太宰治

〈音〉に耳をすましながら太宰作品を構築する
言の葉の繁みに入り込み、いかに太宰作品が調律されているか、太宰の小説空間にいかに〈音〉が響くのか、その重層性、音響について明らかにする。

 

序…太宰文学におけるスペクトル
I 声と色彩
《幽かな声》と《震へ》─「きりぎりす」
水中のミュートとブレス─「秋風記」
II 信仰と音
小説に倍音はいかに響くか、言葉はいかに生成するか─「I can speak」
《鳥の聲》と銀貨─「駈込み訴へ」
「斜陽」と生成と海─「斜陽」
III 瞳が構成するもの
《象徴形式》としての能舞台─「薄明」
ロマンスが破壊されても美は成立するか?
─「雪の夜の話」
IV 水に沈む主体と
  映し出される青空
天国と地獄の接合点─「道化の華」
生贄を求めて、ぽっかり口を開ける〈作家〉
─「断崖の錯覚」
失われた首を求めて─「左大臣実朝」
結…太宰文学と〈音〉
水、鏡、音の変奏─「ダス・ゲマイネ」から
月光と水底と声 


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