文学と内なる権力
日本近代文学の諸相
矢本浩司[著]
A5判上製・384頁・4200円+税
ISBN978-4-87737-485-3(24・10)
文学は権力と主体の関係(主体化=権力化)をどのように描いてきたのか。
夏目漱石、森鷗外、伊藤左千夫、横光利一、坂口安吾、中野重治、遠藤周作らの文学を縦横に論じて、文学と権力の本質に迫る。
「中本たか子小伝」を付す。
はじめに─芥川龍之介「鼻」に触れつつ
Ⅰ────漱石文学の応答責任
転移する「こころ」
手記の宛先
「坊つちやん」の応答責任
漱石文学の謎 1「こころ」のハムレット/2先生の最期/3「蛇」のサブリミナル
Ⅱ────文学と権力
「高瀬舟」の〈他者〉
「野菊の墓」の寓意
「マルクスの審判」の正義
権力の表現 1「入れ札」の天皇/2「恋するザムザ」の欲望
Ⅲ────戦後の風景
「萩のもんかきや」私注
「海と毒薬」と同時代
「桜の森の満開の下」の主体─「羅生門」を合わせ鏡として
Ⅳ────表現の横断
表現の自由をめぐって
年上の女が先に死ぬ物語
近代の恐怖表象
Ⅴ────中本たか子の時代
生い立ちと上京 中本たか子小伝(一)
活躍と左傾 中本たか子小伝(二)
拷問と入院 中本たか子小伝(三)
服役と再出発 中本たか子小伝(四)
戦中と終戦 中本たか子小伝(五)
資料紹介 中本たか子の書簡
虚構の文色/劇のありか
近代日本の小説と演劇をめぐって
宮内 淳子[著]
A5判上製・284頁・3,600円
ISBN978-4-87737-482-2 (24・8)
泉鏡花、宮澤賢治、坂口安吾、太宰治などの作品をそれぞれ夢、香り、異界、はなしといったキイワードから読み、後半では新劇の展開を、岸田國士、田中千禾夫、矢代静一、井上ひさしなどの戯曲や岡本かの子の小説などから辿ってみる。
Ⅰ─フィクションの生まれるところ
第一章 開かれた夢の力─泉鏡花「春昼」「註文帳」など
第二章 植物性の恋物語─宮澤賢治「ローマンス」をめぐって
第三章 モダニストの一軌跡─富ノ澤麟太郎とその周辺
第四章 一九三〇年代・パリの日本語─横光利一・林芙美子・森三千代の場合
第五章 フィクションとしての異界─桜の森と夜長の里
第六章 「はなし」を受け継ぐ─太宰治「破産」
Ⅱ─劇の生まれるところ
第七章 「タンタジールの死」の上演をめぐって─自由劇場・友達会の取り組み
第八章 田漢の見た日本の新劇とその影響
第九章 戯曲のことばと劇場空間─岸田國士「ママ先生とその夫」「犬は鎖に繋ぐべからず」
第一〇章 ダンスへの目覚め─岡本かの子「やがて五月に」から
第一一章 神に問うことば─田中千禾夫と矢代静一
第一二章 音楽劇における歌のはたらき─井上ひさし「太鼓たたいて笛ふいて」
女性表象とフェミニズム
日本近現代女性文学を読む
岩淵 宏子[著]
A5判上製・552頁・4,500円+税
ISBN978-4-87737-483-9(24・7)
女性たちは何を書いてきたのか
階級、ジェンダー、セクシュアリティなどの視座から、女性文学の多様な側面に切り込む。宮本百合子を中心に、大塚楠緒子、野上彌生子、平塚らいてう、岡本かの子、林芙美子、石牟礼道子、向田邦子、角田光代らの作品を幅広く取り上げ、一世紀にわたる女性文学の内実を解き明かす、フェミニズム批評の実践。
Ⅰ
一 フェミニズム批評
第1章 女と言説
第2章 フェミニズム批評の有効性
第3章 フェミニズム批評・ジェンダー批評・ケアの倫理
第4章 女性文学史の新たな構築をめざして—『【新編】日本女性文学全集』全一二巻完結
Ⅱ
二 宮本百合子とセクシュアリティ
第5章 百合子とセクシュアリティ—レズビアン表象の揺らぎ
第6章 『伸子』の素子—レズビアニズムの〈変態〉カテゴリー化に抗して
第7章 『乳房』—ジェンダー・セクシュアリティの表象
第8章 鼎談 愛と生存のかたち—湯浅芳子と百合子の場合(黒澤亜里子・沢部ひとみ・岩淵宏子)
三 宮本百合子と反戦・平和
第9章 『杉垣』にみる反戦表現—国策にあらがう〈居据り組〉夫婦
第10章 『築地河岸』『二人いるとき』—既婚女性と反戦
第11章 『鏡の中の月』『雪の後』『播州平野』をめぐって—戦争ファシズムと女性
第12章 占領下の百合子—民主化・女性の独立・反戦平和をめざして
四 宮本百合子の世界と表現方法
第13章 百合子と日本女子大学校
第14章 『伸子』—研究の変遷と今日的争点
第15章 『伸子』にみるスペイン風邪と恋—パンデミックと文学
第16章 『未開な風景』—テーマ・創作方法をめぐって
第17章 宮本百合子と佐多稲子—表現方法の差異と多様性
Ⅲ
五 女性表象の変容
第18章 女性による樋口一葉論—三宅花圃・田辺夏子・与謝野晶子・平塚らいてう・田村俊子・長谷川時雨
第19章 大塚楠緒子『空薫』『そら炷 続編』—反家庭小説の試み
第20章 野上彌生子『噂』—揺れる家庭
第21章 求愛の表現—樋口一葉・田村俊子・宮本百合子・山田詠美
第22章 戦時下の「母性」幻想—総力戦体制の要
第23章 角田光代『八日目の蟬』にみる母と娘—母性幻想の終焉
六 フェミニズムとセクシュアリティ
第24章 『青鞜』におけるセクシュアリティの政治学への挑戦—貞操・堕胎・廃娼論争
第25章 平塚らいてうと成瀬仁蔵—『青鞜』と日本女子大学校
第26章 平塚らいてう—出発とその軌跡
第27章 田村俊子宛鈴木悦書簡をめぐって
第28章 林芙美子『ボルネオ ダイヤ』『牛肉』『骨』—売春婦たちの〈掟〉
第29章 林芙美子『晩菊』—〈老い〉とセクシュアリティ
七 社会とジェンダー
第30章 岡本かの子『生々流轉』—乞食の意味
第31章 石牟礼道子の世界—表象としての〈水俣病〉
第32章 三浦綾子『細川ガラシャ夫人』—宗教的女性像
第33章 向田邦子のまなざし—『お辞儀』『スグミル種』『はめ殺し窓』を読む
水浜電車の客
日高昭二[著]
4/6判上製・488頁・4500円+税
ISBN978-4-87737-481-5(24・4)
大洗と水戸とを結ぶ電車に水浜電車というのがあった。水戸の高校に通うことになってはじめて乗った乗り物で、人によって水浜線とか、水浜鉄道などと呼ばれもするが、一両だけのいわゆるチンチン電車である。所要時間は、片道およそ四〇分程度だが、その乗客になってわたしは、教科書以外の文庫本や雑誌を読む自分を見出すことになった。
───────── Ⅰ ─────────
伊藤整に会わざるの記
青春ひとり芝居
「花の女子大生」という記号
小笠原克
山田昭夫
藤の七年
人の住む場所
初めての中国
滞英雑感
気まぐれ街角紀行
夕陽と歓談─花田俊典追懐
荷風・アメリカ・魯文
───────── Ⅱ ─────────
『雪明りの叢書』のこと
新しい文学世代の肖像─長田弘と清水昶
早稲田文学通史[第三次]
伊藤整
深沢七郎『甲州子守唄』
状況へ架橋する女性作家
中野美代子の現在
文芸映画鑑賞五篇
井上ひさしの戯曲「日本人のへそ」
村上春樹『羊をめぐる冒険』の「耳の女」
「伽倻子」のために
歌人大熊信行のことなど
───────── Ⅲ ─────────
筒井康隆と現代
「青春小説」の流行
現代史と文学
小檜山博『出刃』その他
遠藤周作『海と毒薬』鑑賞のてびき
松本清張『無宿人別帳』
批評理論の転回・知のプロジェクト
菊池寛
『座談の愉しみ「図書」座談集』
織田作之助
重ね書きされる戦争
安部公房『城塞』
───────── Ⅳ ─────────
文学全集「月報」八篇
文芸文庫・作家案内五篇
───────── Ⅴ ─────────
ほろ酔い詩歌紀行
上代文学史を学ぶ
梶川 信行[著]
4/6判並製・240頁・2000円+税
ISBN978-4-87737-480-8(24・3)
文学史を再構築する試み
古事記 日本書紀 万葉集 懐風藻 風土記…
15日で学ぶ 新たな上代文学の世界
第一日 上代文学とは──概説
第二日 『古事記』──神話の世界観
第三日 『古事記』──伝承の世界
第四日 『日本書紀』──編年体で語る歴史
第五日 『万葉集』──伝承歌の位置づけ
第六日 『万葉集』──初期万葉の世界
第七日 『万葉集』──持統朝の宮廷歌
第八日 『万葉集』──聖武朝の宮廷歌
第九日 『万葉集』──文人たちの交友
第十日 『懐風藻』──東アジアの共通言語
第十一日 『万葉集』──若き文人たちの雅
第十二日 『万葉集』──渡来系の人々
第十三日 『万葉集』──天平の雅と東アジア
第十四日 『出雲国風土記』──神によって創られた国
第十五日 『日本霊異記』──神の時代から仏の時代へ
明治三十年代 漱石・露伴・その他
文学の制度化と日露戦争
関谷 博[著]
A5判上製・416頁・4800円+税
ISBN978-4-87737-479-2(24・3)
明治三十年代における戦争、戦争と密接に関わるところの〈国民〉の想像を
革新的な問題として取り組んだ漱石・露伴の仕事の意味を中心に考える
Ⅰ───明治三十年代の文学状況
1 樗牛登場
2 樗牛のホイットマン論(明31)─漱石のホイットマン論(明25)を傍らに置いて
3 啄木における〈安楽〉
〈コラム〉一等国
4 漱石の日露戦争─「琴のそら音」(明38)と「趣味の遺伝」(明39)
5 〈国民〉の想像─漱石『夢十夜』(明41)
6 〈国民〉の文章─露伴「土偶木偶」(明38)と「普通文章論」(明41)
7 露伴の元曲研究
Ⅱ───その他
8 露伴学人
9 露伴と仏教(一)─『大詩人』復元
10 露伴と仏教(二)─説話文学としての仏典
11 露伴と仏教(三)─婦人雑誌と露伴〈華厳経三部作〉
12 露伴の『論語』注釈
〈教材研究1〉 魯迅「故郷」─「紺碧の空に金色の丸い月」
〈教材研究2〉 漱石『夢十夜』より─「第一夜」と「第六夜」の学習
〈教材研究3〉 幸田文『あとみよそわか(抄)』─〈学び〉の体験
13 小川洋子「原稿零枚日記」ノート
漱石・明治・京都
丹治伊津子[著]
4/6判上製函装・260頁・3000円+税
ISBN978-4-87737-478-5(23・12)
今時、これほどに格調高く高雅な文体を書かれる方がどれほどおられるだろうか。私のような凡俗にはこの原稿を評するなど畏れ多く、ただ恐縮するばかりだ。襟を正したくなるほど美しい、得難い文章である。漱石好きには必読の書であろう。まことに有難い。
夏目房之介
Ⅰ
杜甫の愚直 漱石の拙
『彼岸過迄』の「雨の降る日」に─西田幾多郎と漱石
浄林の釜─子規・愚庵・漱石
『虞美人草』の頃─西園寺首相をソデにした漱石
色ということ、空ということ
ロンドンの漱石本
片付かない京都
「明暗」のお延と清子
悪妻あっぱれ─夏目鏡子と新島八重
谷崎潤一郎の漱石批判
厠の陰翳と羊羹の色
輝ける若葉 一条美子の君
Ⅱ
夏目漱石「京に着ける夕」論
─寄席・落語に始まった子規との交友
Ⅲ
「心」によせる茶会
茶道が結ぶ日本とハワイの絆
二つのメモリアル
普請の思い出
ドラという名の日本猫
落ち椿
私の京都新聞評
漱石句碑の縁
「空」を重んじる思想
養壽庵の軸を床に掛ける
佐多稲子
〈階級〉・〈性〉・〈戦争〉
谷口絹枝[著]
A5判上製・408頁・3600円+税
ISBN978-4-87737-477-8(23・9)
昭和初期、階級思想にめざめ、プロレタリア文学運動のなかにめざした「階級」の解放と「女性」の解放。 さらに「戦争」協力をともなったゆらぎの問題が絡まったところに佐多の近代が映し出され、文学の磁場となる。
佐多稲子の文学において近代は
どのように体験されたか。
Ⅰ プロレタリア文学運動時代
第一章 「性」と「階級」の関係からみる〈女給小説〉─「怒り」・「レストラン洛陽」の位相
第二章 無産階級者というアイデンティティと女性身体―「煙草工女」・「別れ」をめぐって
Ⅱ 文学運動の敗走期から戦時下へ
第三章 新しい対関係への夢と挫折―『くれない』
第四章 運動崩壊後の揺らぎの内実―「新しい義務」から「青春陰影」への改変
第五章 「女の生活」への視点―戦時下作品の屈折の道程
第六章 「旅人」の視線という装置―「台湾の旅」
Ⅲ 戦後の再出発
第七章 戦後出発期にみる〈戦争と女性作家〉―「『女作者』」から『私の東京地図』への転回
第八章 「女性」文学における戦後民主主義の女性像―占領期の小説を中心に
第九章 戦後的自己物語化とその困難―『私の東京地図』再論
第一〇章 誰が植民地主義の責任を問うのか―「白と紫」
Ⅳ 作家としての円熟期へ
第一一章 〈同志的夫婦〉とは何者か―『灰色の午後』00
第一二章 六〇年代の短編にみる戦後民主主義の女性像のゆくえ―「哀れ」・「初秋の雨」を中心に
第一三章 もう一つの『驢馬』の物語―『夏の栞―中野重治をおくる―』
Ⅴ 関連論文
第一四章 昭和初期におけるコロンタイの恋愛観の受容
第一五章 皇民化政策の中の「アジア」―血族ナショナリズムの罠
第一六章 石牟礼道子『苦海浄土』三部作―語り手「わたくし」の母系的位相
古代の産鉄神話と伝承
阿部真司[著]
A5判上製函入・512頁・10000円+税
ISBN978-4-87737-476-1(23・7)
1 日向三代・カムヤマトイハレビコの系譜にあらわれる産鉄集団の語り―「火中出生譚」を中心に
はじめに 農耕一元論的解釈からの脱却9
一 番能邇邇藝命と木花之佐久夜毘賣との聖婚・一宿妊み・三柱の神の火中出生
二 鉄王としての神倭伊波礼毗古命の系譜
2「神武記」における神武天皇の大和平定の経路と鉄産地・水銀産出地との関係
一 「神武記」における神武天皇の大和平定の経路―鉄産地と水銀産出地との関係より
二 熊野の高倉下
三 吉野水系の水銀
四 宇陀の水銀
五 「神武紀」の丹生・丹生川
付 「神武紀」における東征の経路に見られる水銀・鉄・銅の鉱物資源
3 「垂仁記」を読む―産鉄王伝承としてホムチワケの物語を読む
―「垂仁記」の物語の構成とホムチワケの鉄王的属性
一 垂仁天皇の名前、宮廷の所在地、后妃の名称とその出自、皇子女の名称
二 沙本毘古・沙本毘売の反乱と鎮圧、ならびにホムチワケの火中出生の物語
三 ホムチワケの啞と啞からの再生・復活の物語
四 旦波の四柱の女性を召す。円野比売命の死
五 多遅摩毛理関係伝承
六 石祝作、土師部のこと
七 鍛冶王としての垂仁天皇=活目入彦五十狭茅天皇とその御子たちの属性―谷川健一説を軸に
八 「垂仁記」「垂仁紀」の特異性
九 ホムチワケの火中出生に対する諸説
一〇 ホムチワケ王の誕生伝承の原型と変容 産鉄集団の聖婚と神子誕生伝承
一一 「垂仁記」の語りに見られる金属集団の痕跡
一二 ホムチワケの啞と出雲大御神の祟りの除去伝承に見られる鉄王的性格
4 「垂仁記」の伝承主体の考察
一 ホムチワケ伝承の伝承主体、鳥取部・鳥養部
二 沙本毘古・沙本毘売の叛乱伝承の伝承主体―ワニ系氏族
三 沙本毘古・沙本毘売の叛乱伝承の伝承主体―日下部系氏族
四 『日本書紀』の日下部系氏族伝承と鳥取部との結びつき―叛乱伝承の伝承主体としての日下部系氏族と産鉄集団鳥取部
5 「景行記」を読む
一 景行天皇について
二 景行天皇の御子たち
三 「景行記」の物語
四 倭建命の妻と子孫
五 『古事記』における息長田別王の系譜
6 『古事記』における息長氏の系譜と天皇の系譜
一 日子坐王・息長水依比売の系譜―「開化記」を中心に
二 景行天皇(十二代)の父、垂仁天皇の祖の系譜・后妃・御子
三 景行天皇―倭建命の (の五世孫)を中心に
四 倭建命の后妃と御子 倭建命︱息長田別の系譜
7 『古事記』における息長氏の系譜と天皇の系譜 その二
一 成務天皇(十三代)
二 仲哀天皇(十四代)
三 応神天皇(亦名 十五代)
四 仁徳天皇(十六代)
五 履中天皇 (十七代)
六 反正天皇 (十八代)
七 天皇(十九代)
八 安康天皇(二十代)
九 雄略天皇(二十一代) (大長谷命)
十 清寧天皇 (二十二代)
十一 顕宗天皇 (二十三代)
十二 仁賢天皇 (=二十四代)
十三 武烈天皇 (二十五代)
十四 継体天皇 (二十六代)
十五 安閑天皇 (二十七代)
十六 天皇 (二十八代)
十七 天皇 (二十九代)
十八 天皇 (三十代)
十九 用明天皇 ( 三十一代)
二十 崇峻天皇 (三十二代)
二十一 推古天皇 (三十三代)
8 吉野裕の『風土記世界と鉄王神話』を読む
9 谷川健一の『青銅の神の足跡』を読む
10 『群馬の思想・文学・教育』編集後記
平安女流文学論攷
針本 正行[編]
A5判上製函入・448頁・12000円+税
ISBN978-4-87737-475-4(23・3)
内野信子/森野正弘/沼尻利通/太田敦子
津島昭宏/竹内正彦/岩原真代/小菅あすか
浅尾広良/髙倉明樹子/ 笹川勲/ 春日美穂
亀谷粧子/吉海直人/岡嶌偉久子/大津直子
畠山大二郎/針本正行
分裂を生きる
島尾敏雄の戦争小説
安達原達晴[著]
A5判上製・312頁・3600円+税
ISBN978-4-87737-474-7(23・3)
島尾の戦争(特攻部隊)体験、またそれに基づいた表象を
〈生〉と〈死〉の枠組みだけではなく、
〈公〉と〈個〉の両義という枠組みで捉えると何がみえてくるのか
Ⅰ
第一章——〈公〉への方法的没入─「出発は遂に訪れず」論(1)
第二章——〈公〉と〈個〉に裂かれる自画像─「その夏の今は」論(1)
Ⅱ
第三章——自画像の選択─「出発は遂に訪れず」論(2)
第四章——両義的自画像の演出─「その夏の今は」論(2)
Ⅲ
第五章——〈物語化〉の回避─「接触」論
Ⅳ
第六章——両義的自画像の起源─『魚雷艇学生』論(1)
第七章——親和と異和─『魚雷艇学生』論(2)
付
[講演]草稿からみる小説家
島尾敏雄の方法草稿画像資料 i「出発は遂に訪れず」 ii「その夏の今は」
日本和歌文學作品解析
張 利利[著]
A5判上製・391頁・4200円
ISBN978-4-87737-473-0 (23・2)
また、それぞれの時代の代表的な歌人、俳人をあげ、その作品を鑑賞する。
森鷗外論攷 完
山崎 一穎[著]
A5判上製函入・1135頁・10000円+税
ISBN978-4-87737-472-3(22・12)
森鷗外論攷の集大成
鷗外にとって表現することの意味―序に代えて
第一部 総 論
一 明治文学史に於ける「めさまし草」の位相
二 鷗外はアイヌの少女・知里幸恵に会ったか
三 「偽(フェイク←ルビ)」と「事実(ファクト←ルビ)」を論じ、『能久親王事蹟』に及ぶ
四 『能久親王事蹟』論 追補
五 鷗外と自然主義
六 旅する鷗外
第二部 ゆかりの人々
一 観潮楼、遺愛の品々
二 樋口一葉と伊勢屋―生活を支えた本郷菊坂の
三 鷗外と子規・虚子との交流
四 津和野の人・安野光雅―森鷗外とともに
五 滞独時代の鷗外宛書簡
第三部 元号、謚号、即位式、大嘗祭
一 元号考
二 鷗外の元号、謚号に関する見解
三 践祚・即位式・大嘗祭
第四部 資料編
Ⅰ 書簡
Ⅱ 序文―全集未収録
Ⅲ 原稿・草稿
Ⅳ 研究ノート
〈パンデミック〉とフェミニズム
新・フェミニズム批評の会 創立30周年記念論集
新・フェミニズム批評の会[編]
A5判並製・352頁・3000円+税
ISBN978-4-87737-471-6(22・10)
〈パンデミック〉は何をもたらしたか?
いま、フェミニズムが解明する!
ウイルスは人間を〈平等〉に襲わない。コロナ禍で明らかになったのは、地球環境がいかに危機的な状況にあるか、また、私たちがいかに社会的・経済的に不公正で不平等な状況に置かれているか、ということだった。〈人間の尊厳〉と〈生存の平等〉、そしてみんなが生きのびることのできる世界を模索し、次世代へとつなげるための30余人の論考を収録。
Ⅰ〈パンデミック〉と女性/感染症と文学
松田秀子・有元伸子・岩淵宏子・内野光子・千種キムラ・スティーブン
Ⅱ〈交差性〉から探る新たな読み
岩見照代・渡邊澄子・上戸理恵・羽矢みずき・江口佳子
Ⅲ21世紀・ポストヒューマニズムの可能性
与那覇恵子・小林富久子・遠藤郁子・山田昭子
Ⅳ循環する自然/いのち/セクシュアリティ
渡辺みえこ・永井里佳・橋本のぞみ・矢澤美佐紀・近藤華子・中島佐和子
Ⅴ映像に見る〈パンデミック〉と現代
岡野幸江・藤木直実・渡邉千恵子・溝部優実子
Ⅵフェミニズムの“力”
小林美恵子・小林裕子・吉川豊子・真野孝子・羅麗傑・漆田(土井)和代
Ⅶ高良留美子氏 追悼
[資料]新・フェミニズム批評の会
三〇年のあゆみ
受難の文芸
近代日本の作家たちとキリスト教
奥野 政元[著]
A5判上製・496頁・5800円+税
ISBN978-4-87737-470-9(22・7)
受難とは何かを明らかにし、近代の作家たちはどうとらえたか、そして、太宰治、山本周五郎、遠藤周作、三浦綾子の作品を読み解く
序章
1 残余と永遠
2 受難とは何か─ヴェイユ、プラトン、ルソー、カントをめぐって
第一章 ◆ 前近代の受難────
1 「そのままよ月もたのまじ伊吹山」(芭蕉)をめぐって
2 浦上四番崩れの意味と表現─大佛次郎の近代
第二章 ◆ 近代─神・絶対者と自我
1 幸田露伴 「運命」への道
2 幸田露伴 「運命」論
3 夏目漱石─日本と西洋の間で
4 漱石の力
5 「こころ」と「羅生門」─漱石的エートスへのアンチテーゼ
6 芥川龍之介と文明批評
7 芥川から堀辰雄へ
第三章 ◆ 太宰治───────
1 「富士には月見草がよく似合う」をめぐって
2 「思ひ出」から「津軽」へ
3 「富嶽百景」論
4 太宰治と聖書 一九四八年
5 「誰」と塚本虎二『聖書知識』
6 超越と土着─太宰と魯迅
第四章 ◆ 山本周五郎─────
1 山本周五郎とキリスト教
2 「五辨の椿」論
3 「さぶ」/「新潮記」「ちくしょう谷」/「ながい坂」解説
第五章 ◆ 遠藤周作──────
1 「沈黙」論
2 長崎と遠藤周作とキリスト教
3 遠藤周作の出発と中世への回帰
4 「女の一生 一部・キクの場合」について
第六章 ◆ 三浦綾子──────
1 三浦綾子─苦痛の意味について
2 「氷点」について
3 「続氷点」をめぐって
4 「塩狩峠」論
終章 ◆ 「近代文学」は終わったのか?
