星—悲しき愛情』
    —社会運動の陥穽— 
第二章 『プロレタリヤの女』—社会運動の可能性—


第四部 社会主義からの越境
第一章 『かういふ女』に見る人間表象の転換
    —「私」の〈多面性〉—   
第二章 『私は生きる』—「私」の〈涙〉—

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文学の力とは何か

漱石・透谷・賢治ほかにふれつつ

佐藤泰正[著]

A5判・880頁・3800円
ISBN978-4-87737-384-9(15・6)

漱石における〈文学の力〉とは何か
宮沢賢治の生涯を貫く闘いは何であったのか
〈文学の力〉の何たるかを示すものは誰か

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漱石『夢十夜』探索

闇に浮かぶ道標

清水孝純[著]

四六判・240頁・3000円
ISBN978-4-87737-383-2(15・5)

謎に満ちた『夢十夜』の神秘と混沌を感触を手掛かりに解読する

第一夜 眸から宇宙という眸
第二夜 知の栄光と悲惨
第三夜 逆行する時空
第四夜 剽軽な道士の道行き
第五夜 夢という自在な時空
第六夜 木の中に埋まっている仁王像
第七夜 死の疑似体験としての夢
第八夜 分断された映像の行列
第九夜 闇からのメッセージ
第十夜 寓話として読んでみる

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「草の花」の成立

福永武彦の履歴

田口耕平[著]

四六判上製本・231頁・2800円+税
ISBN978-4-87737-381-1(15・3)

こんな新鮮な読みがあったか!
福永武彦が隠すふりをしながら実は言おうとしていたことを解き明かす。
テクストの陰の部分に光を当て、作品の意味を反転させる。
これはスリリングである。(池澤夏樹)

 

序 田口耕平氏の方法 神谷忠孝

「幼年」論―母の系譜
「河」論―父の系譜 35
「草の花」の成立―福永武彦の履歴
第1章 「第一の手帳」の成立
第2章 「第二の手帳」の成立
第3章 「冬」「春」の成立
「夢の輪」論―「寂代」と「帯広」
封印と暗号―最後の小説「海からの声」へ

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横光利一と
「近代の超克」

『旅愁』における建築、科学、植民地

金 泰暻[著]

四六判・232頁・2800円+税
ISBN4-9-87737-378-8(14・12)

可能態としての『旅愁』
建築、科学、植民地をキーワードに
未完の『旅愁』が
われわれに残している可能性を探る

 

第一部───「建築」をめぐる冒険
第一章 「チロル」は美しいか
第二章 「近代の超克」としての建築
第三章 建築論の修辞学──
  「ノートルダム」をめぐって
第二部───『旅愁』を内破する力
第四章 『旅愁』におけるナショナリズム──
  「上海」から問う
第五章 可能性としての「朝鮮」──
  「光の中に」と『旅愁』に描かれた「南」
第三部───『旅愁』の射程と限界
第六章 『旅愁』改稿の意味
第七章 『旅愁』における科学的言説の射程と限界
むすびにかえて───敗戦後の横光利一文学

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岡本かの子

描かれた女たちの実相

近藤 華子[著]

A5判上製・285頁・3200円+税
ISBN4-9-87737-374-0(14・10)

第一部♦結婚の要請に苦しむ女たち 第一章 『晩春』──鈴子の〈苦しみ〉 第二章 『肉体の神曲』──揺らぐ〈肥満〉の意味 第三章 『娘』──室子の〈空腹感〉   第二部♦家業を担う女たち  第一章 『渾沌未分』──小初の希求したも 第二章 『鮨』──ともよの〈孤独感〉 第三章 『家霊』──くめ子と〈仕事〉   第三部♦職業に従事する女たち  第一章 『越年』──加奈江と〈暴力〉 第二章 『花は勁し』──桂子の光と影 第三章 『夫人と画家』──青い画の相克   第四部♦母の規範を超える女たち 第一章 『母と娘』──密着から自立へ/戦争協力から反戦へ 第二章 『母子叙情』──母子解放の〈通過儀礼〉   第五部♦老いに抗う女たち 第一章 『かやの生立』──越境する〈乳母〉 お常の両義性 第二章 『老妓抄』──芸者が舞台を降りるとき
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谷崎潤一郎

谷崎潤一郎

テクスト連関を読む(近刊)

安田 孝[編]

A5判・288頁・2800円
ISBN978-4-87737-367-2 (14・5)

作品からテクストへ

ある作家を特別な存在として個別に扱うのではなく、さまざまなテクストを結びつけるテクスト連関から相対化してとらえる試み。


谷崎潤一郎と木下杢太郎/一幕物の流行した年/谷崎潤一郎と戯曲/女が女を愛するとき/一九二〇年代における哺乳をめぐる一考察/『乱菊物語』の裏表/「細雪」と写真/田辺聖子の戦争と文学/変容するテクスト/変容する書き手 ─『回転木馬のデッド・ヒート』をめぐって─/「琴のそら音」解説/「無名作家の日記」解説/「猿の眼」解説/谷崎潤一郎全作品事典から/安田靫彦をめぐって/「森鴎外と美術」展─近代日本における油彩画の変遷─ /露伴の翻案・翻訳

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喪の領域

中上健次・作品研究

浅野 麗[編]

A5判・287頁・2800円
ISBN978-4-87737-365-8 (14・4)

《他者》《共同体》《倫理》といった主題系と深く切り結ぶ中上健次の小説を系譜的に読み解く


第一章《被傷者》の苛立ち「補陀落」、『岬」/第二章 誤読の効能『枯木灘』/第三章《交感》の実践を/として書くこと 『紀州 木の国・根の国物語』/第四章《解放》の論理に根ざす文化の構想『千年の愉楽』/第五章 危機に立つ《小説家》『熊野集』/第六章 死者と共同体 『地の果て 至上の時』/第七章「路地」なき後のアイデンティティ『日輪の翼』/第八章 妄想の反復・亡霊の期待『野生の火炎樹』

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芥川龍之介と切支丹物

多声・交差・越境

宮坂 覺[編]

A5判・572頁・8000円
ISBN978-4-87737-369-6(14・4)

芥川龍之介とその文学は、多声(多層)性をもたらし、様々な言語、文化と交差し、様々な領域を越境し続けているのである。
その〈揺蕩い〉に、本書は芥川文学の魅力の原点を見る

Wuthenow, Asa-Bettina/足立 直子/有光 隆司/安藤 公美/伊藤 一郎/乾 英治郎/海老井 英次/遠藤 祐/王 書瑋/太田 真理/奥野 久美子/奥野 政元/小澤 純/郭 勇/影山 恒男/神田 由美子/菊地 弘/小谷 瑛輔/五島 慶一/小林 幸夫/佐藤 泰正/澤西 祐典/Jay Rubin/篠崎 美生子/嶌田 明子/清水 康次/庄司 達也/秦 剛/関 祐理/関口 安義/戴 煥/高橋 修/髙橋 龍夫/髙橋 博史/田村 修一/千葉 俊二/曺 紗玉/Teresa Ciapparoni /La Rocca/東郷 克美/長濵 拓磨/西山 康一/河 泰厚/早澤 正人/馮 海鷹/平岡 敏夫/藤井 貴志/彭 春陽/細川 正義/Massimiliano Tomasi/松本 常彦/宮坂 覺/林 水福

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出発期の堀辰雄と海外文学

「ロマン」を書く作家の誕生

宮坂康一[著]

A5判・237頁・2800円
ISBN978-4-87737-366-5 (14・3)

