反復/変形の諸相

翻案・引用を端緒に、
そこで形成されるパロディとしての構造を見据え、
典拠が、読み換えられ、書き換えられていった
複雑な経路を丹念に往還する試み。

❖序章❖反復/変形
翻案・引用、方法としてのパロディ
❖第一部❖澁澤龍彥の方法
1.パロディとしての自意識…「撲滅の賦」における反復/変形の構造 2.〈猥褻〉をめぐる闘争…サド裁判と四畳半襖の下張裁判と 3.澁澤龍彥の見たサド裁判…自己戯画というパロディ 4.『唐草物語』の方法…作家・澁澤龍彥の〈私〉 5.反復/変形される〈史実〉…「ねむり姫」の虚構性
❖第二部❖典拠の利用とその諸相
6.反復/変形の戦略性…芥川龍之介「六の宮の姫君」の方法から 7.習作期の中村真一郎…「和泉橋にて」の創作意識 8.パロディ化される文学史…太宰治「女の決闘」の起点 9.文学史叙述の可能性…太宰治「女の決闘」研究史を読み直す 10.「饒舌」と「説話」…昭和一〇年代における〈私〉の一側面 11.〈歴史〉を語る方法論…石川淳「諸國畸人傳」への視角 12.石川淳「修羅」を統べる〈ヒメ〉…〈歴史〉を改変するための力学 13.パロディを要請する志向…三島由紀夫「橋づくし」のエピグラフ 14.「わたし」をめぐる物語の変容…川上弘美「神様」と「神様 2011」
❖第三部❖変奏される〈音楽〉
15.書き記された〈音楽〉…永井荷風「新帰朝者日記」と洋楽受容 16.〈内部〉と交響する主題…福永武彦「私の内なる音楽」の批評性 17.吉田秀和と永井荷風との交差…「音楽的文明論」を手がかりとして
❖終章❖結論と課題


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