花食いの系譜
女性作家・『少女の友』・宝塚少女歌劇
宮内 淳子[著]
A5判上製・336頁・3800円+税
ISBN978-4-87737-468-6(22・7)
花を食べていたのでは、大人になれない。
でも、大人になったらしなくてはいけない事の数々を、しなくていいのは嬉しい──
そんな〈花食い〉の作家たち
長野まゆみ・山本昌代・宇野千代・森茉莉・村山籌子など
Ⅰ 〈花食い〉の作家たち
◆装う
宇野千代──〈反・恋愛〉の作家として
〈女装〉する女語りについて──宇野千代『風の音』
生き方と衣装──森三千代の上海
◆食べる
鱧と砂糖菓子
──近代文学の中の〈人食い〉と〈花食い〉
紅玉を吐く──長野まゆみ論
月を食べる──稲垣足穂・村山籌子・武井武雄
◆眺める
山本昌代論──単身の幽霊たち
父親のいない幸福──有𠮷佐和子『香華』『芝桜』
桂ゆきによる花田清輝の本の装幀について
Ⅱ 『少女の友』と宝塚少女歌劇
宝塚少女歌劇の偶像
──『歌劇』『少女の友』『少女画報』から
宝塚少女歌劇「ミス・上海」の試み
虚構の性を演ずる力──『サド侯爵夫人』から見る
なぜ同じ顔なのか
──『少女の友』の「台湾新八景」から
探偵小説にみる台湾表象
──『少女の友』掲載の「揺く仏像」をめぐって
重ね書きする/される彼ら
大正文学論集
日高 昭二[著]
A5判並製・544頁・5000円+税
ISBN978-4-87737-469-3(22・7)
本書収録の論考は、さまざまな資料や発表媒体との遭遇によってそのつど誕生したゆえに、語り口や表記の仕方に相違はあるが、統一せずにそのままにしたところがある。ただし、そのいずれの機会に於いても、本書が資料を生かす論述に意を注いでいることはいうまでもない。それとともに、大正文学の担い手たちの、いわば個体発生のしくみが、それ以上にいかに同時代テクストとの重ね書きのうえに成立しているかが浮かび上がってくるように心がけたつもりである。いまは、そうして重ね書きする/される彼らの現場をたどることで、文学が担う場所の豊かさが読者に伝わることを願うばかりである。──────「まえがき」より
第一章 重ね書きする/される彼ら
重ね書きする/される有島武郎
構成される〈社会〉
表象としての“光”
越境する表象
評伝劇の遠近法
第二章 通俗小説の修辞学
久米正雄『蛍草』精読
大正期「挿絵入り小説」の問題
「ユーディット」の誘惑
通俗小説の政治学
第三章 交錯する座標
浮上する身体
附─徳田秋声『四十女』の遠近法
記憶の地誌/想起の空間
大正十一年(一九二二)の文学
〈関東大震災〉の記号学
書簡のドラマ/ドラマとしての書簡
第四章 アヴァンギャルドの方へ
アヴァンギャルドの文脈
堀辰雄とアヴァンギャルド
言語の網状組織へ
横光利一・川端康成
「アメリカニズム」についてのノート
第五章 彼らのChushingura/忠臣蔵
「近代忠臣蔵」というステージ
彼らのChushingura/忠臣蔵
大坂の陣と近代文学
沢木欣一
十七文字の燃焼
荒川 英之[著]
4/6判上製・320頁・3200円+税
ISBN978-4-87737-467-9(22・5)
社会主義的イデオロギーを根底に持つ
生き方、態度、意識、感覚から生まれる俳句
欣一の目指した社会性俳句の独自性とは
■第一章■
俳句の文芸性──欣一の主張とその継承をめぐって
■第二章■
欣一の初学時代・「寒雷」時代
『雪白』における写生─アララギ派歌論の受容を中心として
人間の探求─ひたぶる心の流露
芭蕉の継受
自己追求の世界
四高時代の二つの作品
■第三章■
欣一の社会性俳句時代
初版『塩田』に見る口語体への接近
思想・抒情の尊重─俳句近代化への志向
「写生」の内実─社会性俳句に至る道筋を通して
新しい抒情の解放─抽象的思惟の抒情に関する考察
「社会性俳句」の本質
■第四章■
欣一俳句鑑賞(付解題)
『雪白』二十五句
『塩田』二十五句
沢木欣一年譜
狭衣物語
モノガタリの彼方へ
鈴木 泰恵[著]
A5判上製・432頁・1000円+税
ISBN978-4-87737-466-2(22・5)
透徹したまなざしが物語史の彼岸に見出す
至高の文学空間
惜しまれつつ早世した鬼才の遺稿集
❖ 第一部
『狭衣物語』への/『狭衣物語』からの文学史
『狭衣物語』の斎院
『枕草子』から『狭衣物語』へ
『狭衣物語』と「見えぬ山路」
『源氏物語』絵合巻から『狭衣物語』へ
『浜松中納言物語』と「ゆかり・形代」
『浜松中納言物語』恋の文模様
『夜の寝覚』の夢と予言
開かれた『更級日記』へ
肥りすぎのオイディプス
❖ 第二部
『狭衣物語』のテクスチュアリティ
〈人知れぬ恋心〉のはずが……
『狭衣物語』とことば
狭衣の恋文
『狭衣物語』のちぐはぐな「語り」
『狭衣物語』の「語り」と「主体」
『狭衣物語』の服飾
今姫君の居住空間
『狭衣物語』の超常現象
❖ 第三部
〈文学史〉VS〈研究史〉
福家俊幸著『紫式部日記の表現世界と方法』
神野藤昭夫著『知られざる王朝物語の発見─物語山脈を眺望する』
大倉比呂志著『風に紅葉考─百花繚乱する〈性〉への目差し』
近代の注釈観
〈王権論〉とは何であったのか
物語を紡ぐ女たち
自然主義小説の生成
中丸 宣明[著]
4/6判上製・336頁・3400円+税
ISBN978-4-87737-463-1(22・2)
明治の家庭、社会、恋愛、立身出世の様相を赤裸々に描いた自然主義小説を掘り起こし、近代日本人の不合理な欲望の実態に触れる論考。
島田雅彦
❖第一部
序 章 二十世紀初頭の文学的風景──ポスト立身出世主義時代の文学
第一章 花袋の初期──「蒲団」まで
第二章 藤村──「破戒」と「春」
第三章 秋聲の初期──「雲のゆくへ」まで
❖第二部
序 章 「物語」を紡ぐ女たち
第一章 花袋──「生」と「妻」
第二章 藤村──「家」
第三章 秋聲──「足迹」と「黴」と「爛」
宇治拾遺物語を読む
中世説話論
葛綿 正一[著]
A5判上製・512頁・14000円+税
ISBN978-4-87737-464-8(21・12)
『宇治拾遺物語』の説話を読み解き、饗応と交換、パラドクスと自由について考える試論。
『日本霊異記』『今昔物語集』『古事談』『古今著聞集』『沙石集』など
説話集の方法を浮かび上がらせる。
第一部 説話集の方法
『宇治拾遺物語』と交換・パラドクス・自由
I 『宇治拾遺物語』の饗応と交換
II 『宇治拾遺物語』のパラドクス──場所と移動
III 『宇治拾遺物語』と自由
第二部 説話集の時代
『日本霊異記』から『沙石集』へ
I 『今昔物語集』の構造と方法──『日本霊異記』との比較
II 『古事談』と『古今著聞集』──王権の二つの側面
III 『沙石集』の論理と修辞──『日本霊異記』との比較
第三部 説話集の周囲
I 養蚕説話の構造分析──形態と過程
II 『打聞集』小考──説話についての覚書
III 宇治十帖の動物コード──『源氏物語』試論
IV 木曾義仲と享楽──『平家物語』試論
V 能狂言論──不気味なものと馴染んだもの
架橋する言葉
坂口安吾と時代精神
山根 龍一[著]
A5判上製・304頁・3600円+税
ISBN978-4-87737-462-4(21・12)
仏教とマルクス主義、小林秀雄と『近代文学』
——時代を特徴づけた精神のあり方と坂口安吾の作品はどのように切り結んだのか。 絡み合う糸を丹念に解きほぐす。
序 章 巨視的な問題と全体の概要
第一部————〈仏教〉とマルクス主義をめぐって
第一章 「木枯の酒倉から」論——〈仏教〉的な文学論とは何か
第二章 「風博士」を歴史化するために
第三章 「風博士」論――福本イズム・小谷部全一郎・浪漫的英雄主義の内在批判
第四章 「黒谷村」を歴史化するために
第五章 「黒谷村」論――内在しながら超越する言葉
第二部————小林秀雄と『近代文学』をめぐって
第六章 「真珠」「堕落論」「いずこへ」を歴史化するために
第七章 「真珠」論――〈軍人と文学者〉の優劣と〈書くこと〉の縮小に抗して
第八章 「堕落論」論――歴史と人間との関係をめぐる懐疑の方法について
第九章 「いづこへ」論――ヒューマニズムとエゴイズムのあいだ
詩の外包
九里 順子[著]
4/6判並製・268頁・2400円+税
ISBN978-4-87737-465-5(21・12)
詩・昭和・歌謡曲……包み包まれる関係性の中で見えてくる、生きられた時間の諸相。
〈往還〉の諸相
宮城学院女子大学人文社会科学研究所[編]
A5判上製・232頁・3600円+税
ISBN978-4-87737-461-7(21・7)
往還という語には多種多様な想像を可能とするダイナミズムが秘められている。
往還を単に2つの点を往来するプロセスとして見るのではなくそのプロセスにおいて生じるさまざまな諸相の展開に注目する
Ⅰ──林忠正と日本絵画の近代 日仏往還の軌跡 ◆ 今林直樹
Ⅱ──往還する革命家孫文 ◆ 小羽田誠治
Ⅲ──室生犀星、「終りのあとさき」の往還 ◆ 九里順子
Ⅳ──スウェーデンと日本の往還、そしてその向こう側 教育学における旅 ◆ 戸野塚厚子
Ⅴ──「幽霊ミサ」伝説を読む 中世・近世ドイツにおける「異界」との往還 ◆ 栗原 健
佐多稲子
政治とジェンダーのはざまで
小林裕子[著]
A5判上製・367頁・3800円+税
ISBN978-4-87737-459-4(21・6)
プロレタリア作家として、階級格差の原因に気づいた佐多稲子は、同時に男女差別の因ってきたる構造にも目覚めていったのではないか。「くれない」の佐多稲子はこのようにして生まれた。この論集を編むことによって、その道筋が佐多の小説の行間から立ち上ってくるように思った。──────あとがきより
佐多稲子小伝─他者という鏡
Ⅰ 詩から小説へ
詩からの出発─仮面から素面へ
小説への転身
Ⅱ プロレタリア文学の中の女たち
「女工」もの五部作─走る、泣く、揺れる「女工」たち
「煙草工女」の語りの構造─母の顔と党員の妻の顔
「別れ」─乳を搾る女
Ⅲ 戦争前夜の模索
「牡丹のある家」の位置─「くれない」につながる転換点
「樹々新緑」─目覚めと苦悩
「くれない」─政治、生活、文学の転機
Ⅳ 戦後日本の時空間
敗戦直後の評論活動─使命感とともに
「みどりの並木道」─空虚な明るさ
「夜の記憶」─二つの夜の明暗
「渓流」(一)─ある女系家族の終焉
「渓流」(二)─〈わが家〉はなぜ失われたのか
「黄色い煙」と「ばあんばあん」─時事問題の取り込み
Ⅴ 同時代の女性作家
若杉鳥子(一)─階級格差と男女格差
若杉鳥子(二)─闊達な女語りの魅力
壺井栄「廊下」─逆境の下での夫婦愛
大谷藤子「須崎屋」─母子幻想の崩壊
村上春樹 物語を生きる
浅利文子[著]
4/6判上製本・312頁・3200円+税
ISBN978-4-87737-458-7(21・5)
〈回転のイメージ〉により現代人の自己分裂と孤絶を表象する『回転木馬のデッド・ヒート』『ノルウェイの森』『スプートニクの恋人』
「過去の記憶をいかなる歴史として受け継いでゆくか」と問う『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』
Ⅰ 齟齬と分裂の物語
第1章…自己分裂と孤絶の物語──『回転木馬のデッド・ヒート』『ノルウェイの森』『スプートニクの恋人』
第2章…「あちら側」と「こちら側」──『スプートニクの恋人』
Ⅱ 過去から引き継がれた物語
第3章…過去の責任を継承する──『海辺のカフカ』
第4章…物語論としての物語──『1Q84』
第5章…芸術論としての物語──『騎士団長殺し』
第6章…歴史を生きる魂──『騎士団長殺し』『猫を棄てる 父親について語るとき』
狭衣物語 〈変容〉
乾 澄子・萩野敦子[編]
A5判上製・328頁・7000円+税
ISBN978-4-87737-460-0(21・4)
I 『狭衣物語』と〈変容〉
井上新子◆六条御息所から狭衣へ─〈離魂表現〉に着目して
塩見香奈◆『狭衣物語』飛鳥井の姫君の〈変容〉─今姫君との対比から
佐藤達子◆『狭衣物語』における髪を削ぐこと・尼そぎになること─今姫君と女二宮をめぐって
本橋裕美◆『狭衣物語』憧憬の地としての竹生島
井上眞弓◆『狭衣物語』変態の方法─衣物語の中の〈蟬〉
II 平安後期物語と〈変容〉
八島由香◆『浜松中納言物語』における〈空に満ちる恋心〉─転生〉とのかかわりから
宮下雅恵◆『夜の寝覚』の音声楽─石山の姫君は天人の夢を見るか
乾 澄子◆『夜の寝覚』─〈変容〉する物語
山際咲清香◆『とりかへばや物語』における寒暖語と〈風〉のメタモルフォーゼ
片山ふゆき◆『とりかへばや』英訳本における「変容」─異性装への認識をめぐる親子の物語
III さまざまな「物語」と〈変容〉
野村倫子◆『栄花物語』三后賛美評価の変容
勝亦志織◆「紫のゆかり」の〈変容〉─『いはでしのぶ』における前斎院と伏見姉妹をめぐって
萩野敦子◆近世琉球に再生する「みやびを」たち─平敷屋朝敏の擬古文物語をめぐって
うつほ物語
子ども流離譚
富澤萌未[著]
A5判上製・296頁・6800円+税
ISBN978-4-87737-457-0(21・3)
最も古い長編の物語である『うつほ物語』
物語の周縁にあると思われてきた子どもたちの流離・受難から、物語全体の構造を捉え直す
◆第一章
物語の始発──俊蔭の流離
◆第二章
父に忘れられる子ども──仲忠の流離
◆第三章
父子の密着と分離──忠こその流離
◆第四章
父に忘れられる子ども──実忠・真砂子君と「巣」「巣守」「雛」
◆第五章
親子関係における「恋ふ」「恋し」
第二部
子どもの位置付け──後半部における子
◆第一章
いぬ宮の位置付け──産養から
◆第二章
いぬ宮の位置付け──いぬ宮と母女一の宮
◆第三章
子どもを「抱く」「膝に据う」
◆第四章
『うつほ物語』全編における子──第一部・第二部のまとめ
尾崎紅葉事典
山田有策・谷喜美枝・宇佐美毅・市川紘美・大屋幸世[編]
A5判上製・448頁・12000円+税
ISBN978-4-87737-455-6(20・10)
時代を賑わせた『金色夜叉』への熱狂
近代文学誕生前夜を率いた
明治の大作家の軌跡をたどる
かつて近代文学史のテキストに〈紅露逍鷗〉という用語がしばしば登場していた。
確かに明治二〇年代初頭から明治三〇年代後半に到る時代は日本の文学や文化が近代的に整備されていく過程での混沌そのものだった。
誰もが〈近代〉を求めて、その幻影を実体化すべく悪戦苦闘せざるを得なかった。
〈紅露逍鷗〉とて例外ではなく、それぞれ、もがき苦しみ、挫折や中断を余儀なくされたのである。
その中でも最も苦闘し、ついには中途で生そのものをも犠牲にせざるを得なかったのが尾崎紅葉であった。
この紅葉の悲劇は後の文学的評価となって文学史に定着することとなった。
紅葉が短い生涯の中で情熱を傾けたさまざまな文学的行為は、逆に現代においてこそその可能性を輝かせるのではないか。
──────「はじめに」より
詩人・木下夕爾
九里順子・Kunori Junko[著]
A5判上製・350頁・3800円+税
ISBN978-4-87737-456-3(20・7)
詩人・木下夕爾は、詩と俳句を手放さずに生きた。
東京・御幸村・広島/戦前・戦後、その先へ。
夕爾が遺した一筋の光を辿る。
木下夕爾(きのした・ゆうじ)
大正3(1914)年、現在の福山市御幸町に生まれる。『若草』の投稿家として注目され早稲田高等学院に学ぶが、家業の薬局を継ぐために名古屋薬学専門学校に転じ、昭和13(1938)年帰郷。昭和15(1940)年、第6回「文芸汎論詩集賞」受賞。詩集に『田舎の食卓』(昭14)『生れた家』(昭15)『昔の歌』(昭21)『晩夏』(昭24)『児童詩集』(昭30)『笛を吹くひと』(昭33)、句集に『遠雷』(昭和34)がある。同人詩誌『木靴』句誌『春雷』を主宰する。昭和40(1965)年8月4日逝去。絶筆は「長い不在」(『中國新聞』昭40・8・5)。
利根川 場所の記憶
日高昭二[著]
A5判上製・504頁・5600円+税
ISBN978-4-87737-454-9(20・7)
多くの紀行、絵画、詩、歌、物語をはぐくんだ利根川
江戸の始めから、明治・大正・昭和へとつづく河川改修工事の歴史とともに流れる利根川にはさまざまな場所の記憶が刻まれている。
第一章──利根川を往く——紀行の時代
第二章──物語を紡ぐ川——源流から河口まで
第三章──支流の物語——片品川、渡良瀬川、巴波川、思川、鬼怒川、小貝川
第四章──田山花袋と利根川
第五章──川の流れ、時の流れ——足尾銅山鉱毒問題
第六章──アウトローたちの流域——相撲と俠客
龍之介の芭蕉・龍之介の子規
伊藤一郎[著]
A5判上製・307頁・4800円+税
ISBN978-4-87737-451-8(20・5)
芥川龍之介における芭蕉、そして正岡子規の受容、ならびに久米正雄との関係を論ずる。 新傾向俳句運動と連動した〈六朝書体〉について考察する。
第一部──────
芥川龍之介における芭蕉受容
第一章 あこがれと孤独─龍之介「枯野抄」の成立考
第二章 芥川と芭蕉─「芭蕉雑記」を中心にして
第二部──────
芥川龍之介における子規受容
第三章 芥川の「芭蕉雑記」と正岡子規
第四章 子規を読む芥川龍之介
第五章 芥川龍之介の詩歌─子規の余韻
第三部──────
芥川龍之介と久米正雄の交流
第六章 久米正雄と芥川龍之介の青春
第七章 芥川我鬼と久米三汀
第四部──────
芥川龍之介の〈六朝書体〉
第八章 芥川龍之介の〈六朝書体〉
第九章 ヴァリエーションとしての〈六朝書体〉
資料編
芥川俳句をめぐる人びと
〔一〕 遠藤古原草句集『空を見ぬ日』
影印・翻刻および解題・古原草略伝
〔二〕 佐佐木茂索書簡
翻刻・注釈および解題
〔三〕 小澤碧童書簡
翻刻・注釈および解題
〔四〕 小澤碧童追悼短冊集
影印・翻刻および解題
漱石深読
小森陽一[著]
4/6判並製・312頁・2400円+税
ISBN978-4-87737-447-1(20・4)
『こゝろ』をめぐる論争の当事者が
夏目漱石の代表作を冒頭分析で論じる
夏目漱石の長篇小説の多くは、新聞連載小説であった。きわめて厳しい言論統制と権力による情報弾圧の中で、最も広い読者層に言葉を渡すことの出来る、新聞小説という領域において、漱石夏目金之助が、どのような言語的文学的実践をしたのかを、今の時代において読者のみなさんとの有効な共通体験としたいというのが本書の願いである。
「あとがき」より
源氏物語の表現と儀礼
池田節子[著]
A5判上製・312頁・7400円+税
ISBN978-4-87737-453-2(20・4)
『源氏物語』の作中人物は、どのように考え、話し、行動しているのか。 人生儀礼、出産、衣装、食はどのように描かれているのか。 『源氏物語』の表現を丹念に追いつつ、他の平安時代の作品とも比較して考察する。
Ⅰ───『源氏物語』の表現
第一章 『源氏物語』の心中表現
「御心の中」「心の中」表現を中心に
第二章 『源氏物語』の会話文(一)
会話文の文末表現を中心に
第三章 『源氏物語』の会話文(二)
敬意の高い敬語の使用から
第四章 男性たちの歌に含まれる男性語
頭中将と紅梅親子の歌を中心に
第五章 葵の上の出産場面と出産描写史
第六章 『源氏物語』における母の存在感
「母」呼称を中心に
第七章 『源氏物語』第二部の服飾
衣装の色および「あざやか」の意味するもの
第八章 平安文学における食表現
『源氏物語』と『宇津保物語』を中心に
Ⅱ───『源氏物語』の人生儀礼
第一章 『源氏物語』の生誕儀礼
産養を中心に
第二章 物語史における元服と裳着
『源氏物語』と『狭衣物語』を中心に
第三章 『源氏物語』の算賀
光源氏四十賀と朱雀院五十賀の相違を中心に
Ⅲ───『源氏物語』を読み解く
第一章 「よしや。命だに」の解釈
光源氏と葵の上、そして紫の上との関係
第二章 光源氏と花散里の対面場面
第三章 息子の死を悲しむ父
柏木と致仕の大臣
第四章 紫の上の臨終場面
第五章 花心におはする宮
第六章 『蜻蛉日記』の夢
昭和後期女性文学論
新・フェミニズム批評の会
A5判上製・461頁・4200円+税
ISBN978-4-87737-452-5(20・3)
宮本百合子❖中本たか子❖林芙美子❖正田篠枝❖大田洋子❖松田解子❖円地文子❖小林美代子❖壺井栄❖大原富枝❖佐多稲子❖阿部静枝❖石垣りん❖野溝七生子❖吉屋信子❖幸田文❖森茉莉❖野上弥生子❖秋元松代❖倉橋由美子❖有吉佐和子❖石牟礼道子❖大庭みな子❖高橋たか子❖茨木のり子❖津島佑子❖増田みず子❖干刈あがた❖山田詠美❖李良枝❖〈沖縄〉の女性作家
❖ 執筆者
秋池陽子 阿木津英 アダム・グレグッシュ 有元伸子 伊原美好 岩淵宏子 内野光子 遠藤郁子 王晶 岡野幸江 菊原昌子 北田幸恵 高良留美子 小林裕子 小林富久子 小林美恵子 近藤華子 但馬みほ 永井里佳 中島佐和子 沼田真里 野田敦子 橋本のぞみ 長谷川啓 羽矢みずき 藤木直実 松田秀子 溝部優実子 矢澤美佐紀 吉川豊子 与那覇恵子 羅麗傑 和佐田道子 渡邊澄子 渡邉千恵子
いま、フェミニズム再燃のとき!