コクトオ プルウスト ジイド ラジゲ
堀辰雄の主要作品と海外文学の連関に、初期作品における海外文学受容はいかなる影響を及ぼしたか。


第一部

第一章 大正末から昭和初期のわが国におけるコクトオ受容と堀辰雄/第二章「ルウベンスの偽画」とコクトオ「グラン・テカアル」/第三章「ルウベンスの偽画」とコクトオ「職業の秘密」
第二部
第一章 「眠りながら」に見る夢のメカニズム/第二章「眠つてゐる男」に見る「文学上の左翼」への意思/第三章 夢のメカニズムとその変容
第三部
第一章 「不器用な天使」における「本格的小説」の模索/第二章 コクトオ「職業の秘密」受容による「死」の導入/第三章 堀辰雄におけるジイド「ドストエフスキイ論」の受容/第四章 モダニズム全盛期における「古典主義」小説「聖家族」/おわりに

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芥川龍之介の童話

神秘と自己像幻視の物語

武藤清吾[著]

A5判・221頁・2800円
ISBN978-4-87737-361-0 (14・2)

「蜘蛛の糸」/「犬と笛」/「魔術」/「杜子春」/「アグニの神」/「三つの宝」/「仙人」/「白」/「女仙」/「蜜柑」/「トロッコ」/童話や少年少女小説を対象にその魅力となっている源泉を神秘と自己像幻視の視角から考察


序 章  芥川龍之介の童話と少年少女向け小説
 一 読みつがれる芥川龍之介の童話
 二 神秘への関心と自己を問うこと
第一章  芥川龍之介と神秘
 一 芥川龍之介の幼少期と神秘
 二 妖変ブームと心霊学、神秘主義
 三 芥川龍之介と海軍機関学校
第二章  童心と神秘─芥川龍之介と北原白秋
 一 白秋の芥川龍之介への影響
 二 『赤い鳥』における龍之介と白秋
 三 白秋の童話論と龍之介
第三章  芥川龍之介が描いた少年少女
 一 少年少女を描いた作品と童話
 二 「トロッコ」の少年
 三 「少年」における追憶の形式と神秘
第四章  芥川龍之介童話の成立とその本質
 一 自己の分裂と統合の物語と神秘
 二 もう一人の〈わたし〉と出会う物語
 三 ドットルゲンゲルの軌跡と童話の神秘
終 章  芥川龍之介童話の提示したもの

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媒介者としての国木田独歩

ヨーロッパから日本、そして朝鮮へ

丁 貴連[著]

A5判・485頁・5600円
ISBN978-4-87737-362-7 (14・2)

西洋を見つめ、西洋近代文学の一方的受信者と知られる
日本の近代文学は韓国近代文学の「起源」に深くかかわっていたなかでもワーズワースやツルゲーネフなど西欧近代文学から影響を受けた独歩は、新しいモチーフや短編スタイルを確立した作家として知られる。そして、その独歩の作品が韓国の近代文学の成立過程にも深い影響を及ぼした


序 章 朝鮮文壇と独歩──日本留学・ジャーナリズム・国語教育

第Ⅰ部 形式 書簡体形式・一人称観察者視点形式・枠形式

第1章 恋愛、手紙、そして書簡体という叙述形式──「おとづれ」と李光洙「幼き友へ」/第2章 一人称観察者視点形式と「新しい人間」の発見──「春の鳥」と田榮澤「白痴か天才か」/第3章 近代文学の「成立」と枠小説、そして「恨」──「女難」・「運命論者」と金東仁「ペタラギ」

第Ⅱ部 内容 モチーフ・主題・プロット
第4章 もう一つの「少年の悲哀」──「少年の悲哀」と李光洙「少年の悲哀」/第5章 愚者文学としての「春の鳥」──「春の鳥」と田榮澤「白痴か天才か」/第6章 帰郷小説が映し出す様々な故郷──「帰去来」と廉想渉「万歳前」/第7章 傍観者としての語り手──「竹の木戸」と田榮澤「ファスブン」/第8章 〈余計者〉と国家──「号外」と金史良「留置場で会った男」/終章 もう一つの小民史──日清戦争と独歩、そして朝鮮

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漱石 一九一〇年代

玉井敬之[編]

A5判・319頁・4800円
ISBN978-4-87737-357-3 (14・1)

鷗外や漱石にとって明治とは、自らもそのなかにいた重みのある実態としての世界であり、直哉や龍之介にとっては過ぎ去りつつある時代として感じられたのであろう。歴史を経験したものとこれからそれに向かっていくもの、新時代の到来と受け取ったものとの違いでもあったと思われる。そうしてそれが一九一〇年代の初頭にあたっていた。───「はじめに」より


Ⅰ 『それから』論―代助の再生へ/『門』―過去と現在のドラマ/『門』―野中夫婦の行方/『心』雑感/『硝子戸の中』の一面/『道草』論/『道草』―健三の淋しさ/『明暗』論/三人の女―お延・お秀・吉川夫人
Ⅱ 夏目漱石と女性/養子として・養父との関係/漱石と「家」

Ⅲ 明治四十四年夏の漱石/夏目漱石の講演/ ―「私の個人主義」をめぐって/一九一〇年前後の漱石と啄木/鶏肋篇/『門』から覗くことができたもの/『道草』について思うこと/漱石漢詩と篆刻/詩と散文の間/漱石を読んでいて/肱を枕にするということ/一乗閣

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樋口一葉と女性作家

志・行動・愛

高良留美子[著]

A5判・419頁・3800円
ISBN978-4-87737-359-7 (13・12)

樋口一葉/与謝野晶子/平塚らいてう/野上弥生子/田村俊子/宮本百合子/林芙美子/真杉静枝/佐多稲子/平林たい子


Ⅰ 一葉の志と愛
一 樋口一葉『やみ夜』と自由民権の志 ─ 波崎のモデル大石を通して/二 樋口一葉『やみ夜』と他の二人のモデル ─ 渋谷三郎と久佐賀義孝/三 樋口一葉『やみ夜』と「名もなき狂者」への道 ─ お蘭と直次郎の愛/四 樋口一葉の政治的関心と国家観を考える ─ 一葉は国家主義者だったか/五 樋口一葉・和歌と日記に表れた日清戦争観 ─ 〈敷島のやまとますらをにえにして〉/六 樋口一葉『ゆく雲』と錦絵のなかの日清戦争 ─ 同じ根をもつ民族差別と女性差別/七 書く女たち ─ 女性の運動と文学に通底する〈志〉を中心に
Ⅱ 晶子・らいてう・弥生子 ─ 近代をいかに超えるか
一 与謝野晶子の詩をよむ ─ 国民皆兵に抵抗/二 平塚らいてうとアナーキズム ─ 相互扶助の思想と実践/三 平塚らいてうの議会主義と天皇賛美の問題 ─ 〈近代〉をいかに超えるか/四 野上弥生子の恋愛・結婚小説と、中勘助との恋 ─ 『青鞜』の裏の世界/五 野上弥生子が書いた台湾 ─ 他者がつくる〈壁/六 明治から大正期の「女の生活」 ─ 八つの女性雑誌から
Ⅲ 俊子・百合子・芙美子 ─ 異郷経験と戦争
一 田村俊子と鈴木悦・愛のかたち ─ カナダ渡航から帰国まで/二 田村俊子の在日期の評論について ─ 時代の要求に抗して/三 宮本百合子の手紙 ─ ニューヨークで・夫の病気・釈放と母の死後/四 林芙美子の詩をよむ ─ 富士山の詩と「いとしのカチユーシヤ」/五 林芙美子のパリ旅行と満州事変前後 ─ ソビエトを通って世界恐慌下のパリへ/六 林芙美子の『戦線』 ─ 〈女ひとり〉のペン先が掘り起こしたもの/七 林芙美子・〈放浪〉の軸の上で ─ 『戦線』と『北岸部隊』/八 林芙美子の墓
Ⅳ 静枝・稲子・たい子 ─ 植民地・抵抗・革命運動
一 真杉静枝・悪評の作家 ─ 昭和文学の/二 真杉静枝の結婚小説『駅長の若き妻』を読む ─ 想像力と言葉による〈家〉の粉砕・消去/三 真杉静枝が書いた台湾 ─ 陰影あるエッセイ/四 真杉静枝『南方の言葉』を読む ─ 本島人と台湾語への愛/五 佐多稲子の詩と転換期の時代 ─ 直情から描写・象徴・暗喩へ/六 佐多稲子の昭和十年代 ─ 抵抗の種子/七 『渓流』における佐多稲子・中野重治・宮本顕治 ─ 「自分らしさ」の解放/八 平林たい子『盲中国兵』と二極分裂の世界 ─ 軍国主義ファシズム末期の日本

