堤中納言物語の
言語空間

王朝物語群の中で特異な光を放つ『堤中納言物語』。
物語から、和歌から、時代から、その魅力の機構に迫る
天喜三年の「物語合」に関する論考もあわせて収載。

Ⅰ 物語文学史の変容
第一章 「人に『すみつく』かほのけしきは」…平中の妻と『はいずみ』の女
第二章 『はいずみ』の散文世界…二人妻説話の変質
第三章 『このついで』の美的世界…部分映像の交錯と重層化
第四章 『花桜折る少将』の語りと引用…物語にみる〈幻想〉
第五章 『貝合』の〈メルヘン〉…〈無化〉される好色性
第六章 「虫めづる姫君」と女人罪障観
第七章 「虫めづる姫君」の変貌…抑制される女の言論と羞恥の伝統をめぐって
Ⅱ 物語の形象と詩歌
第一章 『ほどほどの懸想』と「摽有梅」
第二章 『花桜折る少将』の「桜」…詩歌の発想と物語の結構
第三章 『逢坂越えぬ権中納言』題号考
…「安積の沼」と「淀野」をめぐって
第四章 場の文学としての『思はぬ方にとまりする少将』 …平安後期短編物語論
第五章 『よしなしごと』の〈聖〉と〈俗〉
Ⅲ 歴史と物語の往還
第一章 『はなだの女御』の執筆意図…敗者へのまなざし
第二章 『はなだの女御』と一条朝…花の喩えとモデルとの連関
第三章 〈賀の物語〉の出現…『逢坂越えぬ権中納言』と藤原頼通の周辺
第四章 天喜三年「物語合」提出作品の一傾向…頼通の時代の反映
第五章 『逢坂越えぬ権中納言』と歌合の空間
第六章 天喜三年の「物語歌合」と「物語合」
Ⅳ 集としての『堤中納言物語』
第一章 「冬ごもる」断章の表現史的位置
第二章 「冬ごもる」断章と『堤中納言物語』…四季の「月」と『狭衣物語』の影
第三章 『堤中納言物語』所収作品の享受


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