〈戦後女性文学〉の軌跡を辿る
敗戦後から1980年代末まで、近代の断絶と連続という複雑な時代を背景に、様々な生の可能性を、多様な表現で描出した女性文学の豊かな全容を検証する画期的な試み。
Ⅰ────戦争の傷痕/占領下からの出発
Ⅱ────戦後を生きる女たちの記憶
Ⅲ────多様な表現/制度への揺さぶり
Ⅳ────女性戦後派の挑戦
Ⅴ────近代幻想からの越境
『文藝首都』
──公器としての同人誌
小平 麻衣子[編]
A5判並製・335頁・3600円+税
ISBN978-4-87737-449-5(20・1)
私たちは先生を批判しながら、先生の人の好さに屈伏し、感謝しながら不満を持ち、不満をいいながら先生に甘えた。
佐藤愛子 『こんな老い方もある』
保高徳蔵の熱意によって、多くの作家を輩出し、文壇を支えた雑誌の全貌に迫る。
序章
『文藝首都』──文壇を支えた同人誌●小平麻衣子
第一部 文壇への期待/文壇からの期待
文学懸賞が生んだ同人誌●和泉司
『文藝首都』の〈批評〉のモード●尾崎名津子
「素朴な、人間本然の心」を詠う●村山龍
大原富枝「女流作家」への道●富永真樹
第二部 居場所のきしみ
金史良の日本語文学が生成された場所としての『文藝首都』●高橋梓
台湾植民地作家龍瑛宗の『文藝首都』を通じたアジア作家との交流●王惠珍
戦後直後『文藝首都』に見られる「移動」から「旅行」への転換●ジェラルド・プルー
実作者ナカガミケンジの覚悟●松本海
第三部 労働とペンの力学
「沃土」とは別の仕方で語ること●椋棒哲也
「あけくれ」から「峠」「糸の流れ」へ●井原あや
国鉄勤労詩論争の周辺●小長井涼
医師がペンを執るとき●吉田司雄
第四部 例外状況を生き抜く
上田広「黄塵」と文学の〈大衆性〉への欲望●清松大
「創作指導雑誌」という姿勢●小川貴也
金達寿「塵芥」におけるパラテクストの可能性●クリスティーナ・イ
「小野京」としての林京子●島村輝
●作家が語る・作家に聞く───
勝目梓 紀和鏡 飯田章 佐江衆一
漱石の文学理論
The Influence to Soseki's Theory
小倉 脩三[著]
A5判上製・200頁・4000円+税
ISBN978-4-87737-446-4(19・11)
漱石の蔵書から漱石の『文学論』「文学理論」への影響を具体的に考察する。
はじめに
Ⅰ.────テオドール・リボー『感情の心理学』の影響
(Theodule Libot, The Psychology of the Emotions, London: WalterScott, 1897)
Ⅱ.────ロイド・モーガン『比較心理学入門』の影響
(Lloid Morgan, An Introduction to Comparative Psychology, London: Walter Scott, 1894)
Ⅲ.────ウィリアム・ジェームズ『宗教的経験の諸相』 の影響
(Willam James, The Varieties of Religious Experience, London: Longmans, Green & Co., 1902)
Ⅳ.────ウィリアム・ジェームズ『心理学原理』の影響
(William James, The Principles of Psychology. 2vols, London: Macmillan & Co., 1890)
Ⅴ.────ジョン・ラスキン『近代画家論』の影響
(John Ruskin, Modern Painters. 6vols, London: G. Allen, 1898–1902)
イギリスの子どもの本の歴史
三宅興子〈子どもの本〉の研究1
三宅 興子[著]
A5判上製・376頁・4800円+税
ISBN978-4-87737-441-9(19・10)
刊行のことば
この全3巻は、主に、『イギリス児童文学論』『イギリス絵本論』の刊行後、約25年間にいろいろの媒体で発表した論文などを集めた選集です。なかには、折々に興味をもった雑文もまじっています。
その間に児童文学の「作家・作品」中心の研究は、大きく変化していきました。手書き原稿がパソコン入力になり、文献検索も電子ネットワークの発達で容易にできるようになりました。「子どもの本」の研究、特に、絵本や挿画の研究へと興味が移っていき、イメージの守旧性を追求するカルチュラルスタディーズに近いものが研究の中心になっています。
誰も鍬をいれていない沃野に入って、夢中になって開拓しているような楽しい感じの仕事が多かったのですが、3巻にまとめるのは大仕事でした。
校正をしながら、自己批判をしたり、お世話になった方々の思い出に耽ったりいたしました。お近くに置いていただけましたら幸いです。
三宅興子
イギリスの子どもの本を文化史的に捉え、作家・作品のそれぞれを考える
Ⅰ───文化史的研究
解題
子どもの本と五〇年/他国のイメージはどのようにつくられたか /パーキンズの『日本のふたご』を読む/The“Nursery”Seriesと「世界の子供叢書」の場合 /児童文学にみる今日の〈子ども〉
Ⅱ───ファンタジー
解題
ファンタジーを「整理整頓」する/イギリスの幼年童話入門 /イギリス児童文学史研究ノート1…ドロシー・キルナー『あるネズミの生涯と遍歴』論/イギリス児童文学史研究ノート2 …『あるロンドン人形の思い出の記』論/イギリス児童文学史研究ノート3…あべこべの系譜 /マーク・レモンのファンタジー作品
Ⅲ ───作家・作品論
解題
『秘密の花園』論 /F・H・バーネット論 /児童文学者としてのE・V・ルーカス /『砂』の重苦しさをぬけて/なぜ、読まれているのか/海はどこへ行った?
Ⅳ ───その他
解題
子どもの本のなかの戦争を考える/英米児童文学に描かれた格差社会の考察/ 地球という風土/大人も成長する /「岩波少年文庫」の改訳をめぐって/「ハリー・ポッター現象」とは何だったのか? /石井桃子さん /イギリス児童文学・絵本情報/日本における英語圏児童文学研究の歴史
イギリスの絵本の歴史
三宅興子〈子どもの本〉の研究2
三宅 興子[著]
A5判上製・240頁・3200円+税
ISBN978-4-87737-442-6(19・10)
イギリスの絵本の歴史を鑑み、今日に至る絵本の成熟を考える
Ⅰ─── イギリス絵本論
解題
子どものためのチャップブック
小型本シリーズDumpy Books for Childrenの分析
Puffin Picture Booksシリーズ 出版の意義── 一九四〇年代を中心に
シンデレラ絵本考
[付] 西洋昔話の三人のお姫さま
イギリスの「しかけ絵本」のペーパークリエーション── Bookano Seriesを中心に
牧野義雄の描いた絵本のなかの日本
絵本とグロテスク── 『巨人殺しのジャック』の場合
バラッド「森の子どもたち」の絵本化をめぐって──結末の子どもの死の表現を中心に
Ⅱ─── 絵本の講演から
解題
絵本の翻訳と文化の根っこ
絵本が成熟するとき──イギリス、アメリカ、日本、そして韓国の場合
宗教叢書協会(Religious Tract Society)の子どもの本の出版
人形絵本論──イギリス絵本史からみたその歴史と意義
日本の絵本の歴史
三宅興子〈子どもの本〉の研究3
三宅 興子[著]
A5判上製・272頁・3800円+税
ISBN978-4-87737-443-3(19・10)
海外の絵本との比較を試み、日本における絵本の歴史を考える
Ⅰ─── 比較絵本史
解題
比較児童出版美術史・事始め
「絵本」の「翻訳」史・試論
「金の斧、銀の斧」の神さま── 英・仏と日本の比較
Ⅱ─── 日本の絵本史から
解題
日本の子どもの本前史から──その特徴としての絵と文の共生関係
絵雑誌の研究について
「ぐりこえほん」にみる絵本意識
「絵本原画展」のはじまり── 至光社・武市八十雄さんから
「イギリスではじめての日本絵本原画展」より――日本の絵本画家の紹介
中川李枝子・山脇百合子論── 『ぐりとぐら』を中心に
こぐま社・佐藤英和さんの歩み── 私的情景を絵本史のなかへ
Ⅲ─── 幼稚園文庫などでの絵本の受容
解題
絵本の読者とその受容について考えること── 幼稚園文庫の報告から
「かわいい」絵本論
絵本を選ぶツールとしての「絵本ブックリスト」
大学生と絵本
わたしと世界を象ることば
──昭和一〇年代の石川淳作品とその周辺`
若松 伸哉[著]
A5判上製・240頁・3400円+税
ISBN978-4-87737-448-8(19・10)
戦時下となる昭和一〇年代。文学者はどのように人間、そして世界を描いたのか。
変動する時代状況と石川淳・太宰治・坂口安吾たちの文学世界との結接点をさぐる
序章 昭和一〇年代の幕開け
第一部
昭和一〇年、石川淳の登場と初期作品
第一章 多重化する〈わたし〉の試み──石川淳「佳人」
第二章 下層民を描く位置──石川淳「貧窮問答」
第三章 漂泊の強度──石川淳「葦手」
第四章 芥川龍之介の影を追う──石川淳「普賢」と安吾・太宰
第二部
戦時下の石川淳・太宰治・坂口安吾
第五章 再生の季節と作家──太宰治「富嶽百景」
第六章 グロテスクな愛の射程──坂口安吾「芝大納言」
第七章 〈歴史と文学〉のなかで──石川淳『森鴎外』
第八章 オルタナティブな歴史の語り方──太宰治『右大臣実朝』
終章 焼け跡からの出発──石川淳「焼け跡のイエス」
芥川龍之介の文学と〈噂〉の女たち
秀しげ子を中心に
中田睦美[著]
A5判上製・352頁・3800円+税
ISBN978-4-87737-445-7(19・7)
とかく男性的な一方的まなざしで括られる〈噂の女〉たちの実像を明らかにする
はじめに
[第一部]
女性のまなざし、女性へのまなざし─「秋」とセルロイドの窓
王朝世界へのオマージュ─「六の宮の姫君」管見
「お富の貞操」への道程─〈貞操〉のゆくえ
[第二部]
秀しげ子のためにⅠ─ 芥川龍之介との邂逅以前
秀しげ子のためにⅡ─ 〈噂〉の女の足跡
秀しげ子の著作
文学に描かれた〈秀しげ子〉像
[第三部]
「蜘蛛の糸」管見─童話と小説の間
「或敵討の話」試論
「舞踏会」の制作現場
[第四部]
「片山広子拾遺年譜」に寄せて─文学的まなざしと『翡翠』前後の活動を軸に
片山広子拾遺年譜─消息/著作リスト/評および言及
片山広子(松村みね子)
片山総子(宗瑛)
おわりに
演じられる性差
日本近代文学再読
関 礼子[著]
A5判上製・413頁・3800円+税
ISBN978-4-87737-438-9(19・5)
樋口一葉から男性作家を挟んで水村美苗まで、「演じられる」性差の表象を問う。書き下ろし6本を含む、日本近代文学「再読」の試み。
序章
「演じられる性差──日本近代文学 再読」のための覚書
第一章
木村荘八『一葉 たけくらべ絵巻』の 成立
鏑木清方『にごりえ』(画譜)の世界
一葉における〈悪〉という表象
「たけくらべ」論争と国語教科書
第二章
泉鏡花「歌行燈」の上演性
森鷗外「青年」の女性表象
「山椒大夫」・「最後の一句」の女性 表象と文体
漱石「行人」の性差と語り
漱石「心」の二つの三角形
第三章
帝国の長篇小説 谷崎潤一郎『細雪』論
一九五五年のシナリオ「三四郎」と「こ ころ」
小説『金閣寺』と映画『炎上』
三島由紀夫の『源氏物語』受容
川端康成『古都』を織る手法
終章に代えて
『明暗』から『続明暗』へ
源氏物語の表現と展開
寝覚・狭衣の世界
乾 澄子[著]
A5判上製・479頁・12000円+税
ISBN978-4-87737-444-0(19・5)
源氏物語が切り開いた物語の方法を以後のそれぞれの作品がいかに継承し、発展させ、みずからの世界を築いていったか、そして物語史を紡いでいったか
Ⅰ 『源氏物語』と歌ことばの表現史
◆第一部◆『源氏物語』の和歌とその表現
第一章 『源氏物語』の第二部について─贈答歌を中心に
第二章 篝火巻試論─六条院世界の〈季節的秩序の崩壊〉をめぐって
第三章 紫の上─歌と人生
◆第二部◆『源氏物語』と和歌史のあわい
第四章 『源氏物語』の歌枕─三代集との比較を通して
第五章 「いまめきたる言の葉」─紫式部の〈春〉の歌語
第六章 物語と和歌─源氏物語花宴巻の「草の原」を手がかりに
第七章 『源氏物語』の作中詠歌について─『風葉和歌集』における採歌状況を中心に
Ⅱ 『夜の寝覚』の原作と改作の世界
◆第一部◆『夜の寝覚』原作の世界
第一章 『夜の寝覚』─作中詠歌の行方
第二章 『夜の寝覚』─女君を取り巻くもの
第三章 『夜の寝覚』─「母なき女子」の宿世
第四章 『夜の寝覚』─女君の「憂し」をめぐって
第五章 『夜の寝覚』の父
第六章 『夜の寝覚』─ 斜行する〈源氏〉の物語
◆第二部◆『夜の寝覚』改作の世界
第七章 『夜の寝覚』と改作本『夜寝覚物語』─「憂き」女から「憂きにたへたる」女へ
第八章 『夜の寝覚』─「模倣」と「改作」の間
Ⅲ 『狭衣物語』の表現と中世王朝物語
◆第一部◆『狭衣物語』の〈和歌〉
第一章 後冷泉朝の物語と和歌─『狭衣物語』『夜の寝覚』の作中詠歌
第二章 『狭衣物語』の地名表現をめぐって
第三章 『狭衣物語』の表現─「歌枕」の機能に着目して
第四章 『狭衣物語』の和歌的表現─意味空間の移動をめぐって
第五章 女君の詠歌をめぐって─狭衣の恋と和歌
◆第二部◆平安後期物語から中世王朝物語へ
第六章 『とりかへばや』物語における「世」
第七章 『小夜衣』における先行作品の引用について─平安期の物語を中心に
‹文学史›の哲学
日本浪曼派の思想と方法
坂元昌樹[著]
A5判上製・263頁・3600円+税
ISBN978-4-87737-437-2(19・3)
日本浪曼派の言説戦略とは
何であったのか?
1930年代から1940年代にかけての文化動向に多大な影響を持った日本浪曼派の文学運動の思想と方法の解明を目指して、その代表的人物であった保田與重郎のテクストを〈文学史〉をキーワードとして読み解く。日本浪曼派の言説戦略を同時代内部に布置し、近代日本のロマンティシズムとナショナリズムの系譜の再構成を試みる。
[第一部]
日本浪曼派と〈文学史〉の哲学
第一章 日本浪曼派の言説戦略─方法としての〈文学史〉
第二章 日本浪曼派の言説とジェンダー─〈文学史〉と〈女性〉表象
第三章 日本浪曼派と〈古典〉論の展開─〈文学史〉の哲学
第四章 日本浪曼派の〈戦後〉─「絶対平和論」と〈文学史〉の行方
[第二部]
日本浪曼派とその思想的背景
第五章 日本浪曼派と〈民芸〉運動─〈沖縄〉というトポス
第六章 日本浪曼派と〈差異〉─幻想としての〈郷土〉
第七章 日本浪曼派批判の再構成─〈民衆〉という虚構
[第三部]
日本浪曼派と
その〈文学史〉的圏域
第八章 夏目漱石と日本浪曼派─〈浪漫〉をめぐる言説の系譜
第九章 ラフカディオ・ハーンと
日本浪曼派─〈日本的なもの〉の系譜
第一〇章 芥川龍之介と日本浪曼派─〈理性〉への懐疑
第一一章 日本浪曼派と一九三〇年前後─太宰治と保田與重郎の交錯
第一二章 「近代の超克」の周辺─津村秀夫と〈超克〉論議の多様性
薄田泣菫読本
すすきだ きゅうきん
倉敷市・薄田泣菫文庫調査研究
プロジェクトチーム[編]
A5判並製・160頁・2400円+税
ISBN978-4-87737-439-6(19・3)
詩人であり、エッセイスト、ジャーナリストとして輝かしい足跡を残した薄田泣菫の人と文学を知るための一冊
1部───泣菫の生涯
第1章 出発期
1 生い立ち/2 岡山県尋常中学校にて/3 故郷を離れて/ 詩壇への登場
第2章 詩人としての絶頂期
1 第一詩集『暮笛集』の刊行/2 『ふた葉』『小天地』での活躍/3『ゆく春』の刊行/4『二十五絃』の出版/5『白羊宮』の刊行/6 結婚
第3章 模索期
1 結婚後の動向/2 綱島梁川の死と長女の誕生/3 随筆集『落葉』/4 小説への挑戦/5 帝国新聞社入社
第4章 大毎編集者としての活躍期
1 大阪毎日新聞社への入社/2 編集部員としての活躍/3 泣菫と芥川龍之介/4 随筆、児童文学、戯曲、翻訳などの仕事
第5章 随筆家としての円熟期
1 分銅町に転居/2 自然観照へ/3 沈思黙考の時/4 泣菫の晩年/5 泣菫没後
第2部───泣菫の作品鑑賞
第3部───資料編
第1章 語られる泣菫
第2章 薄田泣菫─年譜
第3章 薄田泣菫─ゆかりの地
第4章 薄田泣菫関連情報
薄田泣菫文庫/薄田泣菫生家/薄田泣菫顕彰会/薄田泣菫文学碑一覧/泣菫研究紹介
夜に抗して闘う者たち
ジョン・レノン、ロベルト・ボラーニョ 、桐山襲
原 仁司 [著]
A5判並製・176頁・2800円+税
ISBN978-4-87737-440-2(19・3)
詩的批評の最前線
サルトル、ソンタグ、ニーチェ、ブロツキー、ベンヤミン、ヴェイユらの思索に触れつつ、ポストモダニズムの核心に迫る。
ジョン・レノンの場合──ポストモダンと内在するファシズム
スーザン・ソンタグの視点──レニ・リーフェンシュタールとオノ・ヨーコ
神話としての「ジョン・レノン現象」
ロベルト・ボラーニョについて──①「通話」
ロベルト・ボラーニョについて──②「はるかな星」
桐山襲と80年代の言語表象I
桐山襲と80年代の言語表象II
極私的ポストモダン年表
「68年問題」関係書籍一覧
小泉八雲・澁澤龍彥と
『夜窓鬼談』
交響する幻想空間
林 淑丹 LIN Shutan [著]
A5判上製・224頁・3200円+税
ISBN978-4-87737-432-7(19・2)
怪異小説の創作の伝統が漢字文化圏でいかに変容したか
漢文小説『夜窓鬼談』の特性を明らかにし、近現代作家に受容される過程を考察する
第一部────『夜窓鬼談』の幻妖世界
第一章 ◆ なぜ怪談なのか─怪談文芸の地位の回復
第二章 ◆ 漢文小説の出版戦略と挿絵
第三章 ◆ 『夜窓鬼談』の妖異空間
第二部────小泉八雲の再話文学と『夜窓鬼談』
第四章 ◆ 「果心居士の話」論─物語の空間
第五章 ◆ 小泉八雲による再話と『夜窓鬼談』の交響
第三部────澁澤龍彥の文学と『夜窓鬼談』
第六章 ◆ すれ違いの美学─「茨城智雄」から「茨木智雄」へ
第七章 ◆ 澁澤龍彥「画美人」論─その身体と空間の表象
第八章 ◆ 伝承・エロス・迷宮─「花妖記」における幻想の意匠
第九章 ◆ 幻想への回路─「菊燈台」論
第四部────無垢の想像力
第十章 ◆ もの憑き・夢魔の想像空間
─「狐媚記」「夢ちがえ」をめぐって
第十一章 ◆ サド裁判における澁澤龍彥の思想と批判
第五部────澁澤文学における旅の構造
第十二章 ◆ 流転と再生の旅─「ねむり姫」を読む
第十三章 ◆ 旅のかたち─「ぼろんじ」「うつろ舟」をめぐって
第十四章 ◆ 永遠の輝きを求めて─『高丘親王航海記』の旅
漱石『道草』の詩学
田中邦夫[著]
A5判上製・408頁・5600円+税
ISBN978-4-87737-433-4(19・1)
『道草』の根本的テーマを、健三の顕在化している意識と顕現する過去の意識との繋がりによって、明らかにする。
第Ⅰ部 主人公健三の意識の推移と語り手の視線
第一章 『道草』の言葉の基本的特徴
第二章 生活世界に接触する健三の意識の特色
第三章 健三の血縁世界
第四章 幼児期健三の孤独と心の傷
第五章 語り手と洋燈の象徴性
第六章 健三における自己・神・類の意識
第七章 追憶や連想によって描かれた健三夫婦の個我意識と類の意識の交差
第八章 教育と野生、血の繋がりと根源的自己意識
第九章 健三と比田との同質性と異質性、および健三の夫婦観と細君との諍い
第十章 「義父の連印依頼」と健三の内面劇
第十一章 健三における言葉の論理の絶対化とその矛盾の自覚
第十二章 島田との決裂によって想起される諸場面と心の傷克服への動き
第十三章 健三における世俗での責任を果たそうとする現実意識の確立
第十四章 健三の現実意識と純粋な人間的意識との葛藤
第Ⅱ部 『道草』の主要テーマの分析
第一章 『道草』の「自然」
第二章 細君に対する健三の「情愛」の性格
第三章 漱石手帳に書き込まれた『道草』の方法