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室生犀星の詩法

九里順子[著]

A5判・379頁・3800円
ISBN978-4-87737-353-5 (13・7)

犀星は近代詩の窓である。──ここから見える風景
固有の生を求めて表現を模索し実行し、表現がきわまった地点に生も確立した。 ことばは仮構するという営為であるが、それを本質に転じるのもことばである。詩作とは、自覚的にその営為を続け、仮構==本質の二重構造に徹することである。犀星の詩法とは、そのような生の謂に他ならない。──────あとがきより


第一章「抒情」・「小曲」─『抒情小曲集』『青き魚を釣る人』/第二章 意味と秩序 ─『愛の詩集』『第二愛の詩集』『寂しき都会』/第三章〈家庭〉と〈都市〉─『星より来れる者』『田舎の花』/第四章〈父〉の情景─『忘春詩集』『高麗の花』『故郷図絵集』/第五章〈幽遠〉の先─『鶴』『鉄集』/第六章 文語・定型─『哈爾浜詩集』/第七章 詩人==生活人─『美以久佐』『日本美論』『余花』/第八章 疎開と戦後─『木洩日』『山ざと集』『旅びと』『逢ひぬれば』/第九章 時間とエロス─『昨日いらつしつて下さい』『晩年』

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芥川龍之介新論

芥川龍之介新論

関口安義[著]

A5判・470頁・8600円
ISBN978-4-87737-335-1 (12・5)

>この世の苦難を創作に転移した作家の、生誕120年、没後85年…
第1章 弱者への眼
 1奇怪な再会/2おぎん/3報恩記
第2章 切支丹宗徒への眼
 1尾形了斎覚え書/2奉教人の死/3南京の基督
第3章 不条理への眼
 1母/2悠々荘/3歯車
第4章 怪異・異形への眼
 1妖婆/2魔術/3河童
第5章 友人への眼
 1一高の三羽烏/2山本喜誉司
第6章 社会への眼
 1「謀叛論」 の余熱/2将軍の実像/3中国と朝鮮
第7章 時代への眼
 1芥川と明治/2再見『支那ゆう記』
付 対談 現代への眼
 1現代に生きる芥川龍之介/2世界に羽ばたく芥川文学
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評伝壺井栄

評伝壺井栄

鷺只雄[著]

A5判・618頁・8000円
ISBN978-4-87737-334-4 (12・5)

第21回やまなし文学賞!

第一章 小豆島 
第二章 結婚 第三章 激流(上)
第四章 激流(中)
第五章 激流(下)
第六章 文壇登場 
第七章 『暦』のころ小豆島 
第八章 戦時下の文学(上)
第九章 戦時下の文学(中)
第十章 戦時下の文学(下)
第十一章 敗戦混迷の中で(上)
第十二章 敗戦混迷の中で(下)
第十三章 文壇復帰
第十四章 流行作家
第十五章 死とその前後

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村上春樹と 〈最初の夫の死ぬ物語〉

村上春樹と 〈最初の夫の死ぬ物語〉

新装判

平野芳信[著]

四六判・205頁・1800円
ISBN978-4-87737-323-8 (11・12)

夏目漱石・村上春樹・岩井俊二─天才は同じ物語を紡ぐのか……!?『こゝろ』『ノルウェイの森』『ラヴレター』『タッチ』『めぞん一刻』…は、すべて《最初の夫の死ぬ物語》である。
一 彼らが死んだ理由
二 凪の風景、あるいはもう一つの物語
三 最初の夫の死ぬ物語(上)
四 最初の夫の死ぬ物語(下)
五 岩井俊二、小説から読むか?映画から観るか?
六 反復する歴史
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鴎外『椋鳥通信』全人名索引

鴎外『椋鳥通信』全人名索引

山口徹[著]

B5判・552頁・7600円
ISBN978-4-87737-321-4 (11・10)

「椋鳥通信」は森鴎外が定期購読していたヨーロッパの新聞雑誌のうちから興味深い話題をピックアップして、翻訳連載した物である。掲載された全人名(720名)を、人名・本文表記・頁数・人物紹介・出生地・生年・没年・トピックの順で索引として作成。国際情勢から最先端の学問の動向からゴシップまで多岐にわたっている。
・政治史(選挙権の拡大、社会・共産主義の台頭、貴族社会の崩壊と市民階級の隆盛、国際間紛争・和平など)
・文化史(ゴシップ、猟奇殺人事件、流行のファッション、各種トリビアなど)
・国制・社会史(植民地経営、検閲・発禁、階級・国家間格差、法制度上の問題など)
・メディア史(電話、通信、新聞・雑誌、出版、国際間情報など)
・交通史(航空・航路・自動車などの開発、スピード・距離記録の更新など)
・産業・技術史(新素材開発、各種発明・発見、巨大企業・財閥の盛衰、大量消費社会の出現など)
・医学史(特効薬の発明、衛生学、医療技術開発など)
・音楽史・演劇史・美術史(上演プログラム、展覧会情報、批評、作者・あらすじ紹介など)
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柳美里 1991-2010

柳美里 1991-2010

原仁司[編]

A5判・280頁・2800円
ISBN978-4-87746-310-8 (11・2)

座談会 柳美里/川村湊/富岡幸一郎/原仁司
断崖の上から方舟へ─「魚の祭」の〈家族〉と柳美里の演劇経験 久米依子
「物語る」 ことの倫理─柳美里『石に泳ぐ魚』裁判と「表現の自由」 原仁司
物語と演技─『家族シネマの方法論』 永岡杜人
記憶の中の海峡─『水辺のゆりかご』から『仮面の世界』へ 小林孝吉
「十四歳少年」の父親殺し ─『ゴ─ルドラッシュ』 井口時男
欲望の贅沢な引き算─「ル─ジュ」をめぐって 小平麻衣子
家族の物語/家族の戯画 ─『女学生の友』 宇佐見毅
方舟と戦争─柳美里『命』四部作を読む 中島一夫
英姫のために─『8月の果て』と言う事件 川村湊
死の一線からの言葉─『山手線内回り』 富岡幸一郎
不可視的存在と〈恨〉の精神─『雨と夢のあとに』論 原仁司
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阿部次郎をめぐる手紙

阿部次郎をめぐる手紙

平塚らいてう/茅野雅子・蕭々/網野菊/田村俊子・鈴木悦/たち

青木生子・原田夏子・岩淵宏子[編]

A5判・375頁・3800円
ISBN978-4-87751-305-4 (10・12)

