イギリスの子どもの本の歴史

刊行のことば

 この全3巻は、主に、『イギリス児童文学論』『イギリス絵本論』の刊行後、約25年間にいろいろの媒体で発表した論文などを集めた選集です。なかには、折々に興味をもった雑文もまじっています。
 その間に児童文学の「作家・作品」中心の研究は、大きく変化していきました。手書き原稿がパソコン入力になり、文献検索も電子ネットワークの発達で容易にできるようになりました。「子どもの本」の研究、特に、絵本や挿画の研究へと興味が移っていき、イメージの守旧性を追求するカルチュラルスタディーズに近いものが研究の中心になっています。
誰も鍬をいれていない沃野に入って、夢中になって開拓しているような楽しい感じの仕事が多かったのですが、3巻にまとめるのは大仕事でした。
 校正をしながら、自己批判をしたり、お世話になった方々の思い出に耽ったりいたしました。お近くに置いていただけましたら幸いです。

三宅興子

 

イギリスの子どもの本を文化史的に捉え、作家・作品のそれぞれを考える

 

Ⅰ───文化史的研究

解題
子どもの本と五〇年/他国のイメージはどのようにつくられたか /パーキンズの『日本のふたご』を読む/The“Nursery”Seriesと「世界の子供叢書」の場合 /児童文学にみる今日の〈子ども〉

Ⅱ───ファンタジー

解題
ファンタジーを「整理整頓」する/イギリスの幼年童話入門 /イギリス児童文学史研究ノート1…ドロシー・キルナー『あるネズミの生涯と遍歴』論/イギリス児童文学史研究ノート2 …『あるロンドン人形の思い出の記』論/イギリス児童文学史研究ノート3…あべこべの系譜 /マーク・レモンのファンタジー作品

Ⅲ ───作家・作品論

解題
『秘密の花園』論 /F・H・バーネット論 /児童文学者としてのE・V・ルーカス /『砂』の重苦しさをぬけて/なぜ、読まれているのか/海はどこへ行った?

Ⅳ ───その他

解題
子どもの本のなかの戦争を考える/英米児童文学に描かれた格差社会の考察/ 地球という風土/大人も成長する /「岩波少年文庫」の改訳をめぐって/「ハリー・ポッター現象」とは何だったのか? /石井桃子さん /イギリス児童文学・絵本情報/日本における英語圏児童文学研究の歴史


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