ヨム・ウタフ・琴歌
万葉歌古代歌謡論攷
神野富一[著]
A5判上製・336頁・8000円+税
ISBN978-4-87737-436-5(19・1)
「歌」とは何か、「和歌」とは何か。
ウタフ行為からヨム歌=和歌、
万葉歌の成立へ
琴歌・琴歌譜の成立と構成
和歌の成立と歌謡─ヨム・ウタフ・琴歌
*
「歌をヨム」こと
琴歌譜「余美歌」考
万葉歌の口誦性─「作」字の有無をめぐって
*
古代の「しつ歌」「しつ歌の歌返」について
─『古事記』と『琴歌譜』
歌謡と韻律
ウタの場・ウタの担い手─沖縄の祭祀の事例から
*
舒明天皇国見歌攷
制度としての天皇歌─額田王歌の作者異伝にふれて
蒲生野贈答歌
歌謡と和歌
*
琴歌略史─聖武朝ごろまで
琴歌譜の成立過程
琴歌譜の「原テキスト」成立論
琴歌譜歌謡の構成─「大歌の部」について
琴歌譜歌謡の構成─「小歌の部」について
付 「大歌奏」について
*
短歌と漢語
平安朝文学論
表象と強度
葛綿正一[著]
A5判上製・608頁・15000円+税
ISBN978-4-87737-435-8(19・1)
古典研究の 可能性とは何か。
『伊勢物語』から『太平記』まで、平安京が生み出した言語表象を辿り、それぞれの特異性を浮かび上がらせる横断的試論。
第一部
文学史論 : 風景・内面・音声
平安朝文学史の諸問題──和文の創出と文学の成立
第二部
平安朝文学論のために : 反復・ノイズ・鬱屈
I 大津皇子と在原業平──反復の問題
II 蜻蛉日記と音声的世界の発見──ノイズへの感性
III 枕草子と差別化の戦略──文芸の社会学
IV 来るべき枕草子研究のために──機械の詩学
V うつほ物語と三宝絵──知の基盤
VI うつほ物語と栄花物語──情の様相
VII うつほ物語と今昔物語集──建築への意志
VIII 平安後期物語論──熱狂と鬱屈
IX 栄花物語の方法、大鏡の方法──時間と空間
第三部
中世文学論のために : 享楽と不気味なもの
I 将門記のメタファー──雷の文学誌
II 平家物語と日付の問題──叙事詩論
III とはずがたり論──みどり子と言葉
IV 太平記と知の形態──享楽・座談・解釈
V 太平記と知の形態・続──解釈・問答・享楽
VI 反=鎮魂論──能の原理に関する試論
VII 説経節の構造──不気味なものをめぐって
広岡浅子「草詠」
高野晴代[監修]
四六判並製・208頁・2400円
ISBN978-4-87737-434-1 (19・1)
本書は、このほど広岡家(加島屋五兵衛家資料)で発見された広岡浅子の歌集、396首の翻刻、解説書である。本書表紙の浅子が持つ冊子の題簽は「草詠 冬」と読める。浅子は三十代と思われ、二十八歳で長女亀子を出産、三十八歳には筑豊の潤野炭鉱を買収するというような時期と重なる。実業家として歩み始め、炭鉱にピストルを持参したと伝えられる浅子のもう一つの手には、筆を持ち、自らの思いを託す短歌の存在があったことを、私たちはこの『草詠』を通して知るのである。
「鏡」としての透谷
表象の体系/浪漫的思考の系譜
黒田俊太郎[著]
A5判上製・260頁・3600円+税
ISBN978-4-87737-431-0(18・12)
透谷という「鏡」に映じた自分の姿を見つめる人々を見つめ直すこと、それが本書の目的である。───(序章)
ひとたび「海の洗礼を受け」る==国境線を意識することで自己相対化が開始されてしまえば、いわば〈国家〉や〈近代〉というものの輪郭を意識しそれを懐疑した刹那、無限の自己相対化という否定を伴う〈心の革命〉が始動する。───(第八章)
序 章───「鏡」という技術
第Ⅰ部◆表象の体系としてのアンソロジー
第一章───明治三五年版『透谷全集』─その「商品」性と流通ネットワーク
第二章───明治三〇年代後半、〈文学〉化されゆく手紙─「透谷子漫録摘集」を起点として
第三章───成型される透谷表象─明治後期、〈ヱルテリズム〉の編成とその磁場
第四章───透谷を〈想起〉するということ─昭和二年、『現代日本文学全集』刊行をめぐって
第Ⅱ部◆日本浪曼派と〈透谷〉
第五章───中河與一の〈初期偶然論〉における必然論的側面─小説「数式の這入つた恋愛詩」の分析を通して
第六章───戦時下日本浪曼派言説の横顔─中河與一の〈永遠思想〉、変奏される〈リアリズム〉
第七章───彷徨える〈青年〉的身体とロゴス─三木清〈ヒューマニズム論〉における伝統と近代
第八章───〈偉大な敗北〉の系譜─透谷・藤村・保田與重郎
ノスタルジーとは何か
宮城学院女子大学
人文社会科学研究所[編]
A5判上製・240頁・3600円+税
SBN978-4-87737-430-3(18・10)
ノスタルジーの知的な旅
様々なテキストから読み取れるノスタルジーについて、 文学、歴史学、地理学、経済学といった様々な 学問分野から解釈、考察する。
序 ノスタルジーという概念をめぐって ◆ 今林直樹
Ⅰ ノスタルジーが自立するまで 「故郷」からの距離 ◆ 九里順子
Ⅱ 『故郷』に表現されるノスタルジーの魯迅における特異性について ◆ 小羽田誠治
Ⅲ イーディス・ウォートンの『無垢の時代』に見るノスタルジー ◆ 田島優子
Ⅳ 第一期フランス留学時代の黒田清輝 回想のフランス体験 ◆ 今林直樹
Ⅴ 商店街景観から読み解く昭和ノスタルジー 大分県豊後高田市の「昭和の町」に注目しながら ◆ 土屋 純
Ⅵ 今、なぜノスタルジーなのか 社会現象としてのノスタルジーを考える ◆ 田中史郎
源氏物語
煌めくことばの世界 ll
原岡文子・河添房江[編]
A5判上製・720頁・9800円+税
SBN978-4-87737-428-0(18・5)
女性研究者37人による
『源氏物語』、煌めくことばの森への挑戦
第二弾
青島麻子/池田節子/今井久代/鵜飼祐江/太田敦子/大津直子/勝亦志織/河添房江/川名淳子/木谷眞理子/久富木原玲/倉持長子/栗本賀世子/斉藤昭子/清水婦久子/ スエナガエウニセ/鈴木宏子/鈴木泰恵/相馬知奈/高木和子/高橋麻織/中川正美/長瀬由美/西本香子/橋本ゆかり/畑恵里子/林悠子/原岡文子/平林優子/堀江マサ子/松本美耶/三村友希/本橋裕美/山本淳子/湯浅幸代/吉井美弥子/ 吉野瑞恵
吉屋信子研究
The Study of Yoshiya Nobuko
竹田志保[著]
A5判上製・290頁・3200円+税
ISBN978-4-87737-423-5(18・3)
花物語だけではない吉屋信子
彼女が書きたかったもの、書けなかったもの、書いてしまったもの──
大衆長篇小説の読解から、吉屋信子の新たな像を提示する。
序章 吉屋信子再考
第一章 『花物語』の誕生─<主体化>する<少女>たち
第二章 「地の果てまで」の転機─<大正教養主義>との関係から
第三章 もう一つの方途─「屋根裏の二処女」
第四章 困難な<友情>─「女の友情」
第五章 <良妻賢母>の強迫─「良人の貞操」
第六章 流通するイメージ─新聞・雑誌記事に見る吉屋信子像
第七章 「あの道この道」行き止まり─昭和期『少女倶楽部』の少女像
第八章 三人の娘と六人の母─「ステラ・ダラス」と「母の曲」
第九章 吉屋信子の<戦争>─「女の教室」
終章 展望として
宮沢賢治の磁場
中野新治[著]
A5判上製・671頁・5400円+税
ISBN978-4-87737-417-4(18・4)
「宮沢賢治の磁場」とは、熱い信仰的陶酔と、それからの冷徹な覚醒のせめぎあいによるエネルギーによって造られたものであった。
Ⅰ 宮沢賢治の磁場
「よだかの星」―絶対的な問い
救済としての「童話」―大正十年夏の賢治
「どんぐりと山猫」―ものみな自分の歌を歌う
「やまなし」―聖なる幻燈
「鹿踊りのはじまり」―その「ほんたうの精神」をめぐって
「銀河鉄道の夜」初期形―求道者たちの実験
「ポラーノの広場」―夢想者のゆくえ
「銀河鉄道の夜」後期形―死の夢・夢の死
〈魂の眼〉で見られた世界―「銀河鉄道の夜」覚え書き
「風の又三郎」―畏怖・祝祭・謎
「グスコーブドリの伝記」―植物的な死
「セロ弾きのゴーシュ」―もう一つの祈り
「報告」―賢治理解のために
「装景手記」と「東京」―楕円形の生
「〔丁丁丁丁丁〕」―恋愛伝説について
「〔雨ニモマケズ〕」―〈樹木的生〉の与えるもの
〈郵便脚夫〉としての賢治―「物語」はいかにして届けられたか
宮沢賢治における〈芸術と実行〉―イーハトーヴ幻想と現実
〈聖なる視線〉の拓く世界―宮沢賢治における生と死
中原中也「一つのメルヘン」成立と宮沢賢治
宮沢賢治の〈Tropical war song〉
Ⅱ 近代日本と文学的達成
若松賤子
北村透谷
高村光太郎・萩原朔太郎
定家のもたらしたもの
日本女子大学日本文学科[編]
A5判上製・256頁・3000円+税
ISBN978-4-87737-401-3(18・3)
2つのテーマからアプローチする
継承と変容
文字と仮名遣い
定家の築いた「古典」とは
執筆者
渡部泰明❖東京大学教授
村尾 誠一❖東京外語大学教授
味方 健❖シテ方観世流能楽師
ポール・アトキンス❖ワシントン大学教授
坂本清恵❖日本女子大学教授
遠藤邦基❖奈良女子大学名誉教授
別府節子❖出光美術館学芸員(シンポジウム時)、実践女子大学研究推進機構研究員
小堀宗実❖遠州茶道宗家十三世家元
伊井春樹❖阪急文化財団逸翁美術館館長・大阪大学名誉教授
浅田 徹❖お茶の水女子大学教授
杉本まゆ子❖宮内庁書陵部研究官
高野晴代❖日本女子大学教授
石井倫子❖日本女子大学教授
大西巨人
文学と革命〔二松學舍大学学術叢書〕
山口直孝[編]
A5判上製・460頁・3800円+税
ISBN978-4-87737-426-6(18・3)
「大西巨人と書物」の 迷宮に分け入る
稀有な意志と才能とによって革命の文学を追求し続けた作家、大西巨人。
二〇世紀文学の達成『神聖喜劇』の作者の創作の源泉と展開とを、
四年間に及ぶ蔵書調査を踏まえて考察する、初の論集。
諸氏の論考に加えて主要蔵書解題、詳細な大西巨人書誌を付す。
漢文脈の漱石
山口直孝[編]
A5判上製・208頁・3000円+税
SBN978-4-87737-425-9(18・3)
漢詩文・漢学から拓く、革新的にして本来的な漱石像
「元来僕は漢学が好(すき)で随分興味を有(も)つて漢籍は沢山読んだものである。」(談話「落第」)
転換期に教養形成を行なった夏目漱石の思想・感性・文芸を漢文脈の受容と創造の観点から多角的に考察する論文集。
二松學舍大学SRF(文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成事業)シンポジウム「漢文脈の漱石」から始まる、漱石研究の新次元。
森鷗外の歴史地図
拓殖大学研究叢書(人文科学)19
村上祐紀 [著]
A5判上製・240頁・2800円+税
ISBN978-4-87737-422-8(18・3)
帝室博物館総長/史談会/十津川/雪冤/医史学/天皇皇族実録/民友社/渋江抽斎/探墓/集古会/鷗外という領域/維新資料編纂会/横井小楠/御家騒動/宮内省図書頭/紋章学/史伝/軍医総監
【序章】
近代史学の歴史地図
【第Ⅰ部】歴史を語る
第一章 探墓の歴史
第二章 歴史叙述の実験
第三章「立証」と「創造力」
【第Ⅱ部】歴史を綴る
第一章 鷗外と外崎覚
第二章 集古会から見る『渋江抽斎』
第三章 好古と考古
【第Ⅲ部】歴史を創る
第一章 接続する「神話」
第二章 帝室博物館総長としての鷗外
第三章「皇族」を書く
日本近代詩の発展過程の研究
与謝野晶子、石川啄木、萩原朔太郎を中心に
ルカ・カッポンチェッリ Luca Capponcelli[著]
A5判上製・330頁・3800円+税
ISBN978-4-87737-424-2(18・2)`
晶子・啄木・朔太郎を中心に、近代詩と近代国家がいかなる影響関係の上に成立してきたかを、身体的表現に焦点を当て解明する
正宗白鳥論
吉田竜也 [著]
A5判上製・256頁・3200円+税
SBN978-4-87737-421-1(18・2)
自然主義全盛期にあって、〈ありのまま〉を見、書くことに拘り、終生、言葉の限界、書きたいことと書くことの間の断絶に苦しんだ白鳥の文学的営為を明らかにする。
田山花袋 作品の形成
小堀洋平[著]
A5判上製・210頁・2800円+税
ISBN978-4-87737-419-8(18・2)
1890年代初頭の出発期から『時は過ぎゆく』(1916)にいたる田山花袋の重要作品について、 海外文学の受容と執筆過程の実態を検証する ことにより、その文学的営為の内実を解明する
The Golden Age
黄金時代
ケネス・グレアム Kenneth Grahame
三宅興子 松下宏子[編訳]
四六判上製・336頁・2800円+税
SBN978-4-87737-416-7(18・1)
本書は、一八九五年に出版されたケネス・グレアムの短編集『黄金時代』The Golden Ageの全訳に、作品の解題、訳註、年譜を加えて構成されています。
『黄金時代』の短編は、「序章 おとなはみんなオリンピアン」が一八九一年に発表され、その好評を受けて、雑誌に掲載された十七編(一八九三年六編、九四年七編、九五年四編)を集めたものです。雑誌の読者はおとなであり、フィクションなのですが、語り手「ぼく」が、兄姉妹弟の真ん中のこどもに設定されており、日々の暮らしや遊びや冒険を通して、見たこと、感じたことを率直に語っていますので、グレアムの自伝に近い作品として読むことができます。グレアムが描いた子どもの本音トークの物語は、ヴィクトリア朝末期のベストセラーになりました。
当時、グレアムは三十歳代で、イングランド銀行に勤務していましたが、余暇に作品を書き始め、バークシャー州クッカム・ディーンの祖母の元で送った自身の幼年時代へと退行してこうした短編を書き綴ることで、独自の世界を構築していったと思われます。
文芸雑誌『若草』
私たちは文芸を愛好している
小平麻衣子[編]
A5判並製・360頁・3600円+税
ISBN978-4-87737-418-1(18・1)
序章
文芸雑誌『若草』について 小平麻衣子
第一部 作家とメディア
『若草』から林芙美子『放浪記』へ 服部徹也
―初期作品雑誌初出形からの変容
『若草』におけるモダン・ガール サンドラ・シャール
―片岡鉄兵の女性観・恋愛観をめぐって
作家たちの「ポーズ」と読者をめぐる力学 村山龍
『若草』における井伏鱒二 滝口明祥
―「第二義的」な雑誌と作家の関係
第二部 教育装置をめぐる誘惑と抵抗
啓蒙される少女たち 徳永夏子
―『若草』の発展と女性投稿者
『若草』に発表された小説における女性の職業の表象 太田知美
『若草』におけるエキゾチシズム ジェラルド・プルー
―〈南〉の魅惑
教養としての映画
蓮田善明論
戦時下の国文学者と〈知〉の行方
奥山文幸[編]
A5判上製・280頁・3200円+税
ISBN978-4-87737-415-0(17・9)
Ⅰ
独語としての対話 ──『有心』を読む保田與重郎
◆五味渕典嗣
蓮田善明「有心」論
──島尾敏雄「はまべのうた」と比較して
◆浦田義和
蓮田善明における詩と小説 ◆野坂昭雄
Ⅱ
蓮田善明「鴨長明」論 ──中世文学研究の側から
◆中野貴文
蓮田善明と「古事記」
──時代の中の「古事記」・蓮田の中の「古事記」◆五島慶一
蓮田善明と近代天皇
──〈日本文芸学〉との関わりから
◆茂木謙之介
蓮田善明における〈おほやけ〉の精神と宣長学の哲学的発見
──昭和一〇年前後の日本文芸学と京都学派の関わり◆河田和子
Ⅲ
「詩人」と「小説家」の肖像
──保田與重郎と蓮田善明が描く佐藤春夫◆河野龍也
「小説の所在」
──あるいは蓮田善明と川端康成◆原 善
蓮田善明と保田與重郎
──『文芸文化』と『日本浪曼派』の間◆坂元昌樹
雑誌『文芸文化』の昭和一六年
──蓮田善明のなかの三島由紀夫◆奧山文幸
漱石辞典
小森 陽一/飯田 祐子/五味渕 典嗣/佐藤 泉/佐藤 裕子/野網 摩利子[編]
A5判上製・832頁・7800円+税
ISBN978-4-87737-410-5(17・5)
生誕150年 殁後100年 記念出版
本辞典が掲げるすべての項目は、漱石が現実に用いた言葉であり、漱石が確かに実見し、手に取り、触れたことのある書物や芸術作品ばかりである。
◆執筆者298名◆
◆11のカテゴリー◆
人/時代/生活空間/土地/性愛/身体感覚・情緒/思想・思潮/メディア/作品/よむ・みる/文学用語
◆全797項目◆
◆付録◆
漱石略年譜/漱石文学関連地図/漱石初版本/漱石書誌
弱い「内面」の陥穽
芥川龍之介から見た日本近代文学
篠崎美生子[著]
A5判上製・447頁・3800円+税
ISBN978-4-87737-413-6(17・5)
日本近代小説がその原点に抱え込んでいる「弱い内面の平等性の発見」 芥川テクストとその流通のさまをモデルに明らかにする
序章──「弱い内面の発見」と「鼻」
第一部 ◇ 「物語」と〈疎外〉
第一章──「物語」化がもたらす〈疎外〉
「物語」化とジェンダー/「南京の基督」 /「奉教人の死」
第二章──「物語」化へのノイズ
「六の宮の姫君」/「蜃気楼」
第三章──二項対立の「物語」
「羅生門」 /「蜘蛛の糸」/「藪の中」
第二部 ◇ 「物語」とメディア
第四章──借景するテクスト
「枯野抄」 /「内藤丈草」の季節/「開化の殺人」
第五章──「芥川」をつくったメディア
「芸術」をめぐる戦略と自殺/『新潮』の戦略/『大阪毎日新聞』の戦略
第六章──「上海游記」をめぐる時間と空間
『大阪毎日新聞』と「上海游記」/「上海游記」にあり得た可能性
第三部 ◇ 〈疎外〉に抗して
第七章──研究の中の〈疎外〉
「芥川」研究の文法/「私小説」を語る言葉
第八章──行き止まりの装置
「母」を殺す言葉のために/〈娘〉の負い目の物語
終章──「物語」のさらなる破壊へ
狭衣物語 文学の斜行
井上 眞弓 [編]
A4判上製・352頁・7000円+税
ISBN978-4-87737-414-3(17・5)
文学史的縦の観点
特別寄稿論文
能〈狭衣〉小考―能劇としての可能性 田村良平(村上湛)
同時代的横の観点を超えて「斜行」という批評的視座から平安後期物語を読む
Ⅰ 内なる斜行
書き付けから始まる恋―『狭衣物語』中将妹君の登場を読む 井上眞弓
性空上人と『狭衣物語』―聖たちの時空を〈斜行〉する狭衣 井上新子
〈斜行〉する狭衣の生―狭衣の内面と「世」のかかわりから 水野雄太
『狭衣物語』諸本を〈斜行〉する古歌―「あな恋し」歌の引用をめぐって 萩野敦子
「斜行」する「形見」たち 野村倫子
結ぼほる大君―『夜の寝覚』の斜行するまなざしをめぐって 三村友希
『狭衣物語』を斜行する者―大弐の乳母をめぐって 千野裕子
Ⅱ 関係性の斜行
『夜の寝覚』―斜行する〈源氏〉の物語 乾澄子
『夜の寝覚』の寒暖語と〈風〉―物語展開における働き 山際咲清香
『いはでしのぶ』における『狭衣物語』享受―邸宅の名称から 勝亦志織
『木幡の時雨』継子いじめからの《斜行》―母娘・姉妹の物語へ 伊達舞
『恋路ゆかしき大将』における法輪寺―文学作品に見えるイメージの斜行 横山恵理
英訳された『とりかへばや』―〈斜行〉する『とりかへばや』の世界 片山ふゆき
明治二十年代 透谷・一葉・露伴
日本近代文学成立期における〈政治的主題〉
関谷 博[著]
A5判上製・292頁・3800円+税
ISBN978-4-87737-411-2(17・3)
透谷・一葉・露伴を統一的に論ずる
理論的な枠組みを提示することで、
明治二十年代の日本社会が直面していた
〈政治的主題〉の本質を明らかにする
1 〈政治小説〉のゆくえ─『京わらんべ』から『浮雲』
北村透谷
明治浪漫主義
2 透谷と運動会─自由民権少年
3 『厭世詩家と女性』─「小児」性について
4 『伽羅枕及び新葉末集』─自由について
5 『我牢獄』の両義性─解放/閉塞
樋口一葉
6 一葉初期作品と『風流仏』・『風流悟』
7 『にごりえ』と『風流微塵蔵』─女の手紙
8 『たけくらべ』と『風流微塵蔵』─子どもたちの時間?