阿部次郎あての麻生正蔵・茅野雅子らの「書簡」の翻刻と解説。
そして、朝日新聞社記者鈴木悦から愛人田村俊子にあてた来信の翻刻と解説。田村俊子という数奇な運命を辿った女性作家の逃避行時代を跡づける貴重な新資料でもある。
目次
阿部次郎をめぐる手紙
阿部次郎宛書簡と日本女子大学校ー寄託のいきさつ
阿部次郎と日本女子大学校
書簡Ⅰ
 麻生正蔵/茅野雅子/茅野儀太郎/田村俊子/平塚らいてう/板垣直子/湯浅芳子
書簡Ⅱ
 鈴木悦
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夏目漱石の京都

夏目漱石の京都

丹治伊津子[著]

A5判・367頁・3400円
ISBN978-4-87747-309-2 (10・12)

序文 平岡敏夫/松岡陽子マックレイン
Ⅰ 『虞美人草』ができるまで
  漱石の描いた白百合
  なつかしい母の声がする
Ⅱ 『明暗』ヒロイン・お延のモデル
  名付け親になった漱石
  津田青楓の元妻・山脇敏子
  漱石の女弟子・藤浪和子
  漱石が書いた紹介状
Ⅲ 「鉢花図」と高村光太郎
  「椿と盆石」の淡彩画によせて
  漱石と子規と茶の湯
  漱石直一の落款
Ⅳ 原三渓と漱石
  池辺三山と漱石
  芥川龍之介宛書簡にみる師弟愛
  釈宗演と『初秋の一日』
  修善寺菊屋における漱石
Ⅴ 京都で漱石二十年忌を開催した西川一草亭
  漱石忌展示目録居風洞刊『瓶史』
  漱石二十年忌の赤木桁平
Ⅳ 漱石と一客一亭
Ⅶ 漱石の『京都日記』
  祗園多佳女の日記
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樋口一葉 初期小説の展開

樋口一葉 初期小説の展開

橋本のぞみ[著]

A5判・245頁・3600円
ISBN978-4-87749-307-8 (10・12)

初期小説光をあて、小説家一葉誕生の軌跡を探る

第一部 〈死にゆく女〉からの出発
第一章 『闇桜』─「花」レトリックからの逸脱
第二章 『たま襷』 から『五月雨』 へ─女性神話への挑戦
第三章 『別れ霜』─〈人情〉の消失
第四章 『うもれ木』─〈国民〉の実態
第二部 〈都落ちする女〉の創出
第一章 『暁月夜』─女性〈物語〉生成の場
第二章 『雪の日』─語る言葉を失くすとき
第三部 〈都心部へと舞い戻る女〉のゆくえ
第一章 『琴の音』─独奏から重奏へ
第二章 『花ごもり』─〈国民〉の処世術
第三章 『やみ夜』─傀儡の他者性
第四章 『軒もる月』─〈二タ心〉とジェンダ─・システム

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漱石の教養

漱石の教養

小倉脩三[著]

A5判・240頁・4200円
ISBN978-4-87753-303-0 (10・10)

東北大学図書館に保管されている『漱石文庫』。しかもそこには漱石が読んだと思われる痕跡が、書き込みと傍線によって遺されている。本書では、原文を引用して、個々の蔵書を再読し、漱石の教養の内容がどのような源泉のもとに成り立っていたのかを検証してみたい。(「はじめに」より)
第一部 意識の理論
1.ロイド・モーガン『比較心理学入門』
2.テオドール・リボー『感情の心理学』
3.ウィリアム・ジェームズ『宗教的経験の諸相』
第二部 文明・開化の理論
4.マックス・ノルダウ『退化論』
5.チェーザレ・ロンブローゾ『天才論』
6.ギュスターブ・ル・ボン『社会主義の心理学』
7.ベンジャミン・キッド『西洋文明の原理』
8.ジャン・マリー・ギュヨー『教育と遺伝』
9.アーサー・J・グラント『ペリクレス時代のギリシャ』
第三部 芸術の理論
10.カール・グロウス『人間の遊戯』
11.W.マーチン・コンウェイ『芸術の領域』
第四部 結婚と家族の理論
12.シャルル・レトルノー『結婚と家族の進化』
13.シャルル・レトルノー『財産、その起源と発達』
第五部 思想一般
14.ヘンリー・シジウィック『倫理学の方法
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漱石『明暗』の漢詩

漱石『明暗』の漢詩

田中邦夫[著]

A5判・543頁・6800円
ISBN978-4-87737-299-6 (10・7)

第一部 総論
第一章 『明暗』 執筆日と漢詩創作日との関係
第二章 『明暗』と漢詩の「自然」
第一章 『明暗』における「自然物」と「西洋洗濯屋」の風景
第二部 『明暗』の日常世界描写における漢詩の役割
〈津田の留守宅にて〉
第一章 お延と小林の対座場面の最後
第二章 津田とお秀の対話
第三章 津田・お秀・お延の会話場面
第四章 小林の津田に対する強請り
第五章 お延とお秀の戦争
第六章 吉川夫人と津田との対話
第七章 お延の津田に対する「愛の戦争」
第八章 小林の造型と七言律詩
第九章 構想メモとしての五言絶句
第三部 『明暗』の非日常世界創作と漢詩
第一章 津田の「夢」
第二章 清子の形象
補章 『明暗』第二部の舞台
 1『明暗』構想の原型
 2 『明暗』の温泉宿、天野屋旅館の大正四年末頃の建物配置について
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武者小路実篤の研究

武者小路実篤の研究

美と宗教の様式

寺澤浩樹[著]

A5判・400頁・3800円
ISBN978-4-87737-301-6 (10・6)

第Ⅰ部 作品論
第一章 創作集『荒野』の世界─調和的上昇志向の文芸
第二章 小説「お目出たき人」の虚構性─素材の作品化の問題をめぐって
第三章 小説「お目出たき人」の世界─〈自然〉と〈自己〉
第四章 小説「世間知らず」と〈運命〉
第五章 〈初期雑感〉の特質─〈聖典〉としての文芸
第六章 戯曲「わしも知らない」の世界─信仰によって生きること
第七章 戯曲「その妹」の悲劇性─生命力表現の変容
第八章 戯曲「その妹」とその上演
第九章 小説「友情」の世界─生命力と宗教
第一〇章 戯曲「人間万歳」の世界
第一一章 小説「第三の隠者の運命」の世界─悟りきれない人間の祈り
第Ⅱ部 作家論
第一章  武者小路実篤と北海道
第二章 武者小路実篤と有島武郎─宗教的感性と社会的知性
第三章 武者小路実篤と「新しき村」
終章 武者小路実篤の表現様式─美術と文芸の間にあるもの
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三島由紀夫 物語る力とジェンダー

三島由紀夫 物語る力とジェンダー

豊饒の海』の世界

有元伸子[著]

四六判・323頁・2800円
ISBN978-4-87737-293-4 (10・3)

没後40年、三島の遺作『豊饒の海』を、〈ジェンダー〉と〈語り〉によって解析!
Ⅰ物語構造とジェンダー
 1物語る力とジャンダー
 2浄と不浄のおりなす世界
 3人間関係図/時系列データ表

Ⅱ男性ー認識と行為の物語
 1「客観性の病気」のゆくえ
 2転生する「妄想の子供たち」
Ⅲ女性ー〈副次的人物〉は何を語るか
 1綾倉聡子とは何ものか
 2烈婦/悪女と男性結社
 3「沈黙」の六十年
Ⅳ典拠と物語のジェンダー性
 1『竹取物語』典拠説の検討
Ⅴ生成過程ー創作ノート・直筆原稿から見えるもの
 1『天人五衰』の生成研究
 2透と絹江、もう一つの物語
 3 『天人五衰』の結

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宮沢賢治 読者論

宮沢賢治 読者論

西田良子[著]

A5判・368頁・4800円
ISBN978-4-87737-298-9 (10・3)

第20回宮沢賢治賞!

