漱石の教養
東北大学図書館に保管されている『漱石文庫』。しかもそこには漱石が読んだと思われる痕跡が、書き込みと傍線によって遺されている。本書では、原文を引用して、個々の蔵書を再読し、漱石の教養の内容がどのような源泉のもとに成り立っていたのかを検証してみたい。(「はじめに」より)
第一部 意識の理論
1.ロイド・モーガン『比較心理学入門』
2.テオドール・リボー『感情の心理学』
3.ウィリアム・ジェームズ『宗教的経験の諸相』
第二部 文明・開化の理論
4.マックス・ノルダウ『退化論』
5.チェーザレ・ロンブローゾ『天才論』
6.ギュスターブ・ル・ボン『社会主義の心理学』
7.ベンジャミン・キッド『西洋文明の原理』
8.ジャン・マリー・ギュヨー『教育と遺伝』
9.アーサー・J・グラント『ペリクレス時代のギリシャ』
第三部 芸術の理論
10.カール・グロウス『人間の遊戯』
11.W.マーチン・コンウェイ『芸術の領域』
第四部 結婚と家族の理論
12.シャルル・レトルノー『結婚と家族の進化』
13.シャルル・レトルノー『財産、その起源と発達』
第五部 思想一般
14.ヘンリー・シジウィック『倫理学の方法