幸田露伴
9 露伴にとって小説とは何だったか
10 露伴小説における悟達と情念─『封じ文』から
11 幸田家の明治維新
12 『雪紛々』について
13 向島蝸牛庵─中川のほとりで
露伴と大震災
万葉歌の環境と発想
日本大学通信教育部叢書
近藤健史[著]
A5判上製・560頁・12000円+税
SBN978-4-87737-412-9(17・3)
Ⅰ 古代的思考
「字」の諸相─万葉人の呼び名をめぐる環境
「七」のシンボリズム─古代文学における境界的意味
「青」のシンボリズム
境界領域と樹木「松」
境界領域と植物「馬酔木」
聖なる樹下
海人の呼び声
「類」の思考
立ち嘆く
Ⅱ 挽歌の諸相と発想
万葉集における挽歌
有間皇子自傷歌
二上山の基層
大津皇子と二上山
島の宮と真弓の岡
大伴旅人の亡妻挽歌
挽歌的表現「荒る」
Ⅲ 遣新羅使歌の環境と発想
悲別贈答歌の発想
冒頭贈答歌の環境
長門の浦船出歌群
麻里布の浦歌群・竹敷の浦歌群
大島の鳴門歌群の作歌事情
Ⅳ 天平の庭園と宴席
天平万葉の発想基盤
山斎と呼ばれる庭園
山斎の宴
田辺福麻呂歓迎の宴
越中国二つの景の基層
来鳴かぬほととぎす
葛井連広成家集宴歌
谷崎潤一郎読本
五味渕典嗣・日高佳紀[編]
A5カバー装・356頁・3200円+税
ISBN978-4-87737-408-2(16・12)
あなたの知らない「谷崎」が、ここにいる。
「谷崎潤一郎全作品事典」を含む、21世紀の文学入門。
テクスト、メディア、文化と芸術、研究の現在とキーワード
複数の視点から気鋭の研究者たちが挑む──。
不世出の文豪が開いた、豊饒なる文学世界の見取り図。
座談会──複数の「谷崎」をめぐって
明里千章、千葉俊二、西野厚志、細江光、五味渕典嗣、日高佳紀
Ⅰ──小説機械、谷崎潤一郎
千葉俊二/大浦康介/飯田祐子/五味渕典嗣/日高佳紀
Ⅱ──谷崎をめぐるメディア・イメージ
徳永夏子/篠崎美生子/平野芳信/山本亮介/笹尾佳代/安藤徹/井原あや/杉山欣也
Ⅲ──接続するテクスト
城殿智行/木股知史/真銅正宏/中村ともえ/石川巧
Ⅳ──谷崎テクストの現在地
金子明雄/生方智子/岩川ありさ/森岡卓司/榊原理智/西村将洋/坪井秀人/瀬崎圭二/牧義之/西野厚志
Ⅴ──データ室・谷崎潤一郎全作品事典
溶解する文学研究
島崎藤村と〈学問史〉
中山弘明[著]
A5判上製・352頁・3600円
ISBN978-4-87737-407-5 C0093 (16・12)
文学研究が揺らぐ現在、〈学問史〉という新視点から島崎藤村を照射する著書
近代文学の中核として存在してきた島崎藤村。そのテクストを、流動化しつつある文学研究の原点を再考する〈学問史〉と〈リテラシー〉の視点から精緻に捉える。
文学研究と時代の関わりを常に精査する著者の、「第一次大戦」と「戦間期」の論考に続く三部作の完結編。
序 論 〈学問史〉としての文学史
第一部 〈学問史〉と藤村言説
第一章 〈藤村記念堂〉というフォルム─谷口吉郎の建築と意匠
第二章 丸山静の藤村論─「国民文学」論と〈学問史〉
第三章 〈底辺〉から歴史を見る─田村栄一郎の『夜明け前』批判
第四章 三好行雄と〈学問史〉 ─アカデミズムと「国民文学」論
第二部 初期藤村とリテラシー
第五章 『若菜集』の受容圏─〈藤村調〉とリテラシー
第六章 〈小諸〉という場所─島崎藤村における金銭と言説
第七章 神津猛のパトロネージ─〈小説〉の資本論
第八章 「水彩画家」の光彩─〈ローカル・カラー〉論
第九章 〈談話〉の中の暴力─『破戒』論
第十章 『千曲川のスケツチ』の読者─『中学世界』とリテラシー
第三部 〈血統〉の解体
第十一章 『春』の叙述─〈透谷全集〉という鏡
第十二章 『家』の視角─〈家業〉と〈事業〉
第十三章 血統の神話─『家』のエイズ論
第十四章 『新生』における〈読み書きの〉─手紙と短歌
第十五章 方法としての〈老い〉─「嵐」の戦略
馬琴
小説研究
葛綿正一[著]
A5判上製・472頁・12000円
ISBN978-4-87737-405-1 C3093 (16・12)
長編読本『椿説弓張月』、『朝夷巡嶋記』、『近世説美少年録』、『開巻驚奇侠客伝』、『南総里見八犬伝』を論じる。
都賀庭鐘、上田秋成、曲亭馬琴の読本を出典論から解放し、小説として読む試み。
第一部
神話と小説
馬琴の五大読本を中心に
Ⅰ 椿説弓張月を読む─言葉の張力
Ⅱ 朝夷巡嶋記を読む─背の巡歴
Ⅲ 近世説美少年録を読む─火・卵・石
Ⅳ 開巻驚奇侠客伝を読む ─髑髏と飛行
Ⅴ 南総里見八犬伝を読む ─怨霊・仮装・王権
第二部
庭鐘、秋成、馬琴
近世小説史の試み
Ⅰ 上田秋成論─攻撃と待機
Ⅱ 都賀庭鐘論─気象・地形・亡命
Ⅲ 三七全伝南柯夢・占夢南柯後記・青砥藤綱摸綾案を読む ─盲目・接木・裁判
Ⅳ 旬殿実実記・松浦佐用媛石魂録・糸桜春蝶奇縁を読む─心猿・片目・双子
Ⅴ 馬琴の中編読本を読む─背の署名
Ⅵ 傾城水滸伝を読む─馬琴の小説手法
昭和前期女性文学論
新・フェミニズム批評の会
A5判上製・521頁・4200円
ISBN978-4-87737-401-3(16・11)
森三千代❖田村俊子❖大田洋子❖阿部静枝❖野上弥生子❖真杉静枝❖岡田禎子
中河幹子❖辻村もと子❖原阿佐緒❖大谷藤子❖吉屋信子❖網野菊❖矢田津世子
斎宮の文学史
本橋裕美[著]
A5判上製・528頁・9800円+税
ISBN978-4-87737-402-0(16・10)
第一章 『伊勢物語』狩の使章段と日本武尊
第二章 『大和物語』の斎宮と『うつほ物語』
第三章 光源氏の流離と伊勢空間
第四章 六条御息所を支える「虚構」
第五章 「別れ路に添へし小櫛」が繋ぐもの
第六章 『源氏物語』絵合巻の政治力学
第七章 『源氏物語』における春秋優劣論の展開
第八章 『源氏物語』冷泉朝中宮の二面性
第九章 冷泉朝の終焉
第十章 神さぶ櫛のゆくえ
第二部─────────
第十一章 『夜の寝覚』における前斎宮の役割
第十二章 『狭衣物語』女三の宮の位置づけをめぐって
第十三章 散逸物語としての『大津皇子物語』
第十四章 『浅茅が露』の始発部をめぐって
第十五章 『海人の刈藻』における姉妹の論理と皇女たち
第十六章 『恋路ゆかしき大将』における斎宮像
第十七章 〈斎宮経験〉の視点から見る 『我が身にたどる姫君』の前斎宮
第十八章 『更級日記』 の斎宮と天照御神信仰
第十九章 文学サロンとしての斎宮空間
第二十章 反復される斎宮と密通の語り
終章 物語史の斎宮をめぐって
中島敦と〈南洋〉
同時代〈南洋〉表象とテクスト生成過程から
杉岡歩美[著]
A5判上製・212頁・2800円
ISBN978-4-87737-406-8(16・3)
戦時下、〈日本〉の委任統治領であった〈南洋〉に訪れた作家、中島敦。
ゴーギャンに倣い〈未開〉への憧憬を持った彼が〈南洋〉で得たのは何か。
中島敦の軌跡を辿る
実際は、何時何処にゐたつてお前はお前なのだ。銀杏の葉の散る神宮外苑をうそ寒く歩いていた時も、島民どもと石焼のパンの実にむしやぶりついてゐる時も、お前はいつもお前だ。少 しも変りはせぬ。ただ、陽光と熱風とが一時的な厚い面被を一寸お前の意識の上にかぶせてゐるだけだ。──────────(「真昼」)
源氏物語の皇統と論理
浅尾広良[著]
A5判上製・456頁・8800円+税
ISBN978-4-87737-400-6(16・10)
序章 皇統の歴史と物語の論理
Ⅰ 桐壺帝御代の特質
1 女御・更衣と賜姓源氏─桐壺巻の歴史意識
2 后腹内親王藤壺の入内─皇統の血の尊貴性と「妃の宮」
3 桐壺皇統の始まり─后腹内親王の入内と降嫁
4 光源氏の元服─「十二歳」元服を基点とした物語の視界
Ⅱ 桐壺帝御代から朱雀帝御代へ
1 藤壺立后から冷泉立太子への理路
2 宮廷詩宴としての花宴─花宴巻「桜の宴」攷
3 踏歌後宴の弓の結─花宴巻「藤の宴」攷
Ⅲ 朱雀帝御代の特質
1 朱雀帝御代の始まり─葵巻前の空白の時間と五壇の御修法
2 朱雀帝御代の斎宮・斎院
3 桐壺院追善の法華八講
4 朱雀帝御代の天変─仁王会・雷・物の怪から
Ⅳ 冷泉帝御代の特質
1 少女巻の朱雀院行幸
2 国冬本少女巻朱雀院行幸の独自異文
3 結集と予祝の男踏歌─聖武朝から『源氏物語』への視界
Ⅴ 源氏物語と史書
1 紫式部と『日本紀』─呼び起こされる歴史意識
文学で考える
〈仕事〉の百年
飯田祐子/日高佳紀/日比嘉高[編]
A5判上製・204頁・1900円+税
ISBN978-4-87737-404-4(16・10)
文学で考える
〈日本〉とは何か
飯田祐子/日高佳紀/日比嘉高[編]
A5判上製・200頁・1900円+税
ISBN978-4-87737-403-7(16・10)
文化における〈風景〉
宮城学院女子大学人文社会科学研究所[編]
A5判上製本・259頁・3600円+税
ISBN978-4-87737-398-6(16・7)
〈風景〉という窓を通して、我々は世界をどのように見ているのか
人文地理学、西洋美術史、フランス政治史、東洋史、日本服飾史、日本近代文学
それぞれの窓を介して〈風景〉の表情を探求する。
Ⅰ─景観論から見る沖縄風景の解釈 ◆ 土屋純
Ⅱ─イタリア・ルネサンスにおける風景画の一側面 ローマの風景壁画を中心に ◆ 森雅彦
Ⅲ─坂本繁二郎のフランス体験と「雲」のある風景 ◆ 今林直樹
Ⅳ─中国は山水画に何を求めたのか 「気韻」と写実性を中心に ◆ 小羽田誠治
Ⅴ─「装い」の中の「風景」、「風景」の中の「装い」 江戸名所景物としての「都鳥」意匠の位置 ◆ 大久保尚子
Ⅵ─暮鳥の≪青空≫ 風景の中の詩人 ◆ 九里順子
鏡花水月抄
久保田 淳[著]
A5判上製本・280頁・3200円+税
ISBN978-4-87737-399-3(16・7)
「お千は社会ではもっとも賤しめられている女性です。だけど宗吉にとってはやさしいお姉さんであり、慈しみ深い母なんですね。ここでは聖と賤とが一致している」(『売色鴨南蛮』)。───世界のどこにも魔界を見出しえた作家泉鏡花の、名作『歌行燈』をはじめとするおびただしい数の作品について、多彩な引用を分析し、表現の機微を探りつつ、その文学における自然や都市、ひたむきに生きる女や男の姿を考察した論考・講演・エッセイの集成。
ともきたる
空谷跫音録 (くうこくきょうおんろく)
森忠明[著]
四六判並製本・208頁・2400円+税
ISBN978-4-87737-397-9(16・6)
東京最西端の寂しい谷間で、コンビニの百円コーヒーをすすりながら、独り昔を想っていると、今は感謝するほかない多くの師友の姿が、それぞれの足音とともに近づいて来る。かれらは、けっして過去の存在なのではなく、妄想なきリアルな未来のための直言を手みやげにしているのだった。
ゆえに、書名を『ともきたる─空谷跫音録』とし、奇特な我が読者に、手みやげのおすそ分けをしようと考えたのである。
堤中納言物語の
言語空間
織りなされる言葉と時代
井上新子[著]
A5判上製・488頁・12000円+税
ISBN978-4-87737-396-2 C3093(16・5)
王朝物語群の中で特異な光を放つ『堤中納言物語』。
物語から、和歌から、時代から、その魅力の機構に迫る
天喜三年の「物語合」に関する論考もあわせて収載。
Ⅰ 物語文学史の変容
第一章 「人に『すみつく』かほのけしきは」…平中の妻と『はいずみ』の女
第二章 『はいずみ』の散文世界…二人妻説話の変質
第三章 『このついで』の美的世界…部分映像の交錯と重層化
第四章 『花桜折る少将』の語りと引用…物語にみる〈幻想〉
第五章 『貝合』の〈メルヘン〉…〈無化〉される好色性
第六章 「虫めづる姫君」と女人罪障観
第七章 「虫めづる姫君」の変貌…抑制される女の言論と羞恥の伝統をめぐって
Ⅱ 物語の形象と詩歌
第一章 『ほどほどの懸想』と「摽有梅」
第二章 『花桜折る少将』の「桜」…詩歌の発想と物語の結構
第三章 『逢坂越えぬ権中納言』題号考
…「安積の沼」と「淀野」をめぐって
第四章 場の文学としての『思はぬ方にとまりする少将』 …平安後期短編物語論
第五章 『よしなしごと』の〈聖〉と〈俗〉
Ⅲ 歴史と物語の往還
第一章 『はなだの女御』の執筆意図…敗者へのまなざし
第二章 『はなだの女御』と一条朝…花の喩えとモデルとの連関
第三章 〈賀の物語〉の出現…『逢坂越えぬ権中納言』と藤原頼通の周辺
第四章 天喜三年「物語合」提出作品の一傾向…頼通の時代の反映
第五章 『逢坂越えぬ権中納言』と歌合の空間
第六章 天喜三年の「物語歌合」と「物語合」
Ⅳ 集としての『堤中納言物語』
第一章 「冬ごもる」断章の表現史的位置
第二章 「冬ごもる」断章と『堤中納言物語』…四季の「月」と『狭衣物語』の影
第三章 『堤中納言物語』所収作品の享受
恋する人文学
知をひらく22の扉
二松學舍大学文学部国文学科[編]
A5判並製・328頁・1800円+税
ISBN978-4-87737-393-1 C0093(16・3)
『伊勢物語』が示す恋愛のモデルコースとは? 藤原定家はなぜ女性のふりをして恋歌を詠んだのか? 落語に純愛ものが少ないのはなぜ? 近世と近代の三角関係はどう違うのか? 『世界の中心で、愛を叫ぶ』で傷心の主人公が旅に出るわけは? 柳田民俗学の出発点は恋愛だった? 「仏の愛情にすがる」という表現はなぜおかしい?……。恋愛をめぐるさまざまな謎に二松学舎大学国文学科の教員たちが挑み、解き明かす。人文学の魅力、学問の面白さを発見させる新しい形の入門書。
谷崎潤一郎と芥川龍之介
「表現」の時代
田鎖数馬[著]
A5判上製・309頁・3600円
ISBN978-4-87737-395-5 C0093(16・3)
明治末期から大正期にかけて一般に定着し始めた
「表現」という言葉は、谷崎と芥川の文学を深く結び付けていく。
これまで知られてこなかった、
谷崎と芥川の「表現」をめぐる共鳴と
対立のドラマを丹念に辿り、
両者の密接な影響関係を軸に、両者の文学を読み解く。
第1章 谷崎と芥川の芸術観―「小説の筋」論争の底流
第2章 谷崎「刺青」の世界
第3章 谷崎「愛すればこそ」の構造
第4章 芥川「奉教人の死」の方法
第5章 芥川文学の変容
第6章 芥川と「詩的精神」
第7章 芥川の死と谷崎
補 論 谷崎と孝子説話
異国の地にて
傅瑩元大使講演録
傅 瑩 Fu Ying[著]
張 利利 Zhang Lili[訳]
A5判並製・552頁・3800円
ISBN978-4-87737-394-8 C0030(16・3)
中国の元英国大使の講演を英文・中文・日本語で収録。難しい国際状況の中で、ユーモアの精神を持ちつつ中国の現状と国際的立場を訴え続けた、その講演集。
──────
傅瑩大使は長年にわたり全世界に対し中国の紹介に力を尽してきており、全世界に対し中国の扉を開いてきたのである。彼女は積極的に他国との交流を行い、他国に学び、他国もまた中国から有益な多くのものを得られることを明らかに認識している。
イギリス前首相◆トニー・ブレア
反復/変形の諸相
澁澤龍彥と近現代小説
安西晋二[著]
A5判上製・333頁・3800円
ISBN978-4-87737-392-4 C0093(16・2)
翻案・引用を端緒に、
そこで形成されるパロディとしての構造を見据え、
典拠が、読み換えられ、書き換えられていった
複雑な経路を丹念に往還する試み。
❖序章❖反復/変形
翻案・引用、方法としてのパロディ
❖第一部❖澁澤龍彥の方法
1.パロディとしての自意識…「撲滅の賦」における反復/変形の構造 2.〈猥褻〉をめぐる闘争…サド裁判と四畳半襖の下張裁判と 3.澁澤龍彥の見たサド裁判…自己戯画というパロディ 4.『唐草物語』の方法…作家・澁澤龍彥の〈私〉 5.反復/変形される〈史実〉…「ねむり姫」の虚構性
❖第二部❖典拠の利用とその諸相
6.反復/変形の戦略性…芥川龍之介「六の宮の姫君」の方法から 7.習作期の中村真一郎…「和泉橋にて」の創作意識 8.パロディ化される文学史…太宰治「女の決闘」の起点 9.文学史叙述の可能性…太宰治「女の決闘」研究史を読み直す 10.「饒舌」と「説話」…昭和一〇年代における〈私〉の一側面 11.〈歴史〉を語る方法論…石川淳「諸國畸人傳」への視角 12.石川淳「修羅」を統べる〈ヒメ〉…〈歴史〉を改変するための力学 13.パロディを要請する志向…三島由紀夫「橋づくし」のエピグラフ 14.「わたし」をめぐる物語の変容…川上弘美「神様」と「神様 2011」
❖第三部❖変奏される〈音楽〉
15.書き記された〈音楽〉…永井荷風「新帰朝者日記」と洋楽受容 16.〈内部〉と交響する主題…福永武彦「私の内なる音楽」の批評性 17.吉田秀和と永井荷風との交差…「音楽的文明論」を手がかりとして
❖終章❖結論と課題
川端康成
無常と美
藤尾健剛[著]
四六判・231頁・2800円
ISBN978-4-87737-388-7 (15・11)
「伊豆の踊子」から『たんぽぽ』に至る代表作十篇を独自の観点から解釈し、かつ川端文学を特徴づける「魔界」概念の成立背景や意義を考察する。
第一章 「伊豆の踊子」
―「孤児根性」から脱却するとはどういうことか
第二章 「禽獣」の花嫁 ―動物・死者・仏
第三章 変幻する『雪国』 ―メタファーと写像
第四章 『舞姫』の「魔界」 ―戦後社会批判
第五章 『千羽鶴』の茶道批判
第六章 『山の音』の伝統継承
―死の受容と生命の解放
第七章 『みづうみ』の「魔界」
―無常への抵抗とその帰結
第八章 『眠れる美女』 ―母性と救済
第九章 「片腕」の寓意 ―永遠の独身者
第十章 『たんぽぽ』の「魔界」
―日本の歴史継承批判
終章 「魔界」と芸術
21世紀の三島由紀夫
有元伸子・久保田裕子[編]
A5判上・320頁・3200円
ISBN978-4-87737-391-7 C0093(15・11)
生誕90年、没後45年
三島由紀夫という〈総合的文化現象〉が、どのように同時代の言説や文化・社会状況と接合していったかという視点から、没後45年間にわたる三島由紀夫の多面的な活動の広がりと深みを考察。
今、三島を読むことにはどのような意味があり、どのような可能性を拓いていくことができるのか。
三島文学の新たな可能性を探る。
エッセイ────────
坂東玉三郎/生田大和/宮沢章夫/田尻芳樹/福田大輔/キース・ヴィンセント/ナムティップ・メータセート/藤田三男
インタビュー───────
宮本亜門
Ⅰ 三島由紀夫 作品の世界─────
杉山欣也/金井景子/松本常彦/松本徹/中村三春/田中美代子/宮内淳子/柳瀬善治
Ⅱ 三島由紀夫 作品へのアプローチ───
井上隆史/佐藤秀明/柴田勝二/久保田裕子/梶尾文武/有元伸子/山中剛史
Ⅲ 三島由紀夫 作品を読むための事典──
「死」の文学、「死者」の書法
椎名麟三・大岡昇平の「戦後」
立尾真士[著]
A5判・319頁・4200円
ISBN978-4-87737-390-0 0093 (15・10)
椎名麟三と大岡昇平それぞれの文学テクストにおける「死」および「死者」の表象を分析し、そのありようが「戦後」の文学にいかなる問題を提起し、あるいは可能性をもたらしたかを探る───。
序章 「戦後文学」の思考/志向
第一部
「死」の文学――椎名麟三論
第一章 「死」と「庶民」
――椎名麟三「深夜の酒宴」論
第二章 「死」と「危急」
――椎名麟三『赤い孤独者』論
第三章 回帰する「恐怖」
――椎名麟三『邂逅』論
第四章 「庶民」と「大衆」
――椎名麟三と映画
第五章 「自由」と表象
――椎名麟三『自由の彼方で』と『私の聖書物語』
第六章 「ほんとう」の分裂
――椎名麟三『美しい女』と「戦後」の文学
第二部
「死者」の書法――大岡昇平論
第七章 大岡昇平とスタンダール
――ベルクソン・ブハーリンを軸として
第八章 増殖する「真実」
――大岡昇平『俘虜記』論
第九章 「二十世紀」の「悲劇」
――大岡昇平『武蔵野夫人』論
第十章 「死者は生きている」
――大岡昇平『野火』論
第十一章 「亡霊」の「戦後」
――大岡昇平「ハムレット日記」論
第十二章 「死者」は遍在する
――大岡昇平と「戦後」
終章 「責任」と主体
――「戦争責任」論と椎名麟三・大岡昇平
太宰治
調律された文学
大國眞希[著]
A5判・224頁・2800円
ISBN978-4-87737-386-3 C0093 (15・10)
〈音〉に耳をすましながら太宰作品を構築する
言の葉の繁みに入り込み、いかに太宰作品が調律されているか、太宰の小説空間にいかに〈音〉が響くのか、その重層性、音響について明らかにする。
序…太宰文学におけるスペクトル
I 声と色彩
《幽かな声》と《震へ》─「きりぎりす」
水中のミュートとブレス─「秋風記」
II 信仰と音
小説に倍音はいかに響くか、言葉はいかに生成するか─「I can speak」
《鳥の聲》と銀貨─「駈込み訴へ」
「斜陽」と生成と海─「斜陽」
III 瞳が構成するもの
《象徴形式》としての能舞台─「薄明」
ロマンスが破壊されても美は成立するか?
─「雪の夜の話」
IV 水に沈む主体と
映し出される青空
天国と地獄の接合点─「道化の華」
生贄を求めて、ぽっかり口を開ける〈作家〉
─「断崖の錯覚」
失われた首を求めて─「左大臣実朝」
結…太宰文学と〈音〉
水、鏡、音の変奏─「ダス・ゲマイネ」から
月光と水底と声
幻想のモナドロジー
日本近代文学試論
奥山文幸[著]
四六判・319頁・3200円
ISBN978-4-87737-387-0C0093 (15・9
本書で使われる用語、モナド、イメージ、アレゴリー、パラタクシスなどは、すべて相互に連関する星座系のひとつである。この星座系へのまなざしのもとになっているのは、私の場合、W・ベンヤミンの『パサージュ論』である。結果として、本書では、視覚のみならず、聴覚、嗅覚、触覚(皮膚感覚)が織りなす文学空間へのまなざしが機能している。
Ⅰ
1、「水仙月の四日」論――吹雪のモナド
2、「風の又三郎」論――風と馬のイメージ
3、「招魂祭一景」論――娘曲馬のエロス
4、坂口安吾「白痴」論――聴覚空間のアレゴリー劇
5、坂口安吾の歴史観・序説――パラタクシスという方法
6、橋と言霊――保田與重郎「日本の橋」をめぐって
7、保田與重郎と十五年戦争――内なる言霊、外なる戦争
8、蓮田善明の昭和一六年――「鴨長明」を中心に
9、三島由紀夫「憂国」論――エロスのモナド
10、村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』論――固有名の行方
Ⅱ
1、教材「舞姫」の誕生
2、教材「走れメロス」の誕生
3、宮沢賢治と熊本
近代小説(ノベル)という問い
日本近代文学の成立期をめぐって
富塚昌輝[著]
A5判・320頁・3800円
ISBN978-4-87737-389-4 0093 (15・9)
明治二十年前後、小説は知を意識しはじめた。
近代小説の始発期について、小説と学問との関係という視座から考察する。
序論 〈近代小説〉の成立
―学問との関係を視座として―
第一部 小説と学問との交渉
第一章 顔と小説(ノベル)
―坪内逍遙『一読三歎当世書生気質』論―
第二章 〈批評〉の水脈
―石橋忍月初期作品を起点として… 38
第三章 『出版月評』の〈批評〉論
―「書籍ノ品質」が切り出されるまで―
第四章 小説と〈批評〉
―『出版月評』・『穎才新誌』と
『しがらみ草紙』―
第二部 制度に挑戦する小説
第五章 学問を批判する小説
―二葉亭四迷『新編浮雲』論―
第六章 思想としての木版和装本
―「新作十二番」『此ぬし』の戦略―
第七章 〈神経病〉の文学誌
―樋口一葉「われから」論―
第八章 展示と観覧の間
―「カーライル博物館」論―
平林たい子
社会主義と女性をめぐる表象
グプタ スウィーティ[著]
A5判・173頁・2800円
ISBN978-4-87737-385-6 C0093 (15・9)
平林たい子 生誕110年
女工、農婦、職業婦人、女性社会運動家、社会運動家の妻、主婦、病人など、さまざまな女性表象に着目して女性像の多面性を探り、社会主義思想の転換による人間表象の変化にも言及し、たい子文学の新たな側面を発掘する。
第一部 社会問題への目覚め
第一章 『殴る』—闘う女の苦しみ—
第二章 『荷車』—辛抱する女から復讐する女へ—
第二部 社会運動内部での葛藤
第一章 『非幹部派の日記』—女性社会運動家の成長—
第二章 『その人と妻』—社会運動家の妻の悩み—
第三部 社会運動内部にみる問題点と可能性
第一章 『プロレタリヤの星—悲しき愛情』
—社会運動の陥穽—
第二章 『プロレタリヤの女』—社会運動の可能性—
第四部 社会主義からの越境
第一章 『かういふ女』に見る人間表象の転換
—「私」の〈多面性〉—
第二章 『私は生きる』—「私」の〈涙〉—
文学の力とは何か
漱石・透谷・賢治ほかにふれつつ
佐藤泰正[著]
A5判・880頁・3800円
ISBN978-4-87737-384-9(15・6)
漱石における〈文学の力〉とは何か
宮沢賢治の生涯を貫く闘いは何であったのか
〈文学の力〉の何たるかを示すものは誰か
漱石『夢十夜』探索
闇に浮かぶ道標
清水孝純[著]
四六判・240頁・3000円
ISBN978-4-87737-383-2(15・5)
謎に満ちた『夢十夜』の神秘と混沌を感触を手掛かりに解読する
第一夜 眸から宇宙という眸
第二夜 知の栄光と悲惨
第三夜 逆行する時空
第四夜 剽軽な道士の道行き
第五夜 夢という自在な時空
第六夜 木の中に埋まっている仁王像
第七夜 死の疑似体験としての夢
第八夜 分断された映像の行列
第九夜 闇からのメッセージ
第十夜 寓話として読んでみる
中世文学で読む鎌倉
小井土守敏[編]
A5判・112頁・1500円
ISBN978-4-87737-382-5(15・3)
鎌倉の発展及びその主要人物の著名な事跡を、文学作品の中から選び、時間軸・人物別に収める。
徒然草・十六夜日記・とはずがたり・金槐和歌集・太平記・増鏡・謡曲等
「草の花」の成立
福永武彦の履歴
田口耕平[著]
四六判上製本・231頁・2800円+税
ISBN978-4-87737-381-1(15・3)
こんな新鮮な読みがあったか!
福永武彦が隠すふりをしながら実は言おうとしていたことを解き明かす。
テクストの陰の部分に光を当て、作品の意味を反転させる。
これはスリリングである。(池澤夏樹)
序 田口耕平氏の方法 神谷忠孝
*
「幼年」論―母の系譜
「河」論―父の系譜 35
「草の花」の成立―福永武彦の履歴
第1章 「第一の手帳」の成立
第2章 「第二の手帳」の成立
第3章 「冬」「春」の成立
「夢の輪」論―「寂代」と「帯広」
封印と暗号―最後の小説「海からの声」へ
インタビュー実践!