序 如是我読

賢治童話研究の始点
一つの「心象スケッチ」の出来上がるまで
四つの「銀河鉄道」
賢治童話の基底にあるもの
(一)死の意識について
(二)「いかり」と「あらそい」の否定から超克へ
賢治童話の思想
賢治童話の魅力

賢治思想の軌跡
大正十年の宮澤賢治─賢治と国柱会─
賢治童話における「雪渡り」の位置

[雨ニモマケズ]論
[雨ニモマケズ]読者論

宮沢賢治のめざしたもの
宮沢賢治のメッセージ
宮沢賢治最後のメッセージ

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鷗外白描

鷗外白描

佐々木雅發[著]

A5判・607頁・8000円
ISBN978-4-87737-295-8 (10・3)

Ⅰ「舞姫」論─うたかたの賦─
 一 「舞姫」前夜
 二 「舞姫」委曲
 三 「舞姫」後日
「文づかい」論 ─イイダの意地─
「灰燼」論─挫折の構造─
「阿部一族」論─剽窃の系譜─
 一 先行文献への疑義
 二 原拠『阿部茶事談』増補過程の検討
 三 『阿部茶事談』原本の性格
 四 『阿部茶事談』増補の趨向
 五 「阿部一族」─もう一つの異本─
「大塩平八郎」論─枯寂の空─
「安井夫人」論─稲垣論文に拠りつつ─
Ⅱ 鷗外記念館を訪ねて
「うたかたの記」
「灰燼」について考えていること
「大塩平八郎」
鷗外二題
 一 「余興」その他
 二 「津下」四郎左右衛門」
   「歴史其儘と歴史離れ」
Ⅲ 抽斎私記
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漱石と近代日本語

漱石と近代日本語

田島優[著]

A5判・368頁・4800円
ISBN978-4-87737-290-3 (09・11)

 漱石の作品を読んでいくと、その端々に、現代から見ると様々な違和感を生ずる。
 漱石の作品から、明治以降変遷する近代日本語の歴史を探る漱石を読むことは近代日本語の歴史を知ることである。
目次
第一章 近代日本語資料としての漱石作品
第二章 漱石の生涯と近代日本語
第三章 違和感(ノイズ)
第四章 漱石と江戸語(東京方言)
第五章 語の移り変わり
第六章 翻訳語法の定着
第七章 話しことばの移り変わり
第八章 漱石表記と書記意識
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夏目漱石論

夏目漱石論

〈男の言説〉と〈女の言説〉

小泉浩一郎[著]

A5判・368頁・6000円
ISBN978-4-87737-283-5 (09・5)

Ⅰ漱石と鷗外
Ⅱ『坊っちやん』の構造
『草枕』論
『野分』の周辺
観念と現実 『野分』論
Ⅲ『三四郎』論
『門』・一つの序章
『彼岸過迄』をめぐって
相対世界の発見
漱石『心』の根底
(付)戦後研究史における「漱石と『明治の精神』」
Ⅳ『心』から『道草』へ
『道草』の言語世界
『明暗』の構造/臨終前後
Ⅴ漱石論をめぐる二つの陥穽
『私の個人主義』の位置づけをめぐり
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漱石の「こゝろ」を読む

漱石の「こゝろ」を読む

佐々木雅發[著]

四六判・148頁・1800円
ISBN978-4-87737-276-7(09・4)

先生は死を目指しながら、しかし、それに到り着くことの出来ないまま、すでに恒に死の空間を歩み続ける。あるいはそれは〈死にゆくこと〉の無際限な時間に属しているといってもよいのだ。-そしておそらく先生の、このような死への果てしなき彷徨こそ、〈死という事実〉の厭うべき、恐るべき相貌だといえるのではないか。 〈目次〉父の死/静の心、その他/先生の遺書/日記より
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流動するテクスト 堀辰雄

流動するテクスト 堀辰雄

渡部麻実[著]

A5判・324頁・3600円
ISBN978-4-87737-268-2(08・11)

一部 外国文学に関するノート 一章プルースト/二章リルケ/三章その他/ラベ、ゲラン、ノワイユ夫人・ノート/デュ・ボス、モーリアック、グリーン・ノート/二部 流動するテクスト 『美しい村』/『風立ちぬ』/草稿「菜穂子」と『菜穂子』/『幼年時代』/『ふるさとびと』生成/終章/資料編 外国文学に関するノート一覧/「Carte」・参考文献
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上司小剣論

上司小剣論

吉田悦志[著]

四六判・320頁・3200円
ISBN978-4-87737-273-6(08・11)

上司小剣という埋もれた作家を再評価する画期的書
小剣の摂津多田神社時代は、この作家が常に遡行した原点である。「天満宮」などの名作は、小剣がこの時代に体験し抱え込んだ宿命を形象化した作品である。いま一つ、いわゆる明治社会主義本体への接近と離脱の時代が小剣文学の核心を形成する。二つの時代の原体験が重なり合って、自我隠匿の独自の小剣文学が創生する。
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芹沢光治良

芹沢光治良

評伝

勝呂奏[著]

A5判・346頁・4000円
ISBN978-4-87737-265-1(08・9)

◆第8回キリスト教文学会賞
序作家の精神/誕生・我入道/楊原尋常小学校/沼津中学校/第一高等学校・東京帝国大学/農商務省・結婚/パリ留学・結核闘病/作家デビュー/同伴者作家/日中戦争/太平洋戦争/戦後の再出発/ヨーロッパ再訪/作家の覚悟/『人間の運命』(1)(2)/芸術院会員・日本ペンクラブ会長/『芹澤光治良作品集』の頃/妻の死・〈神〉との出会い/〈神〉との日々/作家の死
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太宰治の〈物語〉

太宰治の〈物語〉

遠藤祐[著]

四六判・378頁・3800円
ISBN4-87737-183-4(08・9)

作品を作者の影から切り離し自立した〈物語〉として対応する試み。
上野発一〇三列車/「魚服記」「地球図」「燈籠」など/「地球図」を読む/「俗天使」の〈私〉/〈走る〉ものの物語/〈背骨〉のなかでうたうもの/「鷗」と「風の便り」を軸に/「誰」/ふたつの音/〈奥さま〉と〈ウメちゃん〉と/『人間失格』と大庭葉蔵/応えられた物語
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「三島由紀夫」の誕生

「三島由紀夫」の誕生

杉山欣也[著]

A5判・375頁・4500円
ISBN978-4-87737-260-6(08・2)

新出資料と関連メディアの分析から浮かび上がる学習院文化 Ⅰ 環境としての学習院 教育環境としての学習院 Ⅱ 「花ざかりの森」と学習院 坊城俊民と雑誌『雪線』/『の幻影』にみる「三島由紀夫」/「花ざかりの森」の成立/「花ざかりの森」論 Ⅲ 戦時下学習院のメディアと作品 終章 「三島由紀夫」を語る場の権力とその終焉 資料の部 板倉勝宏「学習院の想い出」翻刻・解説 坊城俊民著作目録
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三島由紀夫と歌舞伎

三島由紀夫と歌舞伎

木谷真紀子[著]

四六判・311頁・2800円
ISBN978-4-87737-258-3(07・12)

序 戦中・戦後の歌舞伎 一 「地獄変」  二 「鰯売恋引網」 三 「熊野」 四 「芙容露大内実記」 五 「むすめごのみ帯取池」 六 「椿説弓張月」 終 「椿説弓張月」以後
インタビュー 永山武臣/長谷川勘兵衞
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鷗外文芸とその影響

鷗外文芸とその影響

清田文武[著]

A5判・560頁・9000円
ISBN978-4-87737-254-5(07・11)

