大西巨人
3800円+税
A5判上製・460頁
ISBN978-4-87737-426-6(18・3)

大西巨人

文学と革命 〔二松學舍大学学術叢書〕

山口直孝[編]

「大西巨人と書物」の
迷宮に分け入る

稀有な意志と才能とによって革命の文学を追求し続けた作家、大西巨人。
二〇世紀文学の達成『神聖喜劇』の作者の創作の源泉と展開とを、 四年間に及ぶ蔵書調査を踏まえて考察する、初の論集。
諸氏の論考に加えて主要蔵書解題、詳細な大西巨人書誌を付す。

Ⅰ 大西巨人の現在──さまざまな眺め
一編集者から見た大西巨人 ──『神聖喜劇』と光文社の関わり◆浜井 武
『神聖喜劇』を上演するために◆川光俊哉
『神聖喜劇』と『万葉集』◆多田一臣
大西巨人の「転向」◆絓 秀実

Ⅱ 革命的知性のミクロコスモス小宇宙 ──大西巨人蔵書の世界
大西巨人蔵書──調査の経過と概要 
大西巨人主要蔵書解題 
阿部和正・石橋正孝・伊豆原潤星・ 坂 堅太・杉山雄大・竹峰義和・ 野口勝輝・橋本あゆみ・山口直孝

Ⅲ 享受と創造──大西巨人をめぐる考察
同時代の小説を「読む」大西巨人◆石橋正孝
大衆社会下における芸術の大衆化をめぐって ──記録芸術の会における芸術/資本/政治の 関係について◆坂 堅太
大西巨人と漢詩文──『神聖喜劇』を題材に◆田中正樹
蔵書にみる大西巨人の道元受容 ──『神聖喜劇』における引用の効果◆橋本あゆみ
習俗的であることの悦楽 ──『神聖喜劇』における『トニオ・クレーゲル』◆竹峰義和
揚棄される個人──大西巨人『深淵』の様式◆山口直孝
もう一つの「俗情との結託」批判 ──いま「プロレタリアート」の意味を確認する◆田代ゆき

Ⅳ 大西巨人書誌◆齋藤秀昭
公開ワークショップ「大西巨人の現在」の記録

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