小泉八雲・澁澤龍彥と
『夜窓鬼談』
怪異小説の創作の伝統が漢字文化圏でいかに変容したか
漢文小説『夜窓鬼談』の特性を明らかにし、近現代作家に受容される過程を考察する
第一部────『夜窓鬼談』の幻妖世界
第一章 ◆ なぜ怪談なのか─怪談文芸の地位の回復
第二章 ◆ 漢文小説の出版戦略と挿絵
第三章 ◆ 『夜窓鬼談』の妖異空間
第二部────小泉八雲の再話文学と『夜窓鬼談』
第四章 ◆ 「果心居士の話」論─物語の空間
第五章 ◆ 小泉八雲による再話と『夜窓鬼談』の交響
第三部────澁澤龍彥の文学と『夜窓鬼談』
第六章 ◆ すれ違いの美学─「茨城智雄」から「茨木智雄」へ
第七章 ◆ 澁澤龍彥「画美人」論─その身体と空間の表象
第八章 ◆ 伝承・エロス・迷宮─「花妖記」における幻想の意匠
第九章 ◆ 幻想への回路─「菊燈台」論
第四部────無垢の想像力
第十章 ◆ もの憑き・夢魔の想像空間
─「狐媚記」「夢ちがえ」をめぐって
第十一章 ◆ サド裁判における澁澤龍彥の思想と批判
第五部────澁澤文学における旅の構造
第十二章 ◆ 流転と再生の旅─「ねむり姫」を読む
第十三章 ◆ 旅のかたち─「ぼろんじ」「うつろ舟」をめぐって
第十四章 ◆ 永遠の輝きを求めて─『高丘親王航海記』の旅