漱石 一九一〇年代

鷗外や漱石にとって明治とは、自らもそのなかにいた重みのある実態としての世界であり、直哉や龍之介にとっては過ぎ去りつつある時代として感じられたのであろう。歴史を経験したものとこれからそれに向かっていくもの、新時代の到来と受け取ったものとの違いでもあったと思われる。そうしてそれが一九一〇年代の初頭にあたっていた。───「はじめに」より


『それから』論―代助の再生へ/『門』―過去と現在のドラマ/『門』―野中夫婦の行方/『心』雑感/『硝子戸の中』の一面/『道草』論/『道草』―健三の淋しさ/『明暗』論/三人の女―お延・お秀・吉川夫人
Ⅱ 夏目漱石と女性/養子として・養父との関係/漱石と「家」

Ⅲ 明治四十四年夏の漱石/夏目漱石の講演/ ―「私の個人主義」をめぐって/一九一〇年前後の漱石と啄木/鶏肋篇/『門』から覗くことができたもの/『道草』について思うこと/漱石漢詩と篆刻/詩と散文の間/漱石を読んでいて/肱を枕にするということ/一乗閣


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。


You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

*