初年次セミナー 学習ワークブック
レポート・プレゼン・就業力
亜細亜大学経営学部[編]
B5判並製本・96頁・1500円+税
ISBN978-4-87737-379-5(15・3)
第1章 体験から就業力へ─インタビューマニュアル
はじめに
Step1 インタビュー記事を「知る」
Step2 インタビューを「準備する」
Step3 インタビューを「実践する」
Step4 インタビュー記事を「作成する」
Step5 インタビュー実践を「振り返る」
章末資料 依頼状&お礼状のサンプル
第2章 レポート力を鍛える─レポート・マニュアル
はじめに
Step1 はじめにレポートのプラン(設計図)をはっきり示しましょう
Step2 文章のマナーを守りましょう
Step3 調べたことと自分の意見とを、はっきり区別しましょう
Step4 何を、どう書くか?
おわりに
第3章 プレゼン力を養う─プレゼン・マニュアル
はじめに・プレゼンの心得
Step1 プレゼンの準備(1)考えを出し合ってプランを立てる
Step2 プレゼンの準備(2)調査をする
Step3 プレゼンの準備(3)スライドを作成する
Step4 プレゼンの準備(4)原稿の執筆と予行演習をする
Step5 プレゼン本番
Step6 プレゼンを「聴き」、「質問する」
おわりに
巻末資料Ⅰ 「インタビュー実践!」に必要な情報力
巻末資料Ⅱ インタビュー記事の諸例
あとがき 小川直之、清水淳、林千宏
源氏物語の「今」
時間と衣食住の視点から
堀江マサ子[著]
四六判上製本・229頁・3600円+税
ISBN978-4-87737-380-1(15・3)
〈 Ⅰ 〉 物語の過去・現在・未来
1 「いにしへ」を思う夕霧―雲居雁、落葉の宮関係の収束に向けて―
2 八の宮の「亡からむ後」―源氏物語の「~後」という表現―
3 「暇なき」薫―京と宇治往還をめぐって―
4 補完し合う中の君物語の「今」 ―場面を繋ぐ機能として―
5 せめぎ合う浮舟の「今日」―「宇治十帖」時間表現の一手法―
6 切迫する浮舟の「ただ今」―偶然を生きる匂宮との関わり―
〈 Ⅱ 〉 衣食住から見た物語の身体
【衣】
1 「単衣」を「ひきくくむ」落葉の宮―夕霧の衣との比較から―
【食】
2 「物聞こしめさぬ」落葉の宮―婚礼の食を軸として―
3 「物まゐる」浮舟―再生としての食―
【住】
4 板屋と夕顔―その住まいの意味するもの―
5 「中の戸開けて」対面する紫の上―六条院の秩序との関わりにおいて―
横光利一と
「近代の超克」
『旅愁』における建築、科学、植民地
金 泰暻[著]
四六判・232頁・2800円+税
ISBN4-9-87737-378-8(14・12)
可能態としての『旅愁』
建築、科学、植民地をキーワードに
未完の『旅愁』が
われわれに残している可能性を探る
第一部───「建築」をめぐる冒険
第一章 「チロル」は美しいか
第二章 「近代の超克」としての建築
第三章 建築論の修辞学──
「ノートルダム」をめぐって
第二部───『旅愁』を内破する力
第四章 『旅愁』におけるナショナリズム──
「上海」から問う
第五章 可能性としての「朝鮮」──
「光の中に」と『旅愁』に描かれた「南」
第三部───『旅愁』の射程と限界
第六章 『旅愁』改稿の意味
第七章 『旅愁』における科学的言説の射程と限界
むすびにかえて───敗戦後の横光利一文学
びわ湖街道物語
西近江路の自然と歴史を歩く
神尾 登喜子[編]
A5判並製・271頁・1800円+税
ISBN978-4-87737-377-1 (14・11)
はじめに─近江・山と森と水の風土
◉神尾登喜子
湖と山の街道─西近江路・若狭路・朽木街道
◉神尾登喜子
鎮守の森─比叡・比良・西近江路
◉神尾登喜子
西近江路の歴史と物語
◉高橋文二
比叡山の修行─回峰行と葛川明王院
◉横山照泰
近江・朽木─木地師の里と谷筋の道
◉廣川勝美
コラム◉日本のふるさとと朽木・天狗の山里
近江の風光と観光─琵琶湖周遊こころ旅
◉吉見精二
移動する琵琶湖
◉横山卓夫
湖西高島の峠道を歩く
◉草川啓三
テクストの修辞学
西田谷 洋[著]
A5判並製・219頁・2700円+税
ISBN978-4-87737-376-4 (14・10)
I
認知詩学/認知物語論的分析の試み
1 認知物語論の動向
2 詩の隠喩構造
――北村透谷『楚囚之詩』
3 仮想の視線移動
――宮沢賢治「やまなし」
4 反転する語り手の位置
――梶井基次郎「桜の樹の下には」
5 引用と構成
――古井由吉「踊り場参り」
6 コンストラクションと共同体
――梶井基次郎「檸檬」
7 メタフィクションのコンストラクション
――筒井康隆『文学部唯野教授』
*インターミッション 明治文学断章
II
幻想/ジェンダー/地域スタディーズ
1 恋愛とディストピア
――北村透谷「我牢獄」・「星夜」・「宿魂鏡」
2 唄のポリティーク
――泉鏡花「山海評判記」
3 詩の修辞構造
――室生犀星「小景異情」
4 体験/非体験のイメージとジェンダー
――加能作次郎「世の中へ」
5 偉さというアレゴリー
――新美南吉『良寛物語 手毬と鉢の子』
6 感情労働とディスコミュニケーション
――徳田秋声「足袋の底」
7 生の修辞学
――室生犀星『かげろふの日記遺文』
正倉院本王勃詩序訳注
日中文化交流史研究会[編]
A5判上製凾入り・603頁 18000円+税
ISBN978-4-87737-375-7(14・10)
長田夏樹/蔵中進/原田松三郎/髙橋庸一郞/
佐藤晴彦/山川英彦/辻憲男/神野富一
正倉院に伝存する『王勃詩序』一巻は、文学書としても宝物としてもまことに貴重である。若くして文名をうたわれた夭折の詩人王勃の作品は、没後ほどなく『王勃集』にまとめられ、それはわが国にも遣唐使たちによって早くも奈良朝前にもたらされた。その『王勃集』の中に詩序のみを集めた巻があった。正倉院本『王勃詩序』はそれであり、しかもこれは巻末の余白に「慶雲四年(七○七)七月廿六日」と墨書されて古い書写の時が判明する。
この本は若き王勃が都や地方の宴席などの場で折々に成した詩序、計四十一篇を内容とする。その文章は、対句・故事を頻用し、駢文体を用い、華麗で典雅な用語を駆使し、独自の詩的世界を展開している。しかも全篇のうち、約半数(二十一篇)は現行の『王子安集』には見えないもので、この正倉院本のみに伝わる。もってこの本は、王勃や初唐詩史の研究上、極めて高い価値を有するというべきであろう。時代を映して多くの則天文字を含んでいる点も一特色をなす。
また、古くわが国に伝わった『王勃集』は早速当時の文人たちに学ばれ、『懐風藻』の詩文や『万葉集』中の歌文にも少なからぬ影響を与えたことが知られている。現存するこの『王勃詩序』が、日中比較文学研究のためにも重要な文献であること、言を俟たない。
本書は、神戸市外国語大学を拠点とする当研究会が長年取り組んできた、この正倉院本『王勃詩序』の基礎的研究の成果を公刊するものである。各詩序ごとに本文を校訂し、訓読・通釈・語釈をほどこして丁寧な読解を試みた。全篇にわたる訳注は初めてのことである。また、句単位の一字索引を付し、研究の便宜に供した。
岡本かの子
描かれた女たちの実相
近藤 華子[著]
A5判上製・285頁・3200円+税
ISBN4-9-87737-374-0(14・10)
児童文学の愉しみ
20の物語
明治から平成へ
北原泰邦 中野裕子[編]
A5判・240頁・予価2000円
ISBN978-4-87737-368-9 (14・8)
児童文学の豊かな森にふみこもう
20の物語からはじまる児童文学の世界
呉 文聡 八ッ山羊/巌谷小波 桃太郎/国木田独歩 山の力/芥川龍之介 蜘蛛の糸/有島武郎 一房の葡萄/宇野浩二 蕗の下の神様/小川未明 赤い蝋燭と人魚/宮沢賢治 よだかの星/川端康成 級長の探偵/新美南吉 ごん狐/坪田譲治 三本の柿の木/平塚武二 たまむしのずしの物語/佐藤さとる 太一の机/斎藤隆介 一ノ字鬼/那須正幹 The End of the World/森忠明 少年時代の画集/江國香織 草之丞の話/池澤夏樹 十字路に埋まった宝物/工藤直子 ある日、ちび竜が…/木村裕一 あらしのよるに/児童文学の流れ/明治・大正編/昭和・平成編
狭衣物語 文の空間
井上眞弓 乾澄子 鈴木泰恵 萩野敦子[編]
A5判・408頁・7400円
ISBN978-4-87737-372-6 (14・5)
言語空間の多様性に迫る〈文〉人物たちの空間 歌と物語が作る空間 異本の空間 物語が語る空間 背後にある時代・文化の空間
寄稿論文
『狭衣物語』◆神田龍身/『源氏物語歌合』の特質◆渡邉裕美子/『風に紅葉』における〈精進落とし〉の記事をめぐっての断章◆大倉比呂志
I『狭衣物語』の〈文〉
京師三条邸という空白◆井上眞弓/『狭衣物語』の「ふところ」◆高橋裕樹/飛鳥井女君物語の〈文目〉をなす脇役たち◆千野裕子/『狭衣物語』の堀川大殿と嵯峨院◆勝亦志織/〈あや〉なき物語を支える〈文〉としての〈歌物語的方法〉◆萩野敦子
Ⅱ『狭衣物語』の〈文〉を支える和歌・歌ことば女
君の詠歌をめぐって◆乾 澄子/狭衣の〈恋の煙〉◆井上新子/飛鳥井の女君「渡らなむ水増さりなば」をめぐって◆三村友希/『狭衣物語』飛鳥井遺詠の異文表現◆野村倫子/「虫の声々、野もせの心地」の遠景◆須藤 圭
Ⅲ『浜松』『寝覚』『とりかえばや』の〈文〉
『浜松中納言物語』恋の文模様◆鈴木泰恵/『夜の寝覚』における前斎宮の役割◆本橋裕美/『とりかへばや』の女君・宰相中将と宇治の若者◆伊達 舞/『とりかへばや』の宰相中将の恋◆片山ふゆき
枕草子論究
日記回想段の〈現実〉構成
津島知明[編]
A5判・384頁・7400円
ISBN978-4-87737-371-9 (14・5)
未知なる深淵を掘り起こす
こと日記回想段に対しては、我々は「想定されざる」読者であること、決定的なハンディを背負い込むことを覚悟の上で、テキストに這いつくばるべきである。
────本文より
第一部 〈背景〉を迎え撃つ枕草子
序 枕草子「日記回想段」に挑むために
第一章 日記回想段の始発
第二章 〈あの日の未来〉の作り方
第三章 亀裂に巣食う〈花山院〉
第四章 「頭弁」行成、〈彰子立后〉を背負う者
第五章 「頭中将」斉信、〈記憶〉を託された男
第六章 〈大雪〉を描く枕草子
第七章 「内大臣」伊周の〈復権〉
第二部 枕草子、解釈の諸相
第八章 中宮定子の「出家」と身体
第九章 「宮仕え」輝くとき
第十章 〈敦康親王〉の文学史
第十一章 「円形脱毛症」にされた女
第三部 平安文学、享受の諸相
第十二章 〈美人ではない〉清少納言
第十三章 教材「春はあけぼの」とテキストの〈正しさ〉
第十四章 教科書の中の源氏物語
第十五章 源氏物語「帚木三帖」と歌の鉱脈
第十六章 セルフ・ナラティヴとしての仮名日記
谷崎潤一郎
テクスト連関を読む(近刊)
安田 孝[編]
A5判・288頁・2800円
ISBN978-4-87737-367-2 (14・5)
作品からテクストへ
ある作家を特別な存在として個別に扱うのではなく、さまざまなテクストを結びつけるテクスト連関から相対化してとらえる試み。
谷崎潤一郎と木下杢太郎/一幕物の流行した年/谷崎潤一郎と戯曲/女が女を愛するとき/一九二〇年代における哺乳をめぐる一考察/『乱菊物語』の裏表/「細雪」と写真/田辺聖子の戦争と文学/変容するテクスト/変容する書き手 ─『回転木馬のデッド・ヒート』をめぐって─/「琴のそら音」解説/「無名作家の日記」解説/「猿の眼」解説/谷崎潤一郎全作品事典から/安田靫彦をめぐって/「森鴎外と美術」展─近代日本における油彩画の変遷─ /露伴の翻案・翻訳
喪の領域
中上健次・作品研究
浅野 麗[編]
A5判・287頁・2800円
ISBN978-4-87737-365-8 (14・4)
《他者》《共同体》《倫理》といった主題系と深く切り結ぶ中上健次の小説を系譜的に読み解く
第一章《被傷者》の苛立ち「補陀落」、『岬」/第二章 誤読の効能『枯木灘』/第三章《交感》の実践を/として書くこと 『紀州 木の国・根の国物語』/第四章《解放》の論理に根ざす文化の構想『千年の愉楽』/第五章 危機に立つ《小説家》『熊野集』/第六章 死者と共同体 『地の果て 至上の時』/第七章「路地」なき後のアイデンティティ『日輪の翼』/第八章 妄想の反復・亡霊の期待『野生の火炎樹』
源氏物語
煌めくことばの世界
原岡文子・河添房江[編]
A5判・653頁・9800円
ISBN978-4-87737-370-2(14・4)
序論
『源氏物語 煌めくことばの世界』への誘い 原岡文子
Ⅰ『源氏物語』、ことばへの展望
源氏物語のことば 中川正美
「ことば」の秩序から見た女たち 近藤みゆき/『源氏物語』の「鼻をかむ」、「鼻声」、「鼻すすり」 鈴木貴子/『源氏物語』の会話文 池田節子/『源氏物語』の構成原理 高木和子/「出居」考 相馬知奈
Ⅱ『源氏物語』と和歌のことば
選ばれた返歌のことば 高野晴代/源氏物語の賀茂祭と恋歌 谷 知子/薫の独詠歌について 鈴木宏子/水辺の浮舟 三村友希
Ⅲ『源氏物語』、正編から続編へ
末摘花巻のことば 鈴木裕子/「末摘花」という呼称 鵜飼祐江/藤壺の心とことば 植田恭代/花散里の物語の語るもの 今井久代/光源氏の流離と伊勢空間 本橋裕美/『源氏物語』雲居雁の引き取りとその養育をめぐって 松本美耶/いのちの言葉 久富木原玲/光源氏と女君たちの「つらし」・「心うし」・「うし」 平林優子/源氏物語の音楽 西本香子/「老い」の物語創造へ 吉井美弥子/〈頼み/頼めて〉宇治十帖 井野葉子
Ⅳ『源氏物語』と物語文学のことば
浮舟物語と『竹取物語』引用 橋本ゆかり/二つの物語の「生霊」の生成背景 畑恵里子/『浜松中納言物語』と「ゆかり・形代」 鈴木泰恵/源氏・狭衣それぞれの悲哀 井上眞弓
Ⅴ『源氏物語』と『枕草子』・日記文学のことば
『枕草子』と『源氏物語』の言葉 中島和歌子/わがせしがごとうるはしみせよ 圷美奈子/『源氏物語』と『蜻蛉日記』に於ける改服 川村裕子/『源氏物語』から『更級日記』へ 和田律子/『源氏物語』が『とはずがたり』にもたらしたもの 吉野瑞恵
Ⅵ『源氏物語』と能のことば
能《半蔀》における夕顔表象の方法 斉藤昭子/〈木霊浮船〉試論 倉持長子/源氏能『住吉詣』のドラマトゥルギー 河添房江
芥川龍之介と切支丹物
多声・交差・越境
宮坂 覺[編]
A5判・572頁・8000円
ISBN978-4-87737-369-6(14・4)
芥川龍之介とその文学は、多声(多層)性をもたらし、様々な言語、文化と交差し、様々な領域を越境し続けているのである。
その〈揺蕩い〉に、本書は芥川文学の魅力の原点を見る
Wuthenow, Asa-Bettina/足立 直子/有光 隆司/安藤 公美/伊藤 一郎/乾 英治郎/海老井 英次/遠藤 祐/王 書瑋/太田 真理/奥野 久美子/奥野 政元/小澤 純/郭 勇/影山 恒男/神田 由美子/菊地 弘/小谷 瑛輔/五島 慶一/小林 幸夫/佐藤 泰正/澤西 祐典/Jay Rubin/篠崎 美生子/嶌田 明子/清水 康次/庄司 達也/秦 剛/関 祐理/関口 安義/戴 煥/高橋 修/髙橋 龍夫/髙橋 博史/田村 修一/千葉 俊二/曺 紗玉/Teresa Ciapparoni /La Rocca/東郷 克美/長濵 拓磨/西山 康一/河 泰厚/早澤 正人/馮 海鷹/平岡 敏夫/藤井 貴志/彭 春陽/細川 正義/Massimiliano Tomasi/松本 常彦/宮坂 覺/林 水福
出発期の堀辰雄と海外文学
「ロマン」を書く作家の誕生
宮坂康一[著]
A5判・237頁・2800円
ISBN978-4-87737-366-5 (14・3)
コクトオ プルウスト ジイド ラジゲ
堀辰雄の主要作品と海外文学の連関に、初期作品における海外文学受容はいかなる影響を及ぼしたか。
第一部
第一章 大正末から昭和初期のわが国におけるコクトオ受容と堀辰雄/第二章「ルウベンスの偽画」とコクトオ「グラン・テカアル」/第三章「ルウベンスの偽画」とコクトオ「職業の秘密」
第二部
第一章 「眠りながら」に見る夢のメカニズム/第二章「眠つてゐる男」に見る「文学上の左翼」への意思/第三章 夢のメカニズムとその変容
第三部
第一章 「不器用な天使」における「本格的小説」の模索/第二章 コクトオ「職業の秘密」受容による「死」の導入/第三章 堀辰雄におけるジイド「ドストエフスキイ論」の受容/第四章 モダニズム全盛期における「古典主義」小説「聖家族」/おわりに
芥川龍之介の童話
神秘と自己像幻視の物語
武藤清吾[著]
A5判・221頁・2800円
ISBN978-4-87737-361-0 (14・2)
「蜘蛛の糸」/「犬と笛」/「魔術」/「杜子春」/「アグニの神」/「三つの宝」/「仙人」/「白」/「女仙」/「蜜柑」/「トロッコ」/童話や少年少女小説を対象にその魅力となっている源泉を神秘と自己像幻視の視角から考察
序 章
芥川龍之介の童話と少年少女向け小説
一 読みつがれる芥川龍之介の童話
二 神秘への関心と自己を問うこと
第一章
芥川龍之介と神秘
一 芥川龍之介の幼少期と神秘
二 妖変ブームと心霊学、神秘主義
三 芥川龍之介と海軍機関学校
第二章
童心と神秘─芥川龍之介と北原白秋
一 白秋の芥川龍之介への影響
二 『赤い鳥』における龍之介と白秋
三 白秋の童話論と龍之介
第三章
芥川龍之介が描いた少年少女
一 少年少女を描いた作品と童話
二 「トロッコ」の少年
三 「少年」における追憶の形式と神秘
第四章
芥川龍之介童話の成立とその本質
一 自己の分裂と統合の物語と神秘
二 もう一人の〈わたし〉と出会う物語
三 ドットルゲンゲルの軌跡と童話の神秘
終 章
芥川龍之介童話の提示したもの
近世小説を読む
西鶴と秋成
佐々木昭夫[著]
A5判・495頁・9400円
ISBN978-4-87737-363-4 (14・2)
冷徹な文体で、いかに作品を読み解くかに焦点を据えた論文集/文字遣いから語の選択、文の続けようから編の構成に至るまで、印象の因って来たるところを、テキストの細部に分け入って分析する
第一部 比較文学の視点から読む/第一章 秋成とポー/ 第二章 西鶴の描いた恋愛/フランス十七世紀文学と対比して/第三章 井原西鶴の表現手法/第四章 論評 堀大司「秋成とメリメ」
第二部 西鶴を読む/第一章 『好色五人女』解/第一節 巻一「姿姫路清十郎物語」論/第二節 巻二「情を入し樽屋物かたり」論/第三節 巻三「中段に見る暦屋物語」論/第二章 西鶴の描いたヒロインたち―『好色五人女』の世界から/第三章 『本朝二十不孝』解/第一節 巻四の一「善悪二つ車」論/第二節 巻四の二「枕に残す筆の先」論/第四章 『武道伝来記』論/第一節 巻一の構成/第二節 巻二の構成/第三節 巻三の構成/第四節 巻四の構成/第五章 『日本永代蔵』の二話―没落談に見る西鶴の人間表現の特性
第三部 秋成を読む/第一章 『雨月物語』「白峯」論/第二章 『雨月物語』「夢応の鯉魚」論/第三章 『雨月物語』「菊花の約」解/第四章 書評 佐藤春夫『上田秋成』
媒介者としての国木田独歩
ヨーロッパから日本、そして朝鮮へ
丁 貴連[著]
A5判・485頁・5600円
ISBN978-4-87737-362-7 (14・2)
西洋を見つめ、西洋近代文学の一方的受信者と知られる
日本の近代文学は韓国近代文学の「起源」に深くかかわっていたなかでもワーズワースやツルゲーネフなど西欧近代文学から影響を受けた独歩は、新しいモチーフや短編スタイルを確立した作家として知られる。そして、その独歩の作品が韓国の近代文学の成立過程にも深い影響を及ぼした
序 章 朝鮮文壇と独歩──日本留学・ジャーナリズム・国語教育
第Ⅰ部 形式 書簡体形式・一人称観察者視点形式・枠形式
第1章 恋愛、手紙、そして書簡体という叙述形式──「おとづれ」と李光洙「幼き友へ」/第2章 一人称観察者視点形式と「新しい人間」の発見──「春の鳥」と田榮澤「白痴か天才か」/第3章 近代文学の「成立」と枠小説、そして「恨」──「女難」・「運命論者」と金東仁「ペタラギ」
第Ⅱ部 内容 モチーフ・主題・プロット
第4章 もう一つの「少年の悲哀」──「少年の悲哀」と李光洙「少年の悲哀」/第5章 愚者文学としての「春の鳥」──「春の鳥」と田榮澤「白痴か天才か」/第6章 帰郷小説が映し出す様々な故郷──「帰去来」と廉想渉「万歳前」/第7章 傍観者としての語り手──「竹の木戸」と田榮澤「ファスブン」/第8章 〈余計者〉と国家──「号外」と金史良「留置場で会った男」/終章 もう一つの小民史──日清戦争と独歩、そして朝鮮
物語の論理学
近代文芸論集
中村三春[編]
四六判・312頁・3600円
ISBN978-4-87737-360-3 (14・2)
「ヴィヨンの妻」は救済の物語か
物語を〈誘惑〉と〈差異化〉の論理から分析し、
絶え間ない〈変異〉において小説・童話・評論を読み直す。
一葉の「にごりえ」からローベルの「おてがみ」まで、
物語のありかを極限まで突きつめた15章。
テクスト様式論による新たな読解
序説 物語の論理学/I 物語の誘惑と差異化 樋口一葉「にごりえ」/II 偽造された家族 泉鏡花「鶯花徑」/III 夢のファンタジー構造 夏目漱石『夢十夜』「第六夜」/IV 〈書くこと〉の不条理 田村俊子「女作者」/V 他者へ、無根拠からの出発 武者小路実篤「生長」/VI 花柳小説と人間関係 永井荷風『腕くらべ』/VII 幻想童話とコミュニタス 小川未明「赤い蠟燭と人魚」/VIII ゆらぎ・差異・生命 佐藤春夫『田園の憂鬱』「『風流』論」/IX かばん語の神 宮沢賢治「サガレンと八月」「タネリはたしかにいちにち噛んでゐたやうだった」/X 賢治を物語から救済すること 宮澤賢治「小岩井農場」「風〔の〕又三郎」/XI 闇と光の虚構学 谷崎潤一郎「陰翳礼讚」/XII 太宰・ヴィヨン・神太宰治「ヴィヨンの妻」/XIII パラドクシカル・デカダンス 太宰治「父」「桜桃」/XIV 今こそ、アナーキズム! アーノルド・ローベル「おてがみ」 葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」
近代女子 高等教育機関における
体育・スポーツの原風景
成瀬仁蔵の思想と日本女子大学に原型をもとめて
馬場哲雄[著]
