幻想のモナドロジー

本書で使われる用語、モナド、イメージ、アレゴリー、パラタクシスなどは、すべて相互に連関する星座系のひとつである。この星座系へのまなざしのもとになっているのは、私の場合、W・ベンヤミンの『パサージュ論』である。結果として、本書では、視覚のみならず、聴覚、嗅覚、触覚(皮膚感覚)が織りなす文学空間へのまなざしが機能している。

 

    Ⅰ

1、「水仙月の四日」論――吹雪のモナド
2、「風の又三郎」論――風と馬のイメージ
3、「招魂祭一景」論――娘曲馬のエロス
4、坂口安吾「白痴」論――聴覚空間のアレゴリー劇
5、坂口安吾の歴史観・序説――パラタクシスという方法
6、橋と言霊――保田與重郎「日本の橋」をめぐって
7、保田與重郎と十五年戦争――内なる言霊、外なる戦争
8、蓮田善明の昭和一六年――「鴨長明」を中心に
9、三島由紀夫「憂国」論――エロスのモナド
10、村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』論――固有名の行方

    Ⅱ

1、教材「舞姫」の誕生
2、教材「走れメロス」の誕生
3、宮沢賢治と熊本


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