『文藝首都』

私たちは先生を批判しながら、先生の人の好さに屈伏し、感謝しながら不満を持ち、不満をいいながら先生に甘えた。
佐藤愛子 『こんな老い方もある』
保高徳蔵の熱意によって、多くの作家を輩出し、文壇を支えた雑誌の全貌に迫る。

序章
『文藝首都』──文壇を支えた同人誌●小平麻衣子

第一部 文壇への期待/文壇からの期待
文学懸賞が生んだ同人誌●和泉司
『文藝首都』の〈批評〉のモード●尾崎名津子
「素朴な、人間本然の心」を詠う●村山龍
大原富枝「女流作家」への道●富永真樹

第二部 居場所のきしみ
金史良の日本語文学が生成された場所としての『文藝首都』●高橋梓
台湾植民地作家龍瑛宗の『文藝首都』を通じたアジア作家との交流●王惠珍
戦後直後『文藝首都』に見られる「移動」から「旅行」への転換●ジェラルド・プルー
実作者ナカガミケンジの覚悟●松本海

第三部 労働とペンの力学
「沃土」とは別の仕方で語ること●椋棒哲也
「あけくれ」から「峠」「糸の流れ」へ●井原あや
国鉄勤労詩論争の周辺●小長井涼
医師がペンを執るとき●吉田司雄
第四部 例外状況を生き抜く
上田広「黄塵」と文学の〈大衆性〉への欲望●清松大
「創作指導雑誌」という姿勢●小川貴也
金達寿「塵芥」におけるパラテクストの可能性●クリスティーナ・イ
「小野京」としての林京子●島村輝

●作家が語る・作家に聞く───
勝目梓 紀和鏡 飯田章 佐江衆一


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