A5判・173頁・2800円
ISBN4-9-87737-364-1 (14・2)
I章 成瀬仁蔵の体育・スポーツ観の萌芽
1 アメリカ滞在中に邂逅した体育・スポーツ
2 アメリカの女子体育・スポーツ
Ⅱ章 成瀬仁蔵の体育・スポーツ観の確立
1 著書『女子教育』の解題
2 麻生正蔵の体育・スポーツ観
3 日本女子大学校と新体育理念
Ⅲ章 成瀬仁蔵の体育・スポーツ観の展開
1 課外体育「体育会」の誕生
2 成瀬仁蔵考案の「日本式」バスケットボール
3 成瀬仁蔵の体育・スポーツ観を展開した人々
4 初代体育教師、白井規矩郎
5 白井規矩郎の体育・スポーツ観
6 白井規矩郎と運動会
7 白井規矩郎と競技スポーツ
8 「新しい女」平塚らいてうと日本女子大学校の体育・スポーツ
漱石 一九一〇年代
玉井敬之[編]
A5判・319頁・4800円
ISBN978-4-87737-357-3 (14・1)
鷗外や漱石にとって明治とは、自らもそのなかにいた重みのある実態としての世界であり、直哉や龍之介にとっては過ぎ去りつつある時代として感じられたのであろう。歴史を経験したものとこれからそれに向かっていくもの、新時代の到来と受け取ったものとの違いでもあったと思われる。そうしてそれが一九一〇年代の初頭にあたっていた。───「はじめに」より
Ⅰ
『それから』論―代助の再生へ/『門』―過去と現在のドラマ/『門』―野中夫婦の行方/『心』雑感/『硝子戸の中』の一面/『道草』論/『道草』―健三の淋しさ/『明暗』論/三人の女―お延・お秀・吉川夫人
Ⅱ 夏目漱石と女性/養子として・養父との関係/漱石と「家」
Ⅲ 明治四十四年夏の漱石/夏目漱石の講演/ ―「私の個人主義」をめぐって/一九一〇年前後の漱石と啄木/鶏肋篇/『門』から覗くことができたもの/『道草』について思うこと/漱石漢詩と篆刻/詩と散文の間/漱石を読んでいて/肱を枕にするということ/一乗閣
樋口一葉と女性作家
志・行動・愛
高良留美子[著]
A5判・419頁・3800円
ISBN978-4-87737-359-7 (13・12)
樋口一葉/与謝野晶子/平塚らいてう/野上弥生子/田村俊子/宮本百合子/林芙美子/真杉静枝/佐多稲子/平林たい子
Ⅰ 一葉の志と愛
一 樋口一葉『やみ夜』と自由民権の志 ─ 波崎のモデル大石を通して/二 樋口一葉『やみ夜』と他の二人のモデル ─ 渋谷三郎と久佐賀義孝/三 樋口一葉『やみ夜』と「名もなき狂者」への道 ─ お蘭と直次郎の愛/四 樋口一葉の政治的関心と国家観を考える ─ 一葉は国家主義者だったか/五 樋口一葉・和歌と日記に表れた日清戦争観 ─ 〈敷島のやまとますらをにえにして〉/六 樋口一葉『ゆく雲』と錦絵のなかの日清戦争 ─ 同じ根をもつ民族差別と女性差別/七 書く女たち ─ 女性の運動と文学に通底する〈志〉を中心に
Ⅱ 晶子・らいてう・弥生子 ─ 近代をいかに超えるか
一 与謝野晶子の詩をよむ ─ 国民皆兵に抵抗/二 平塚らいてうとアナーキズム ─ 相互扶助の思想と実践/三 平塚らいてうの議会主義と天皇賛美の問題 ─ 〈近代〉をいかに超えるか/四 野上弥生子の恋愛・結婚小説と、中勘助との恋 ─ 『青鞜』の裏の世界/五 野上弥生子が書いた台湾 ─ 他者がつくる〈壁/六 明治から大正期の「女の生活」 ─ 八つの女性雑誌から
Ⅲ 俊子・百合子・芙美子 ─ 異郷経験と戦争
一 田村俊子と鈴木悦・愛のかたち ─ カナダ渡航から帰国まで/二 田村俊子の在日期の評論について ─ 時代の要求に抗して/三 宮本百合子の手紙 ─ ニューヨークで・夫の病気・釈放と母の死後/四 林芙美子の詩をよむ ─ 富士山の詩と「いとしのカチユーシヤ」/五 林芙美子のパリ旅行と満州事変前後 ─ ソビエトを通って世界恐慌下のパリへ/六 林芙美子の『戦線』 ─ 〈女ひとり〉のペン先が掘り起こしたもの/七 林芙美子・〈放浪〉の軸の上で ─ 『戦線』と『北岸部隊』/八 林芙美子の墓
Ⅳ 静枝・稲子・たい子 ─ 植民地・抵抗・革命運動
一 真杉静枝・悪評の作家 ─ 昭和文学の/二 真杉静枝の結婚小説『駅長の若き妻』を読む ─ 想像力と言葉による〈家〉の粉砕・消去/三 真杉静枝が書いた台湾 ─ 陰影あるエッセイ/四 真杉静枝『南方の言葉』を読む ─ 本島人と台湾語への愛/五 佐多稲子の詩と転換期の時代 ─ 直情から描写・象徴・暗喩へ/六 佐多稲子の昭和十年代 ─ 抵抗の種子/七 『渓流』における佐多稲子・中野重治・宮本顕治 ─ 「自分らしさ」の解放/八 平林たい子『盲中国兵』と二極分裂の世界 ─ 軍国主義ファシズム末期の日本
小説の〈顔〉
浅野洋[著]
A5判・384頁・3800円
ISBN978-87737-358-0 (13・11)
十人十色の言葉もあるように、作品にはそれぞれ「顔立ち」とも呼べる特性がある。本書は、これまで書いて来た拙稿のうち、多少は作品の「顔」が描けたかと思える論を軸に一冊とし、『小説の〈顔〉』と題した。
Ⅰ 小説を書く漱石
「硝子戸の中」二十九章から─漱石の原風景─〈小説家の起源1〉/「吾輩は猫である」─猫の自死と〈書き手〉の誕生─〈小説家の起源2〉 /「坊つちやん」管見─笑われた男─
「こゝろ」の書法─物語の母型─/Ⅱ 芥川文学の境界
「手巾」私注「地獄変」の限界─自足する語り─
「袈裟と盛遠」の可能性「蜃気楼」の意味─漂流することば─/Ⅲ 明治の陰影
「十三夜」の身体─原田勇の鬱積─
「たけくらべ」の擬態─裏声で歌われた戦 争小説─「百物語」のモティーフ─鷗外の夕闇─「ヰタ・セクスアリス」の〈寂しい〉風景─ 鷗外と故郷─/Ⅳ 小説と戦略「痴人の愛」の戦略─反・山の手の物語─「魚服記」の空白─故意と過失の裂け目─「虚構の春」の〈太宰治〉─書簡集と書簡体小説の間─「眠れる美女」─黄昏の中の女─「木の都」試論─幻景の〈故郷〉の町から─
古代文学の時空
河添房江[著]
A5判・359頁・6800円
ISBN978-4-87737-356-6 (13・10)
古代文学の時空間がどのように生成されているのか、古代文学が後代の時空間にどのように屹立しているのか
源氏絵に描かれた唐物─院政期から近代まで─ 河添房江/価値化される「古」─『萬葉集』一〇二七番歌左注の問題─ 村本春香/大伴家持の訓注表現 ─『万葉集』巻第十九・四一六八の「毎年」と「としのは」をめぐって─ 奥田和広/殿前の梅、窓辺の梅 賴 國文
平安京の歌と「こころ」 谷戸美穂子/旅の歌の系譜としての『土佐日記』の和歌 今井俊哉/表出する序者─『新撰和歌集』序をめぐって─ 坂倉貴子/光源氏における「孝」と密通 趙 秀全/玉鬘十帖の『伊勢物語』引用群─若草と二条后、または光源氏の現在─ 吉野 誠/呼称が描く夕霧の恋─「男」・「男君」・「女」・「女君」呼称をもとに─ 麻生裕貴/垣下親王のいる風景 新山春道/物語史の中の斎宮、あるいは逆流するアマテラスの物語─上代の斎宮から『我が身にたどる姫君』まで─ 本橋裕美/東北大学附属図書館蔵旧制第二高等学校旧蔵『河海抄』をめぐって 松本 大/与謝野源氏と谷崎源氏に表れた『源氏物語』の罪意識の受容 古屋明子
姓と姓
近代文学における名前と
ジェンダー
高田知波[著]
A5判・359頁・3800円
ISBN978-4-87737-355-9(13・9)
やまなし文学賞受賞
Ⅰ
姓と性──近代文学における名前とジェンダー
Ⅱ
雅号・ローマンス・自称詞
──『婦女の鑑』のジェンダー戦略
「士族意識」という神話──一葉研究と「文化資源」
「いなぶね」と「田澤稲舟」
女権・婚姻・姓表示
Ⅲ
鉄道と女権──未来記型政治小説への一視点
「某の上人のためしにも同じく」
──一葉『軒もる月』を読む
「女」と「那美さん」──呼称から『草枕』を読む
“翔ぶ女”と“匍う女”
──小林多喜二『安子(新女性気質)の可能性
Ⅳ
紫の座蒲団──『それから』論のために
妹と姉、それぞれの幻像──芥川龍之介『秋』を読む
「錯覚」と「想像」、あるいは「づかづか」と「すたすた」──梶井基次郎『檸檬』の結末部
演出、看破、そして「勇者」──“反(アンチ)美談”小説としての『走れメロス』
*
名前はだれのものか──あとがきを兼ねて
*
室生犀星の詩法
九里順子[著]
A5判・379頁・3800円
ISBN978-4-87737-353-5 (13・7)
犀星は近代詩の窓である。──ここから見える風景
固有の生を求めて表現を模索し実行し、表現がきわまった地点に生も確立した。
ことばは仮構するという営為であるが、それを本質に転じるのもことばである。詩作とは、自覚的にその営為を続け、仮構==本質の二重構造に徹することである。犀星の詩法とは、そのような生の謂に他ならない。──────あとがきより
第一章「抒情」・「小曲」─『抒情小曲集』『青き魚を釣る人』/第二章 意味と秩序 ─『愛の詩集』『第二愛の詩集』『寂しき都会』/第三章〈家庭〉と〈都市〉─『星より来れる者』『田舎の花』/第四章〈父〉の情景─『忘春詩集』『高麗の花』『故郷図絵集』/第五章〈幽遠〉の先─『鶴』『鉄集』/第六章 文語・定型─『哈爾浜詩集』/第七章 詩人==生活人─『美以久佐』『日本美論』『余花』/第八章 疎開と戦後─『木洩日』『山ざと集』『旅びと』『逢ひぬれば』/第九章 時間とエロス─『昨日いらつしつて下さい』『晩年』
万葉集の読み方
天平の宴席歌
梶川信行[編]
四六判・183頁・1800円
ISBN978-4-87737-354-2 (13・7)
「ヴィヨンの妻」は救済の物語か
物語を〈誘惑〉と〈差異化〉の論理から分析し、
絶え間ない〈変異〉において小説・童話・評論を読み直す。
一葉の「にごりえ」からローベルの「おてがみ」まで、
物語のありかを極限まで突きつめた15章。
テクスト様式論による新たな読解
序説 物語の論理学/I 物語の誘惑と差異化 樋口一葉「にごりえ」/II 偽造された家族 泉鏡花「鶯花徑」/III 夢のファンタジー構造 夏目漱石『夢十夜』「第六夜」/IV 〈書くこと〉の不条理 田村俊子「女作者」/V 他者へ、無根拠からの出発 武者小路実篤「生長」/VI 花柳小説と人間関係 永井荷風『腕くらべ』/VII 幻想童話とコミュニタス 小川未明「赤い蠟燭と人魚」/VIII ゆらぎ・差異・生命 佐藤春夫『田園の憂鬱』「『風流』論」/IX かばん語の神 宮沢賢治「サガレンと八月」「タネリはたしかにいちにち噛んでゐたやうだった」/X 賢治を物語から救済すること 宮澤賢治「小岩井農場」「風〔の〕又三郎」/XI 闇と光の虚構学 谷崎潤一郎「陰翳礼讚」/XII 太宰・ヴィヨン・神太宰治「ヴィヨンの妻」/XIII パラドクシカル・デカダンス 太宰治「父」「桜桃」/XIV 今こそ、アナーキズム! アーノルド・ローベル「おてがみ」 葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」
バーネット自伝
わたしの一番よく知っている子ども
フランシス・ホジソン・バーネット 松下宏子・三宅興子[編・訳]
四六判・420頁・2800円
ISBN978-4-87737-352-8(13・6)
第1章 わたしの一番よく知っている子ども
第2章 小さな花の本と茶色の聖書
第3章 エデンの裏庭
第4章 物語と人形
第5章 イズリントン・スクエア
第6章 だまされた話
第7章 本棚つき書き物机
第8章 パーティー
第9章 結婚式
第10章 奇妙なもの
第11章 「ママ」と初めての創作
第12章 「イーディス・サマヴィル」と生のカブ
第13章 クリストファー・コロンブス
第14章 木の精の日々
第15章 「目的は報酬です」
第16章 作家の道へ
「ハートとダイヤモンド」(雑誌掲載第一作)
碧梧桐百句
栗田 靖[著]
四六判・340頁・2800円+税
ISBN978-4-87737-338-2(12・11)
源氏物語 歌ことばの時空
飯塚ひろみ[著]
B5判・269頁・4000円
ISBN978-4-87737-327-7
Ⅱ 水鶏の鳴く夜─『源氏物語』と道長の綾/一 水鶏の文学史─平安期の和歌に見る「水鶏」/二 『源氏物語』の「水鶏」をめぐって/三 「月が入れたる真木の戸口」考
Ⅲ女郎花の咲く朝─野辺の花から六条院の華へ/一 女郎花の文学史─命名と移動/二 夕霧の物語と女郎花/三 『源氏物語』女郎花の系譜─六条院の華として
Ⅳ交錯する時空─衣装と記憶/一 『源氏物語』の植物と衣装/二 浮舟の「袖」─〈きぬぎぬ〉の記憶/三 「袖ふれし」歌と〈紅梅〉/四 重なる衣─浮舟最終詠が再現する色目
今こそよみたい
近代短歌
長澤ちづ・山田吉郎・鈴木泰恵[編]
四六判・239頁・1800円+税
ISBN978-4-87737-337-5(12・10)
短歌の歴史
短歌の表現
短歌鑑賞
落合直文 尾上柴舟 佐佐木信綱 正岡子規 与謝野鉄幹 与謝野晶子窪田空穂 若山牧水
北原白秋 石川啄木 吉井勇 伊藤左千夫 長塚節 島木赤彦 斉藤茂吉 釈迢空
土屋文明 前田夕暮 木下利玄 太田水穂 土岐善麿 会津八一
前川佐美雄 斎藤史 佐藤佐太郎 宮柊二 近藤芳美 中城ふみ子
寺山修司 塚本邦雄 岡本かの子 中村憲吉
絵本をよむこと
「絵本学」入門
香曽我部秀幸・鈴木穂波[編]
A5判・224頁・(1章~4章カラー)1800円
ISBN978-4-87737-332-0 (12・7)
第2章 絵本の歴史
第1節 西欧の絵本の歴史
1 絵本の源流
2 物語絵本の萌芽
3 絵本の近代
第2節 日本の絵本の歴史
1 近代以前の絵本
2 明治期の絵本
3 大正~昭和前期の絵本
4 新たな出発―現代の絵本の始まり
第3章 絵本の現在
第1節 海外の絵本の現在
1 現代絵本の開花
2 広がり深まる絵本表現
3 多彩なテーマと手法
4 新世紀の絵本と今後の展望
第2節 日本の絵本の現在
1 現代日本の絵本の流れ
2 新世紀の絵本
3 注目すべき現代の絵本
第4章 最新の絵本評論
第5章 100冊の絵本をよむ
1 海外の絵本50冊
2 日本の絵本50冊
枕草子 発信する力
小森潔[著]
四六判・253頁・3000円
ISBN978-4-87737-333-7 (12・5)
1『枕草子』の庭 2 『枕草子』の母をめぐる問題 3 『枕草子』跋文の喚起力
Ⅱ 〈清少納言〉と〈紫式部〉
4女房日記の音楽・舞楽―『枕草子』と『紫式部日記』― 5『枕草子』の人生儀礼と通過儀礼―『紫式部日記』との対比から― 6『枕草子』と『源氏物語』の〈散文への意志〉7 宮廷女房の横顔―清少納言と紫式部―【付】公式サイト『紫式部日記』
Ⅲ 研究と教育の磁場
8「枕草子研究」論―「言説史」へ― 9偽書と〈歴史認識〉―『松島日記』という〈その後〉の『枕草子』― 10教材としての香炉峰の雪の段―「性役割」の視点から― 11国語教育の中の「春はあけぼの」
芥川龍之介新論
関口安義[著]
A5判・470頁・8600円
ISBN978-4-87737-335-1 (12・5)
第1章 弱者への眼
1奇怪な再会/2おぎん/3報恩記
第2章 切支丹宗徒への眼
1尾形了斎覚え書/2奉教人の死/3南京の基督
第3章 不条理への眼
1母/2悠々荘/3歯車
第4章 怪異・異形への眼
1妖婆/2魔術/3河童
第5章 友人への眼
1一高の三羽烏/2山本喜誉司
第6章 社会への眼
1「謀叛論」 の余熱/2将軍の実像/3中国と朝鮮
第7章 時代への眼
1芥川と明治/2再見『支那ゆう記』
付 対談 現代への眼
1現代に生きる芥川龍之介/2世界に羽ばたく芥川文学
評伝壺井栄
鷺只雄[著]
A5判・618頁・8000円
ISBN978-4-87737-334-4 (12・5)
第21回やまなし文学賞!
第一章 小豆島
第二章 結婚 第三章 激流(上)
第四章 激流(中)
第五章 激流(下)
第六章 文壇登場
第七章 『暦』のころ小豆島
第八章 戦時下の文学(上)
第九章 戦時下の文学(中)
第十章 戦時下の文学(下)
第十一章 敗戦混迷の中で(上)
第十二章 敗戦混迷の中で(下)
第十三章 文壇復帰
第十四章 流行作家
第十五章 死とその前後
平安後期物語
井上眞弓・下鳥朝代・鈴木泰恵[編]
A5判・135頁・1400円
ISBN978-4-87737-328-3 (12・4)
/梗概・作者・成立・本文・研究史・研究ガイド
付「虫めずる姫君」堤中納言物語)
/本文・解説
『夜の寝覚』の父 乾澄子
●浜松中納言物語
/梗概・作者・成立・本文・研究史・研究ガイド
『浜松中納言物語』と更級日記の交錯する旅路 伊藤守幸
●狭衣物語
/梗概・作者・成立・本文・研究史・研究ガイド
『狭衣物語』における「橋」 井上新子
平安文学十五講
井上眞弓・鈴木泰恵・深沢徹[編]
A5判・80頁・980円
ISBN978-4-87737-329-0 (12・4)
第2講 やまとことの葉をひろう●古今和歌集
第3講 言葉で恋する女たち●古今和歌集Ⅱ
第4講 異郷のものと生きる●うつほ物語
第5講 「ひかり」の転生●竹取物語・源氏物語」
第6講 歴史を書きつける●源氏物語・大鏡
第7講 都市計画者から都市生活者へ●池亭記
第8講 交響する和漢のことば●枕草子・和漢朗詠集
第9講 宴のことば/ことばの宴●紫式部日記
第10講 「色ごのみ」を生きる●和泉式部集
第11講 鄙にありて都を想う●古今和歌集Ⅲ
第12講 浮舟にあこがれて●更級日記
第13講 「唐」への二つのまなざし●浜松中納言物語・江談抄
第14講 みやびから外れて●堤中納言物語
第15講 「古典」への道筋●六百番歌合・無名草子
花のフラクタル
中村三春[著]
四六判・400頁・3800円
ISBN978-4-87737-324-5 (12・1)
断片がつくり出す無限のセリーには、汲みつくせぬ魅力がある。相似形に自己増殖をおこなう文芸テクストの可能性をとらえ、20世紀の前衛小説を、21世紀によみがえらせる。―アヴァンギャルドとメタフィクションの競演
久野豊彦●アヴァンギャルド
横光利一●ポストモダン
堀辰雄●フラクタル
太宰治●メタフィクション
森敦●コンストラクション
モダニズムと身体 オムニバス
渡航する作家たち
神田由美子・髙橋龍夫[編]
A5判・242頁・1900円
ISBN978-4-87737-331-3 (12・4)
留学先の当時の様子、地誌、時代的な背景、文化などを写真・地図などを利用して解説。
森鴎外 ドイツ体験による精神の閲歴 林正子
夏目漱石 漱石文学におけるロンドン 神田由美子
有島武郎 『迷路』のアメリカ 中村三春
永井荷風 在米日本人としての荷風 日比嘉高
高村光太郎 ニューヨーク・ロンドン・パリによる芸術的醸成 髙橋龍夫
与謝野晶子 対等な関係性を認識した街─パリ 与那覇恵子
島崎藤村 藤村文学におけるパリ 神田由美子
谷崎潤一郎 エキゾチシズムを超えて─中国 千葉俊二
芥川龍之介 大陸で磨かれた小説家のジャーナリシズム─中国 秦剛
宮本百合子 宮本百合子のロシア体験 竹内恵美子
横光利一 「旅」と「愁」いを書くということ 押野剛史
林芙美子 自伝小説を超える装置としての巴里体験 今川英子
大庭みな子 大庭みな子のシトカ 江種満子
村上龍 基地のある街から 榎本正樹
多和田葉子 多和田文学におけるドイツ 谷口幸代
村上春樹 世界のハルキへ 高橋龍夫
リービ英雄 言葉の越境者 フェイ・カルーマン
記憶の創生
物語1971-2011
物語研究会[編]
A5判・464頁・9800円
ISBN978-4-87737-330-6 (12・3)
近藤さやか 『伊勢物語』第四十五段「蛍」
井野葉子 「あわ雪」 の風景
長谷川政春 〈語り〉内包と外延化
松岡智之 「語り」論を今考える
勝亦 志織 引用される〈女三宮〉
ローレン・ウォーラー 神話テクストの機能と間テクスト性の構成
西山登喜 うつほ物語〈贈り物〉への〈視線〉
塩見優 『源氏物語』における「足」
上原作和 二つの『源氏物語』
藤井貞和 「言説」(年間テーマ)
三村友希 鏡を見ない紫の上
諸岡重明 『源氏物語』 三条論序説
阿部好臣 親子の物語としての『源氏物語』
本橋裕美 沈黙の向こうに広がる〈記憶〉
布村浩一 「くたに」「こだに」考
武藤那賀子 うつほ物語における手紙
高橋汐子 大君〈不在〉の存在感
安藤徹 私たちはいつ理論を捨てたのか
河添房江 二つの学会印象記から
小嶋菜温子 『かぐや姫幻想』から幻の「源氏物語絵巻」へ
高橋亨 物語学をめぐる私的回送
伊勢光 物語を作る光源氏とその構造をめぐって
池田大輔 『源氏物語』における手引きする侍女
櫻井清華 浮舟と八の宮
北川真理 『源氏物語』の地の文末表現
笹生美貴子 物語の〈夢〉
千野裕子 『狭衣物語』を動かす女房たち
満洲詩生成伝
守屋貴嗣[著]
四六判・412頁・3800円
ISBN978-4-87737-325-2 (12・3)
序章
第一部 『亞』の成立・生成
第一章 安西冬衛
第二章 瀧口武士
第三章 北川冬彦
第四章 三好達治
第五章 尾形亀之助
第六章 城所英一・富田充
第七章 春山行夫
第二部 『亞』以後の満州詩
第一章 『戎克』論
第二章 『鵲』論
第三章 『満州浪漫』ー逸見猶吉
第四章 『作文』の行方
終章 満州詩研究の動向として
武家の文物と 源氏物語絵
尾張徳川家伝来品を起点として
高橋亨・久富木原玲・中根千絵[編]
B5判・496頁・6500円
ISBN978-4-87737-322-1 (12・3)
漱石・龍之介と世阿弥
大友泰司[著]
四六判・263頁・2800円
ISBN978-4-87737-326-9 (11・12)
『漾虚集』について─漱石の夢想世界
夏目金之助、ニーチェとの出会い─「琴のそら音」と中心として
『ツアラツストラ』影響下における漱石・龍之介
「偸盗」を読む─運命に翻弄された者達の行方と「救い」
「班女」をめぐって─美相論から演劇へ
拾玉得花─足踏の一響にも序破急あり
補厳寺の禅僧達─「世阿弥から禅竹へ」序
『六輪一露之記』までの背景─「世阿弥から禅竹へ」破
禅竹秘書の世界─「世阿弥から禅竹へ」急
世阿弥と禅
村上春樹と 〈最初の夫の死ぬ物語〉
新装判
平野芳信[著]
四六判・205頁・1800円
ISBN978-4-87737-323-8 (11・12)
一 彼らが死んだ理由
二 凪の風景、あるいはもう一つの物語
三 最初の夫の死ぬ物語(上)
四 最初の夫の死ぬ物語(下)
五 岩井俊二、小説から読むか?映画から観るか?
