溶解する文学研究

文学研究が揺らぐ現在、〈学問史〉という新視点から島崎藤村を照射する著書
近代文学の中核として存在してきた島崎藤村。そのテクストを、流動化しつつある文学研究の原点を再考する〈学問史〉と〈リテラシー〉の視点から精緻に捉える。
文学研究と時代の関わりを常に精査する著者の、「第一次大戦」と「戦間期」の論考に続く三部作の完結編。

 

序 論 〈学問史〉としての文学史

 

第一部 〈学問史〉と藤村言説
第一章 〈藤村記念堂〉というフォルム─谷口吉郎の建築と意匠
第二章 丸山静の藤村論─「国民文学」論と〈学問史〉
第三章 〈底辺〉から歴史を見る─田村栄一郎の『夜明け前』批判
第四章 三好行雄と〈学問史〉 ─アカデミズムと「国民文学」論

 

第二部 初期藤村とリテラシー
第五章 『若菜集』の受容圏─〈藤村調〉とリテラシー
第六章 〈小諸〉という場所─島崎藤村における金銭と言説
第七章 神津猛のパトロネージ─〈小説〉の資本論
第八章 「水彩画家」の光彩─〈ローカル・カラー〉論
第九章 〈談話〉の中の暴力─『破戒』論
第十章 『千曲川のスケツチ』の読者─『中学世界』とリテラシー

 

第三部 〈血統〉の解体
第十一章 『春』の叙述─〈透谷全集〉という鏡
第十二章 『家』の視角─〈家業〉と〈事業〉
第十三章 血統の神話─『家』のエイズ論
第十四章 『新生』における〈読み書きの〉─手紙と短歌
第十五章 方法としての〈老い〉─「嵐」の戦略


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