狭衣物語 文の空間
7400円
A5判・408頁
ISBN978-4-87737-372-6(14・5)

狭衣物語 文の空間

井上眞弓 乾澄子 鈴木泰恵 萩野敦子[編]

言語空間の多様性に迫る〈文〉
人物たちの空間
歌と物語が作る空間
異本の空間
物語が語る空間
背後にある時代・文化の空間

特別寄稿論文
『狭衣物語』
  ──物語文学への屍体愛=モノローグの物語   神田 龍身
『源氏物語歌合』の特質
  ──中世初期における『源氏物語』享受の一様相  渡邉裕美子
『風に紅葉』における〈精進落とし〉の記事をめぐっての断章
  ──『源氏物語』の摂取の新たな技  大倉比呂志

Ⅰ 『狭衣物語』の〈文〉
京師三条邸という空白
  ──『狭衣物語』空間の文を考える  井上 眞弓
『狭衣物語』の「ふところ」
  ──もうひとつの〈空間〉  高橋 裕樹
飛鳥井女君物語の〈文目〉をなす脇役たち  千野 裕子
『狭衣物語』の堀川大殿と嵯峨院
  ──『うつほ物語』享受という〈文〉──  勝亦 志織
〈あや〉なき物語を支える〈文〉としての〈歌物語的方法〉
  ──『伊勢物語』から『狭衣物語』へ  萩野 敦子

Ⅱ 『狭衣物語』の〈文〉を支える和歌・歌ことば
女君の詠歌をめぐって
  ──『狭衣物語』贈答歌の〈文〉  乾 澄子
狭衣の〈恋の煙〉
  ──『狭衣物語』における「煙」の表象をめぐって  井上 新子
飛鳥井の女君「渡らなむ水増さりなば」をめぐって
  ──水・涙表現の〈文〉をたどる  三村 友希
『狭衣物語』飛鳥井遺詠の異文表現
  ──「底の水屑」と「底の藻屑」から紡がれる世界  野村 倫子
「虫の声々、野もせの心地」の遠景
  ──『狭衣物語』における引用とその享受  須藤 圭

Ⅲ 『浜松』『寝覚』『とりかへばや』の〈文〉
『浜松中納言物語』恋の文模様
  ──唐后転生へのしらけたまなざしから  鈴木 泰恵
『夜の寝覚』における前斎宮の役割
  ──父入道の同母妹として  本橋 裕美
『とりかへばや』の女君・宰相中将と宇治の若者
  ──親子関係の〈文〉  伊達 舞
『とりかへばや』の宰相中将の恋
  ──過剰な「ことばの〈文〉」の空間  片山ふゆき

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