序 森鷗外を視座とする影響の問題 一部 小説家(上) 永井荷風/芥川龍之介/太宰治/三島由紀夫 二部 小説家(下) 山本有三/近松秋江/堀辰雄/室生犀星・高見順 三部 歌人 石川啄木/斉藤茂吉/北原白秋/宮柊二 四部 詩人 木下杢太郎/佐藤春夫/千家元麿/村野四郎/安西冬衛・清岡卓行/鈴木六林男・茨木のり子 五部 劇作家 長田秀雄/津上忠/宇野信夫/田中澄江
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幸田文「わたし」であることへ

幸田文「わたし」であることへ

藤本寿彦[著]

四六判・232頁・2800円
ISBN978-4-87737-253-8(07・8)

「思ひ出屋」から作家への軌跡をたどる
それは笑顔で始まった/「向嶋蝸牛庵」-中廊下型住宅というトポス/三 花柳界における情報媒体、「女中」の物語/大正期、「不良」の身体性/暮しの情報発信者、というセルフイメージ/ディスコミュニケーションの現場を構築する語りの方法/日本の戦後空間と幸田文/語りが孕むフィクション世界の位相/メディアと幸田文
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志賀直哉

志賀直哉

暗夜行路の交響世界

宮越勉[著]

A5判・408頁・6900円
ISBN978-4-87737-252-3(07・7)

Ⅰ 「ある一頁」の世界/「児を盗む話」の世界/「范の犯罪」とその周辺/志賀直哉の叶わぬ恋の物語/「城の崎にて」の重層構造/「好人物の夫婦」考/志賀直哉のラブレター・トリック/志賀直哉の子ども/「菜の花と小娘」論/Ⅱ 『暗夜行路』における自己変革の行程/『暗夜行路』における原風景とその関連テーマ/『暗夜行路』前篇第一と志賀日記/『暗夜行路』における悪女たちのエピソード他
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永井荷風のニューヨーク・パリ・東京

永井荷風のニューヨーク・パリ・東京

造景の言葉

南明日香[著]

A5判・400頁・3800円
ISBN978-4-87737-251-4(07・6)

テクスト生成の現場にたって、いかにどのような言葉でイメージ豊かな空間が創造されたのか。その過程を、つぶさにたどる。/Iゾライズムの時代あるいはペイザジスト(paysagiste)の誕生 Ⅱ「自分」のいる世界 Ⅲ「巴里」という処 Ⅳ 彷徨する新帰朝者 Ⅴ新しい風景の時 _日本人芸術家のための空間 _ジャポニスムの視座
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漱石のなかの〈帝国〉

漱石のなかの〈帝国〉

柴田勝二[著]

A5判・287頁・3000円
ISBN4-87737-240-7(06・12)

〈帝国〉の進み行きと批判的に合一しつつ〈日本〉を描きつづけることで「国民作家」となった漱石の、様々な謎と記号に満ちた作品世界を解明する野心的力編
連続する個人と国家/〈戦う者〉の系譜/〈光〉と〈闇〉の狭間/自己を救うために/陰画としての〈西洋〉/表象される〈半島〉/未来への希求/〈過去〉との対峙
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横光利一と中国

横光利一と中国

井上聰[著]

A5判・319頁・3800円
ISBN4-87737-234-2(06・10)

序 横光佑典
1 本文(復刻)/『改造』『文學クオタリイ』
2 『上海』(書物展望社版)五・三〇事件に関連する本文比較と異同
3 横光利一と中国-『上海』の構成と五・三〇事件
4 資料 『上海』関連略年表/主要参考文献
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廣津和郎研究

廣津和郎研究

坂本育雄[著]

A5判・512頁・6800円
ISBN4-87737-232-6(06・9)

一部 評伝
二部 論考Ⅰ/一 初期の廣津和郎/性格破産者論/論争/廣津和郎とその周辺
三部 論考Ⅱ/戦時下の廣津和郎/実名小説の傑作「あの時代」/日本の作家と「満州」問題/廣津和郎の徳田秋聲観/廣津柳浪「女子参政蜃中楼」/廣津和郎と廣津桃子/廣津和郎の中のチェーホフ 資料
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横光利一の文学世界

横光利一の文学世界

石田仁志・渋谷香織・中村三春[編]

A5判・228頁・2500円
ISBN4-87737-227-X(’06・6)

気鋭の中堅・若手執筆陣が、ヘテロセクシズム、文化創造、語り、ジェンダーなど、新たな視角から横光文学の意義を再定位する。4編の作家論、主要な小説10作品の分析、14項目にわたる関連事項解説と略年譜・参考文献を備えた1冊本の読解マニュアル。小平麻衣子/安藤恭子/内藤千珠子/田口律男/黒田大河/中沢弥/山本亮介/島村輝/中村三春/十重田裕一/日置俊次他
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「羅生門」の誕生

「羅生門」の誕生

関口安義[著]

四六判・1800円
ISBN978-4-87737-282-8(09・5)

Ⅰ時代 なぜ〈時代〉か/反動の時代/三つの戦争/謀叛の精神/Ⅱ友情/田端転居/家の新築/友との交わり/特異な友情/Ⅲ失恋 異性への関心/失恋事件の大筋/〈家〉の束縛/養家への反逆/Ⅳ松江 松江行きの誘い/島根県松江市/失恋を癒す旅/「羅生門」の誕生/Ⅴ自己解放 「羅生門」の世界/自立への歩み/一九一五年秋/『新思潮』創刊前夜
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芥川龍之介 

芥川龍之介 

絵画・開化・都市・映画

安藤公美[著]

A5判・554頁・5600円
ISBN4-87737-224-5(06・3)

Ⅰ絵画の時代 肖像画のまなざし/展覧会のふるまい他 Ⅱ交差する異文化 開化の恋愛/オリエンタリズムとジャポニスム/貞操・戦争・博覧会他 Ⅲ都市の一九二〇年代 アスファルトの空/二つの郊外/時刻表の身体/都市の迷子たち/海辺のモダニズム他 Ⅳ映画の世紀 幻燈の世紀/映画館と観客/プラーグの大学生とカリガリ先生・覚書他
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幸田露伴論

幸田露伴論

関谷博[著]

A5判・369頁・5600円
ISBN4-87737-221-0(06・3)

序〈政治小説〉と露伴/Ⅰ 生誕地・その他/〈突貫〉まで/『露団々』/『風流仏』/『対髑髏』/『日ぐらし物語』/『封じ文』とその前後/『辻浄瑠璃』/『いさなとり』/『五重塔』/Ⅱ 釣人 露伴/明治から大正へ/Ⅲ 『観画談』における恢復/『望樹記』/『雪たゝき』/『幻談』
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室生犀星研究

室生犀星研究

髙瀬真理子[著]

A5判・400頁・5000円
ISBN4-87737-226-1(06・3)

序 犀星にとって小説とは何か 初期小説を巡る諸問題/市井鬼ものの世界/戦時下の生活と姿勢/犀星の戦後小説/犀星襍記/【参考】外国語による犀星文献
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太宰治はがき抄

太宰治はがき抄

近畿大学日本文化研究所[編]

A5判・222頁・2500円
ISBN4-87737-223-7(06・3)

太宰治が山岸外史に宛てた83通のはがきをカラー写真で掲載(読み下し・校異・ノート)。太宰治の山岸外史宛書簡について/『太宰治はがき抄』上梓の意義/書簡集と書簡体小説の間-太宰治「虚構の春」をテコに/「東京八景」のなかの山岸外史/太宰治と山岸外史-書簡に見る文学的格闘/太宰治・コミュニズム・山岸外史
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石川啄木とロシア

石川啄木とロシア

安元隆子[著]

A5判・386頁・4800円
ISBN4-87737-222-9(06・2)

