架橋する言葉
仏教とマルクス主義、小林秀雄と『近代文学』
——時代を特徴づけた精神のあり方と坂口安吾の作品はどのように切り結んだのか。
絡み合う糸を丹念に解きほぐす。
序 章 巨視的な問題と全体の概要
第一部————〈仏教〉とマルクス主義をめぐって
第一章 「木枯の酒倉から」論——〈仏教〉的な文学論とは何か
第二章 「風博士」を歴史化するために
第三章 「風博士」論――福本イズム・小谷部全一郎・浪漫的英雄主義の内在批判
第四章 「黒谷村」を歴史化するために
第五章 「黒谷村」論――内在しながら超越する言葉
第二部————小林秀雄と『近代文学』をめぐって
第六章 「真珠」「堕落論」「いずこへ」を歴史化するために
第七章 「真珠」論――〈軍人と文学者〉の優劣と〈書くこと〉の縮小に抗して
第八章 「堕落論」論――歴史と人間との関係をめぐる懐疑の方法について
第九章 「いづこへ」論――ヒューマニズムとエゴイズムのあいだ