時代閉塞の状況に悩む啄木の生きた時代-ロシアの文学・思想を日本は深く受容していた
Ⅰ 啄木と日露戦争//「マカロフ提督追悼の詩」論/ロシア・クロンシュタットのマカロフ提督碑文考証/トルストイ日露戦争論と啄木 Ⅱ 啄木と社会主義女性論/「ソニア」の歌/啄木と社会主義女性論/”ATARASIKI MIYAKO NO KISO‘論/ツルゲーネフ‘On the eve’と啄木 Ⅲ 啄木詩歌の思想 /啄木の「永遠の生命」/「呼子と口笛」論/「呼子と口笛自筆絵考/ゴーリキーと啄木/啄木と樺太 Ⅳロシアにおける啄木啄木詩歌のロシア語翻訳考/ロシアにおける啄木研究/等
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樋口一葉と現代

樋口一葉と現代

木村真佐幸[著]

四六判・224頁〈2刷〉・1800円
ISBN4-87737-209-1(’05・5)

一葉文学のバックボーン/両親・江戸への脱出コース/桃水への愛憎の相剋/ライバル「田辺花圃」との関係/「雪の日」の“事件”と一葉の虚像と実像/一葉・生前戒名(法名)の意味/“大音寺前”転居の表裏/恋の苦悶/渋谷三郎問題の局面/一葉の開き直り/過去憧憬/一葉・“奇蹟の十四ヵ月”の要因/久佐賀からの離脱と「博文館」での再生/樋口一葉略年譜
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漱石と漢詩

漱石と漢詩

近代への視線

加藤二郎[著]

A5判・333頁・5600円
ISBN978-4-87737-196-6(04・11)

漱石文学、とりわけその漢詩の世界の秀抜な釈義をとおして、日本の近代に対峙する漱石の姿を鋭く照射する。
漱石研究の未踏の領野への到達を示す畢生の論集。
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対話する漱石

対話する漱石

内田道雄[著]

四六判・294頁・3200円
ISBN4-87737-197-4(04・11)

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岡本かの子 いのちの回帰

岡本かの子 いのちの回帰

高良留美子[著]

四六判・213頁・2400円
ISBN4-87737-194-X(04・11)

母性の光と闇-『母子叙情』をめぐって/生命の河-『母子叙情』から『河明り』へ/家父長制と女の〈いのち〉-『家霊』について/男性性の解体-『金魚撩乱』を読む/男を“飼う”試みの挫折-『老妓抄』の比喩が語るもの/一平が歪めたディオニュソス的生命の讃歌-『生々流転』を読む 他
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夏目漱石詩句印譜

夏目漱石詩句印譜

玉井敬之[著]

四六変型
ISBN4-87737-192-3(04・9)

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芥川龍之介

芥川龍之介

日本文学コレクション

庄司達也・篠崎美生子[編]

A5判・120頁〈3刷〉・1500円
ISBN4-87737-189-3(04・5)

1 羅生門/2 奉教人の死/3 蜜柑/4 藪の中/5 雛/6 少年/7 点鬼簿/8 蜃気楼/9 或旧友へ送る手記 附録 メディアの中の「芥川」/資料室 掲載資料一覧/関係地図[東京]/年譜
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有吉佐和子の世界

有吉佐和子の世界

井上謙・半田美永・宮内淳子[編]

A5判・335頁・3800円
ISBN4-87737-193-1(04・10)

1essay 藤田洋・小幡欣治・坂東玉三郎・大藪郁子・エリザベス・ミラー・カマフェルド・伊吹和子・カトリーヌ・カドウ・丸川賀世子・佐伯順子・石田仁志・一戸良行・山田俊幸・有吉玉青/2approach/3album/4study 木村一信・真銅正宏・鈴木啓子・宮内淳子・佐藤泉・日高昭二・大越愛子・小林國雄・井上謙/5資料
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一葉以後の女性表現

一葉以後の女性表現

文体スタイル・メディア・ジェンダー

関礼子[著]

A5判・340頁・3800円
ISBN4-87737-182-6(03・11)

一葉テクストを視座にして明治30年代から大正初期までの女性表現の様相を検証する。
Ⅰ メディアの時代/Ⅱ 「一葉」というハードル/Ⅲ 明治から読む『源氏物語』
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芥川龍之介 文学空間

芥川龍之介 文学空間

佐々木雅發[著]

A5判・520頁〈2刷〉・4000円
ISBN4-87737-179-6(03・9)

「羅生門」縁起-言葉の時/「地獄変」幻想-芸術の欺瞞/「奉教人の死」異聞-その女の一生/「舞踏会」追思-開花の光と闇/「秋」前後-時を生きる/「お津と子等と」私論-「点鬼簿」へ/「藪の中」捜査-言葉の迷宮/「六の宮の姫君」説話-物語の反復/「一塊の土」評釈-人間の掟と神々の掟/「大導寺信輔の半生」周辺-「西方の人」「続西方の人」へ/「歯車」解読-終わりない言葉/年譜、著書目録
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真珠夫人

真珠夫人

本文・注解・考説

菊池寛研究会[編]

A5判・2分冊(300頁・254頁)・4000円
ISBN4-87737-172-9(03・8)

『真珠夫人』はどう読まれたのか。そして、どう読むことができるのか、舞台・映画・テレビ-マスメディアに波及してゆく、菊池寛の〈通俗小説〉の軌跡を俯瞰する。
本文編
注解・考説編 1注解・考説 2本文異同 3参考地図 4「真珠夫人」評価史稿
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石川達三の戦争小説

石川達三の戦争小説

白石喜彦[著]

A5判・220頁・3800円
ISBN4-87737-168-0(’03・3)

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小林多喜二の人と文学

小林多喜二の人と文学

布野栄一[著]

四六判・223頁・2800円
ISBN4-87737-156-7(02・10)

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笑いのユートピア

笑いのユートピア

『吾輩は猫である』の世界

清水孝純[著]

A5判・427頁・6000円
ISBN4-87737-159-1(02・10)

第11回やまなし文学賞
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大岡昇平と歴史

大岡昇平と歴史

柴口順一[著]

A5判・238頁・4800円
ISBN4-87737-144-3(02・5)

Ⅰ 一『蒼き狼』論争/二一連の歴史小説論/三「歴史小説の問題」 Ⅱ 四『レイテ戦記』/五『幼年』/六『少年』/七『堺港攘夷始末』
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周作人と日本近代文学

周作人と日本近代文学

于耀明[著]

A5判・230頁・4000円
ISBN4-87737-135-4(01・11)

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廣津和郎

廣津和郎

評伝

坂本育雄[著]

四六判・278頁
ISBN4-87737-133-8(01・9)

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宮本百合子の時空

宮本百合子の時空

岩淵宏子・北田幸恵・沼沢和子[編]

四六判・380頁・3800円
ISBN4-87737-127-3(01・6)

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村上春樹

村上春樹

分身との戯れ

酒井英行[著]

四六判・245頁・1800円
ISBN4-87737-129-X(01・4)

短篇小説に隠された村上作品の謎/Ⅰ 他者との出会い/自己との出会い 『午後の最後の芝生』/『土の中の彼女の小さな犬』/『めくらやなぎと眠る女』/Ⅱ 『回転木馬のデッド・ヒート』の諸相 1『レーダーホーゼン』/2『タクシーに乗った男』/3『プールサイド』/4『今は亡き王女のための』/5『嘔吐1979』/6『雨やどり』/7『野球場』/8『ハンティング・ナイフ』/Ⅲ 分身との戯れ 『納屋を焼く』/『ファミリー・アフェア』
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漱石から漱石へ

漱石から漱石へ

玉井敬之[編]

A5判・407頁・8000円
ISBN4-87737-104-4(00・5)

高阪薫/木村功/森本智子/太田登/北川扶生子/杉田智美/笠井秋生/小川直美/黒田大河/浅田隆/田中邦夫/中川成美/鳥井正晴/宮嶋一郎/清水康次/堀部功夫/真銅正宏/たつみ都志/北川秋雄/田中励儀/上田博/浦西和彦/于耀明/倉西聡/槙山朋子
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宮沢賢治の美学

宮沢賢治の美学

押野武志[著]

四六判・344頁・3200円
ISBN4-87737-101-X(00・5)

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梶井基次郎論

梶井基次郎論

濱川勝彦[著]

四六判・256頁・3600円
ISBN4-87737-099-4(00・5)

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漱石と禅

漱石と禅

加藤二郎[著]

A5判・272頁
ISBN4-87737-089-7(99・10)

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森鷗外

森鷗外

研究と資料

大屋幸世[著]

四六判・256頁・2800円
ISBN4-87737-074-9(99・5)

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漱石を語る1

漱石を語る1

四六判・268頁・2500円
ISBN978-4-87737-056-0(98・12)

「漱石研究」の鼎談・インタビュー。
井上ひさし・安岡章太郎・津島佑子・小島信夫・筒井ともみ・江國滋・奥本大三郎・古井由吉・阿刀田高
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漱石を語る2

漱石を語る2

四六判・268頁・2500円
ISBN978-4-87737-057-9(98・12)

「漱石研究」の鼎談・インタビュー
柄谷行人・大岡信・島田雅彦・芹沢俊介・水田宗子・蓮實重彦・富山太佳夫・小倉脩三・飯田祐子・関礼子・平岡敏夫
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幸田文の世界

幸田文の世界

金井景子・小林裕子・佐藤健一・藤本寿彦[編]

A5判・400頁・2400円
ISBN4-87737-054-4(98・10)

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小林多喜二とその周圏

小林多喜二とその周圏

小笠原克[著]

四六判・356頁
ISBN4-87737-047-1(98・10)

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廣津和郎著作選集

廣津和郎著作選集

橋本迪夫・坂本育雄・寺田清市[編]

A5判・550頁・6000円
ISBN4-87737-052-8(98・10)

後世に残すべき珠玉の名作を厳選。新資料を付す/小説篇/評論篇/松川裁判篇/家系・系族篇/解説/小説の世界/評論の世界/松川裁判/家系と系族/作品解題/略年譜/主要参考文献一覧
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漱石そのユートピア的世界

漱石そのユートピア的世界

清水孝純[著]

四六判・301頁・3800円
ISBN4-87737-051-X(98・10)

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散歩する漱石

散歩する漱石

西村好子[著]

四六判・272頁・2800円
ISBN4-87737-045-5(98・9)

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宮本輝論

宮本輝論

酒井英行[著]

四六判・240頁・2500円
ISBN4-87737-046-3(98・9)

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透谷と現代

透谷と現代

21世紀へのアプローチ

透谷研究会桶谷秀昭・平岡敏夫・佐藤泰正[編]

四六判・384頁・4000円
ISBN4-87737-043-9(98・5)

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芥川龍之介の基督教思想

芥川龍之介の基督教思想

河泰厚[著]

四六判・336頁
ISBN4-87737-037-4(98・5)

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芥川龍之介

芥川龍之介

人と作品

宮坂覺[著]

四六判・182頁〈3刷〉・1600円
ISBN4-87737-036-6(’98・4)

芥川龍之介を学ぶ最適のテキスト
作家の解題
作品と鑑賞/大川の水/羅生門/鼻/奉教人の死/舞踏会/少年/点鬼簿/歯車
年譜
参考文献
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内田百閒

内田百閒

『冥途』の周辺

内田道雄[著]

四六判・208頁・2400円+税
ISBN4-87737-027-7(97・10)

第6回やまなし文学賞
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佐多稲子

佐多稲子

体験と時間

小林裕子[著]

四六判・272頁・2800円+税
ISBN4-87737-015-3(97・5)

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漱石の20世紀

漱石の20世紀

深江浩[著]

四六判・192頁・2330円
ISBN4-906424-98-8(’96・10)

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宮本百合子

宮本百合子

家族、政治、そしてフェミニズム

岩淵宏子[著]

四六判・333頁・2718円
ISBN4-906424-96-1(96・10)

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迷羊のゆくえ

迷羊のゆくえ

熊坂敦子[編]

A5判・418頁
ISBN4-906434-94-5(96・5)

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夏目漱石の小説と俳句

夏目漱石の小説と俳句

斉藤英雄[著]

四六判・342頁
ISBN4-906424-86-4(96・4)

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夏目漱石の世界

夏目漱石の世界

熊坂敦子[編]

A5判・350頁
ISBN4-906434-65-1(95・8)

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宮沢賢治

宮沢賢治

その独自性と同時代性

西田良子[著]

四六判・230頁・2524円
ISBN4-906424-74-0(95・8)

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『三四郎』の世界

『三四郎』の世界

千種・キムラ・スティーブン[著]

四六判・315頁
ISBN4-906434-73-2(95・6)

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芥川龍之介とキリスト教

芥川龍之介とキリスト教

曺紗玉[著]

四六判・285頁
ISBN4-906434-63-5(95・3)

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太宰治〈習作〉論

太宰治〈習作〉論

傷つく魂の助走

五十嵐誠毅[著]

四六判・436頁・4078円
ISBN4-906424-66-X(95・3)

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初期芥川龍之介論

初期芥川龍之介論

友田悦生[著]

四六判・236頁
ISBN4-906434-49-X(94・11)

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宮沢賢治 自然のシグナル

宮沢賢治 自然のシグナル

萬田務[著]

四六判・298頁・2816円
ISBN4-906424-55-4(94・11)

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谷崎潤一郎論

谷崎潤一郎論

安田孝[著]

四六判・198頁
ISBN4-906434-54-6(94・10)

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透谷と近代日本

透谷と近代日本

透谷研究会[編]

四六判・436頁
ISBN4-906434-42-2(94・5)

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漱石『三四郎』書誌

漱石『三四郎』書誌

村田好哉[編]

A5判・286頁・4660円
ISBN4-906424-19-8(94・2)

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葉山嘉樹

葉山嘉樹

文学的抵抗の軌跡

浅田隆[著]

四六判・274頁・3689円
ISBN4-906424-76-7(94・2)

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漱石の『こゝろ』

漱石の『こゝろ』

総力討論

小森陽一・中村三春・宮川健郎[編]

四六判・228頁〈5刷〉・2330円
ISBN4-906424-31-7(94・1)

三好行雄と小森陽一の論争に端を発した『こゝろ』論争史の歴史的位置づけと新しい読み。シンポジウムと補論より成る。
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島崎藤村

島崎藤村

和田謹吾[著]

A5判・287頁・6602円
ISBN4-906424-23-6(93・10)

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荷風文学とその周辺

荷風文学とその周辺

網野義紘[著]

四六判・246頁
ISBN4-906434-28-7(93・10)

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漱石

漱石

その反オイディプス的世界

清水孝純[著]

四六判・337頁
ISBN4-906434-29-5(93・10)

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芥川龍之介論

芥川龍之介論

奥野政元[著]

四六判・295頁
ISBN4-906434-24-4(93・9)

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『銀の匙』考

『銀の匙』考

堀部功夫[著]

四六判・262頁
ISBN4-906434-11-2(93・5)

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宮沢賢治・童話の読解

宮沢賢治・童話の読解

中野新治[著]

四六判・294頁
ISBN4-906434-18-X(93・5)

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