六 反復する歴史
空の歌
中原中也と富永太郎の現代性
権田浩美[著]
A5判・430頁・4200円
ISBN978-4-87737-320-7 (11・10)
大正後期から昭和にかけての新興芸術の性急な移入に伴う騒擾のなかで中原中也と富永太郎、そして同時代の詩人たちは如何に受容し、独自のものに変容したのか。新興芸術詩を中心とした詩史における位置づけを試みると共に、同時代の文化・芸術との相関性を探り、その現代性を考究する。
第1部中原中也─抒情の成り立ち
第2部中原中也と丸山薫
第3部中原中也と平戸廉吉
第4部富永太郎の新しい貌
第5部ふたたび、中原中也─抒情からの逸脱、現代性の在り処
鴎外『椋鳥通信』全人名索引
山口徹[著]
B5判・552頁・7600円
ISBN978-4-87737-321-4 (11・10)
・政治史(選挙権の拡大、社会・共産主義の台頭、貴族社会の崩壊と市民階級の隆盛、国際間紛争・和平など)
・文化史(ゴシップ、猟奇殺人事件、流行のファッション、各種トリビアなど)
・国制・社会史(植民地経営、検閲・発禁、階級・国家間格差、法制度上の問題など)
・メディア史(電話、通信、新聞・雑誌、出版、国際間情報など)
・交通史(航空・航路・自動車などの開発、スピード・距離記録の更新など)
・産業・技術史(新素材開発、各種発明・発見、巨大企業・財閥の盛衰、大量消費社会の出現など)
・医学史(特効薬の発明、衛生学、医療技術開発など)
・音楽史・演劇史・美術史(上演プログラム、展覧会情報、批評、作者・あらすじ紹介など)
枕草子 創造と新生
小森潔・津島知明[編]
A5判・375頁・6800円
ISBN978-4-87739-317-0 (11・5)
『枕草子』の五月五日 中島和歌子
『枕草子』の宗教関連章段考
園山千里
枕草子の色彩と季節 鈴木裕子
『枕草子』におけるまなざしと身体 橋本ゆかり
『枕草子』戸考 東 望歩
「春の風」から「花の心」へ 落合千春
枕草子の表現と史実をめぐって 藤本勝義
清少納言の末裔 上原作和
第Ⅱ部 新生する枕草子
〈雪月夜〉と〈車〉の景の再構成 山中悠希
枕草子から狭衣物語へ 鈴木泰恵
『清少納言枕草子抄』と『枕草子春曙抄』の本文 沼尻利通
国語教育の中の『枕草子』 小森 潔
〈美人ではない〉清少納言 津島知明
少女漫画の中の『枕草子』 三村友紀
清少納言の行方 緑川真知子
枕草子関連作品リスト
狭衣物語 空間/移動
井上眞弓・乾澄子・鈴木泰恵[編]
A5判・344頁・6800円
ISBN978-4-87738-318-4 (11・5)
プラハ本「狭衣物語絵」の場面設定 高橋亨
Ⅰ
風の物語としての『狭衣物語』 井上眞弓
狭衣物語〈子〉と〈空間〉 高橋裕樹
狭衣物語の〈斎王〉 本橋裕美
今姫君の居住空間 鈴木泰恵
狭衣物語における「飛鳥井」の位相 野村倫子
Ⅱ
『狭衣物語』の和歌的表現 乾澄子
「うしろの岡」「うしやの岡」、あるいは「むかひの岡」 須藤圭
「恋の道」の物語 井上新子
Ⅲ
〈移動〉からみる中古王朝物語史・粗描 萩野敦子
『浜松中納言物語』吉野の姫君の〈衣〉空間 三村友希
『浜松中納言物語』と物語の彼岸 助川幸逸郎
『あさぢが露』の冒頭場面をめぐって 下鳥朝代
女性表象の近代
文学・記憶・視覚像
関礼子[著]
A5判・448頁・3800円
ISBN978-4-87737-319-1 (11・5)
第一章 「御真影」の時代
断髪する皇后
萩の舎と一葉
花圃と鉄幹をめぐる問題系
弟たちの出兵
第二章 女性表象の領域
全貌を現わした 一葉の新聞小説
ある女性挿絵画家の足跡
更新される「文化の記憶」
一葉「紫清論」への一視座
与謝野晶子『新訳源氏物語』 が直面したもの
伊藤野枝という表象
第三章 文学を演じる
「異国の女」を演じる
音画の歓び/音画の陥穽
サイレント的身体が語るもの
幸田文原作・成瀬巳喜男監督「流れる」の世界
樋口一葉原作・今井正監督「にごりえ」の受容空間
中世文学十五講
小井土守敏・平藤幸・岩城賢太郎[編]
A5判・104頁・980円
ISBN978-4-87742-314-6 (11・4)
第2講 歌道の追究 古来風体抄・近代秀歌・詠歌大概・為兼卿和歌抄
第3講 連歌の隆盛 筑波問答・水無瀬三吟百韻
第4講 乱世に生きる女性 建礼門院右京大夫集・とはずがたり
第5講 隠者の達観 方丈記・徒然草
第6講 移動する視点 東関紀行
第7講 説話の宇宙 今昔物語集・宇治拾遺物語・古今著聞集
第8講 伝承の妙 沙石集・十訓抄・撰集抄
第9講 「ムサノ世」到来 保元物語・平治物語
第10講 無常なるもの 平家物語/第11講 日本人の精神風土 太平記・曾我物語・義経記/
第12講 御伽草子の世界 酒呑童子絵/第13講 王朝への憧れ 住吉物語/
第14講 軍記物芸能の展開 敦盛(幸若舞曲)・八島(謡曲)・通円(狂言)/
第15講 世阿弥の芸術論 風姿花伝・花鏡/
「私」を語る小説の誕生
近松秋江・志賀直哉の出発期
山口直孝[著]
A5判・280頁・2800円
ISBN978-4-87743-313-9 (11・3)
第一章 「「私」を語る小説」の登場
第一節 語られるべき「私」の生成
第二節 「「私」を語る小説」をめぐる試行
第二章 近松秋江における「「私」を語る小説」の展開
第一節 「別れた妻もの」の達成
第二節 『途中』・『見ぬ女の手紙』の可能性
第三節 叙法の形成と確立
第四節 有島武郎『平凡人の手紙』論
第三章 志賀直哉における「「私」を語る小説」の展開
第一節 家族への接近
第二節 『濁つた頭』論
第三節 『大津順吉』論
第四節 『クローディアスの日記』論
終章 近松秋江と志賀直哉
『青鞜』と世界の「新しい女」たち
「新しい女」研究会[編]
A5判・312頁・2800円
SBN978-4-87744-312-2 (11・3)
『青鞜』と 日本女子大学校 岩淵 宏子
『青鞜』とブルー・ストッキング 渡部麻実
「新しい女」とキ リスト教 村井早苗
リベラル ・アーツ としての家政学 鬼頭七美
日本女子大学校で学んだ「新しい女」たちと体育・スポ ーツ 馬場哲雄
日本女子大学校と演劇 菅井かをる
「新しい女」の平和思想 橋本のぞみ
『青鞜』 草創期を支えた日本女子大学校同窓生 溝部優実子
日本女子大学校が生んだもう一つの「新しい女」たち 小林美恵子
「新しい女」の服飾 佐々井啓
Ⅱ 世界の「新しい女」たち
欧米に おける「新しい女」の誕生 三神和子
トリミング制作に見る、自立を目指すイギリスの女たち 坂井妙子
フランスに生まれた「新しい女」たち 高頭麻子
アメリカの「新しい女」たち 佐々井啓
Ⅲ 年表・ 『青鞜』と世界の「新しい女」たち
日本語表現法 〈改訂版〉
庄司達也・山岸郁子・小野美典・安達原達晴[著]
B5判・96頁・980円
ISBN978-4-87740-316-0 (11・3)
第2章 悪文とは? 文を書くときの注意点◎悪文
第3章 さあ文章を書いてみよう 解りやすい文章構成◎文章構成
第4章 ルールを守って引用しよう 引用するときの注意点◎引用
第5章 プレゼンテーションをより効果的に わかりやすい発表◎プレゼンテーションの方法
第6章 敬語を適切に使おう 敬語の基礎知識◎敬語
第7章 手紙を書こう 手紙に様式・内容とその出し方◎手紙
第8章 効果的な電子メールとは? メールの書き方・使い方◎電子メール
第9章 効果的な文書作成 エントリーシート・届出書・願書・公文書・履歴書の書き方◎エントリーシート・履歴書・公文書
第10章 冠婚葬祭・贈答のしきたり 祝儀袋・不祝儀袋などの書き方と使い方◎冠婚葬祭と贈答
❺……日本のうた
フェリス女学院大学[編]
四六判・224頁・2800円
ISBN978-4-87741-315-3(11・3)
日本文学古典 文學作品解析
張利利[訳著]
A5判・232頁・1800円
ISBN978-4-87745-311-5 (11・2)
第一章 古代前期文学
文学史概況/古事記/万葉集
第二章 古代文学後期
文学史概況/竹取物語/伊勢物語/土佐日記/源氏物語/枕草子/大鏡
第三章 中世文学
文学史概況/宇治拾遺物語/十訓抄/方丈記/徒然草/平家物語
第四章 近世文学
文学史概況/玉勝間/雨月物語/松尾芭蕉/与謝蕪村/小林一茶/妹背山婦女庭訓
柳美里 1991-2010
原仁司[編]
A5判・280頁・2800円
ISBN978-4-87746-310-8 (11・2)
断崖の上から方舟へ─「魚の祭」の〈家族〉と柳美里の演劇経験 久米依子
「物語る」 ことの倫理─柳美里『石に泳ぐ魚』裁判と「表現の自由」 原仁司
物語と演技─『家族シネマの方法論』 永岡杜人
記憶の中の海峡─『水辺のゆりかご』から『仮面の世界』へ 小林孝吉
「十四歳少年」の父親殺し ─『ゴ─ルドラッシュ』 井口時男
欲望の贅沢な引き算─「ル─ジュ」をめぐって 小平麻衣子
家族の物語/家族の戯画 ─『女学生の友』 宇佐見毅
方舟と戦争─柳美里『命』四部作を読む 中島一夫
英姫のために─『8月の果て』と言う事件 川村湊
死の一線からの言葉─『山手線内回り』 富岡幸一郎
不可視的存在と〈恨〉の精神─『雨と夢のあとに』論 原仁司
大正女性文学論
新・フェミニズム批評の会[編]
A5判・519頁・4000円
ISBN978-4-87748-308-5 (10・12)
Ⅱ 田村俊子と同性愛 長谷川啓/吉屋信子と『屋根裏の二処女』 小林美恵子/宮本百合子『伸子』の素子 岩淵宏子/宮本百合子「セクシュアリティ」と「文学」 北田幸恵
Ⅲ 生田花世の転換 岡西愛濃/深尾須磨子論 羽矢みずき/三宅やす子『奔流』論 矢澤美佐紀/野上弥生子の恋愛・結婚小説と、中勘助との恋 高良留美子/鷹野つぎ・〈作家〉のまなざし 中島佐和子/網野菊「二月」 菅井かをる
Ⅳ 三ヶ島葭子論 沼田真理/九条武子の挑戦 小林とし子/水野仙子「神楽阪の半襟」からみえてくるもの 菊原昌子
Ⅴ 素木しづにおける〈復讐〉と〈愛〉 山崎真紀子/神近市子『引かれものの唄』 小林裕子/高群逸枝『娘巡礼記』 関谷由美子/岡本かの子「夫人と画家」 近藤華子/宇野千代の出発期 藤木直実
Ⅵ 女優誕生 井上理恵/伊藤野枝「転機」論 渡邉千恵子/晶子における大正期の感想・評論活動 渡邊澄子/砂川捨丸『金色夜叉』『男女同権』におけるパロディとジェンダー 藤田和美/Ⅶ 高良とみとその時代 岩見照代/平林たい子の文学的出発 岡野幸江/一九一〇年代の羅恵錫の評論類と日本の言説 江種満子
阿部次郎をめぐる手紙
平塚らいてう/茅野雅子・蕭々/網野菊/田村俊子・鈴木悦/たち
青木生子・原田夏子・岩淵宏子[編]
A5判・375頁・3800円
ISBN978-4-87751-305-4 (10・12)
そして、朝日新聞社記者鈴木悦から愛人田村俊子にあてた来信の翻刻と解説。田村俊子という数奇な運命を辿った女性作家の逃避行時代を跡づける貴重な新資料でもある。
目次
阿部次郎をめぐる手紙
阿部次郎宛書簡と日本女子大学校ー寄託のいきさつ
阿部次郎と日本女子大学校
書簡Ⅰ
麻生正蔵/茅野雅子/茅野儀太郎/田村俊子/平塚らいてう/板垣直子/湯浅芳子
書簡Ⅱ
鈴木悦
夏目漱石の京都
丹治伊津子[著]
A5判・367頁・3400円
ISBN978-4-87747-309-2 (10・12)
Ⅰ 『虞美人草』ができるまで
漱石の描いた白百合
なつかしい母の声がする
Ⅱ 『明暗』ヒロイン・お延のモデル
名付け親になった漱石
津田青楓の元妻・山脇敏子
漱石の女弟子・藤浪和子
漱石が書いた紹介状
Ⅲ 「鉢花図」と高村光太郎
「椿と盆石」の淡彩画によせて
漱石と子規と茶の湯
漱石直一の落款
Ⅳ 原三渓と漱石
池辺三山と漱石
芥川龍之介宛書簡にみる師弟愛
釈宗演と『初秋の一日』
修善寺菊屋における漱石
Ⅴ 京都で漱石二十年忌を開催した西川一草亭
漱石忌展示目録居風洞刊『瓶史』
漱石二十年忌の赤木桁平
Ⅳ 漱石と一客一亭
Ⅶ 漱石の『京都日記』
祗園多佳女の日記
樋口一葉 初期小説の展開
橋本のぞみ[著]
A5判・245頁・3600円
ISBN978-4-87749-307-8 (10・12)
初期小説光をあて、小説家一葉誕生の軌跡を探る
第一部 〈死にゆく女〉からの出発
第一章 『闇桜』─「花」レトリックからの逸脱
第二章 『たま襷』 から『五月雨』 へ─女性神話への挑戦
第三章 『別れ霜』─〈人情〉の消失
第四章 『うもれ木』─〈国民〉の実態
第二部 〈都落ちする女〉の創出
第一章 『暁月夜』─女性〈物語〉生成の場
第二章 『雪の日』─語る言葉を失くすとき
第三部 〈都心部へと舞い戻る女〉のゆくえ
第一章 『琴の音』─独奏から重奏へ
第二章 『花ごもり』─〈国民〉の処世術
第三章 『やみ夜』─傀儡の他者性
第四章 『軒もる月』─〈二タ心〉とジェンダ─・システム
舞台監督
小川幹雄[著]
A5判・237頁・2800円
ISBN978-4-87750-306-1 (10・12)
1 小山内薫と「演劇美術問答」
2 ステージ・マネージャーとアクター・マネージャー
3 ゴードン・クレイグと『劇場芸術』
第2部 舞台監督の移入
4 ステージ・マネージャーの移入
5 伝統芸能における狂言作者の制度
6 小山内薫と新派狂言作者
第3部 舞台監督の試行
7 明治座と東京俳優養成所
8 自由劇場と舞台監督
9 小山内薫と小宮豊隆との「舞台監督」論争
第4部 舞台監督から演出家への変移
10 演出者とレジッスール
11 舞台監督から演出者への名称と仕事の変移
第5部 築地小劇場の舞台監督
12 築地小劇場における演出助手と舞台監督
13 舞台裏の専門化と組織化
第6部 舞台監督各論各様
14 水品春樹および村山知義と北村喜八の舞台監督論
15 岸田國士、千田是也、戌井市郎の舞台監督論
第7部 海外の舞台監督
16 西欧における近代以前の様相
17 英米におけるステージ・マネージメントのシステム
18 中国とロシアにおける舞台監督的機能
第8部 舞台監督の定義について
19 種々の定義の検証
20 ステージ・マネージャーの定義と舞台監督
漱石の教養
小倉脩三[著]
A5判・240頁・4200円
ISBN978-4-87753-303-0 (10・10)
第一部 意識の理論
1.ロイド・モーガン『比較心理学入門』
2.テオドール・リボー『感情の心理学』
3.ウィリアム・ジェームズ『宗教的経験の諸相』
第二部 文明・開化の理論
4.マックス・ノルダウ『退化論』
5.チェーザレ・ロンブローゾ『天才論』
6.ギュスターブ・ル・ボン『社会主義の心理学』
7.ベンジャミン・キッド『西洋文明の原理』
8.ジャン・マリー・ギュヨー『教育と遺伝』
9.アーサー・J・グラント『ペリクレス時代のギリシャ』
第三部 芸術の理論
10.カール・グロウス『人間の遊戯』
11.W.マーチン・コンウェイ『芸術の領域』
第四部 結婚と家族の理論
12.シャルル・レトルノー『結婚と家族の進化』
13.シャルル・レトルノー『財産、その起源と発達』
第五部 思想一般
14.ヘンリー・シジウィック『倫理学の方法
夢と物の怪の源氏物語
源氏物語をいま読み解く3
三田村雅子・河添房江[編]
四六判・253頁・2800円
ISBN978-4-87752-304-7 (10・10)
【座談会】〈物の怪〉と〈憑坐〉と〈夢〉
小松和彦+三田村雅子+河添房江
「なにがしの院」 のモノノケは現代に生きる 田中貴子
〈もののけ〉考 森正人
物の怪をめぐる言説─『源氏物語』と女性嫌悪 立石和弘
六条御息所の「もののけ」 原岡文子
『源氏物語』における〈物の怪コ─ド〉の展開 土方洋一
憑く女君、憑かれる女君 湯淺幸代
『源氏物語』に見える「夢」 倉本一宏
『源氏物語』における夢の役割 加東 仁
憑く夢・憑かれる夢 久富木原玲
〈夢と物の怪〉を読むための文献一覧
漱石『明暗』の漢詩
田中邦夫[著]
A5判・543頁・6800円
ISBN978-4-87737-299-6 (10・7)
第一章 『明暗』 執筆日と漢詩創作日との関係
第二章 『明暗』と漢詩の「自然」
第一章 『明暗』における「自然物」と「西洋洗濯屋」の風景
第二部 『明暗』の日常世界描写における漢詩の役割
〈津田の留守宅にて〉
第一章 お延と小林の対座場面の最後
第二章 津田とお秀の対話
第三章 津田・お秀・お延の会話場面
第四章 小林の津田に対する強請り
第五章 お延とお秀の戦争
第六章 吉川夫人と津田との対話
第七章 お延の津田に対する「愛の戦争」
第八章 小林の造型と七言律詩
第九章 構想メモとしての五言絶句
第三部 『明暗』の非日常世界創作と漢詩
第一章 津田の「夢」
第二章 清子の形象
補章 『明暗』第二部の舞台
1『明暗』構想の原型
2 『明暗』の温泉宿、天野屋旅館の大正四年末頃の建物配置について
武者小路実篤の研究
美と宗教の様式
寺澤浩樹[著]
A5判・400頁・3800円
ISBN978-4-87737-301-6 (10・6)
第一章 創作集『荒野』の世界─調和的上昇志向の文芸
第二章 小説「お目出たき人」の虚構性─素材の作品化の問題をめぐって
第三章 小説「お目出たき人」の世界─〈自然〉と〈自己〉
第四章 小説「世間知らず」と〈運命〉
第五章 〈初期雑感〉の特質─〈聖典〉としての文芸
第六章 戯曲「わしも知らない」の世界─信仰によって生きること
第七章 戯曲「その妹」の悲劇性─生命力表現の変容
第八章 戯曲「その妹」とその上演
第九章 小説「友情」の世界─生命力と宗教
第一〇章 戯曲「人間万歳」の世界
第一一章 小説「第三の隠者の運命」の世界─悟りきれない人間の祈り
第Ⅱ部 作家論
第一章 武者小路実篤と北海道
第二章 武者小路実篤と有島武郎─宗教的感性と社会的知性
第三章 武者小路実篤と「新しき村」
終章 武者小路実篤の表現様式─美術と文芸の間にあるもの
京伝と馬琴
大高洋司[著]
A5判・367頁・9400円
ISBN978-4-87737-291-0 (10・5)
Ⅰ 〈稗史もの〉読本様式の形成
1 『忠臣水滸伝』まで
2 初期江戸読本とその背景
ⅰ 初期江戸読本と寛政の改革─『奇伝新話』その他─
ⅱ 怪談情話論─『壷菫』と『怪談奇縁』─
3 『忠臣水滸伝』の成立・補遺
4 〈稗史もの〉読本の文体と『安積沼』
5 『優曇華物語』と『月氷奇縁』
6 享和三、四年の馬琴読本
ⅰ 〈読本的枠組〉と『月氷奇縁』
ⅱ 『小説比翼文』の〈枠組〉
7 『優曇華物語』─典型の創始─
Ⅱ 京伝と馬琴
1 十九世紀的作者の誕生
2 『優曇華物語』と『曙草紙』の間
3 『四天王剿盗異録』と『善知安方忠義伝』
4 『昔話稲妻表紙』と『新累解脱物語』
5 京伝、馬琴と〈勧善懲悪〉
6 文化三、四年の京伝、馬琴と『桜姫全伝曙草紙』
7 馬琴流〈勧善懲悪〉の言表と「誤読」の問題
二松學舎の学芸
今西幹一・山口直孝[編]
四六判・408頁・2400円
ISBN978-4-87737-292-7 (10・3)
落合直文─「和」と「洋」の折衷、推進者─ 今西幹一
前田夕暮─都市と青春─ 山田吉郎
近松秋江─書簡体小説の名手─ 山口直孝
三島中洲─その義利合一論の性格─ 松川健二
橘純一の人と学績 町泉寿郎
平塚らいてう 岩淵宏子
加藤常賢─略歴とその学問 家井眞
下田歌子─百年の長計─ 大井三代子
複数のテクストへ
樋口一葉と草稿研究
戸松泉[著]
A5判・408頁・3800円
ISBN978-4-87737-292-7 (10・3)
Ⅰ 生成論の探求へ─序にかえて
草稿・テクスト、生成論の可能性
「生成論」の探求へこれまでの「文学研究」
樋口一葉─「テクスト」研究がめざすもの
Ⅱ 複数のテクスト
「たけくらべ」複数の本文
〈複数のテクスト〉─樋口一葉の草稿研究 (「雛鶏」と「たけくらべ」と)
注釈としての〈削除〉─「山椒魚」本文の生成について
Ⅲ 樋口一葉と草稿研究
揺らめく「物語」─「たけくらべ」試解
「軒もる月」 の生成─小説家一葉の誕生
「にごりえ」論のために
『水沫集』と一葉─「うたかたの記」/「にごりえ」
お関 の〈決心〉─「十三夜」試論
点滅するテクスト「この子」の時代
「わかれ道」の行方─交差した〈時間〉の意味
「われから」─〈小説〉的世界の顕現へ
一葉の草稿
村上波六と一葉
Ⅳ 「語りのレトリック」を読む
「小説家小説」 としての「趣味の遺伝」
太宰治「やんぬる哉」考─語り手「私」の〈詐術〉
女たちの風景─永井荷風「つゆのあとさき」素描
三島由紀夫 物語る力とジェンダー
豊饒の海』の世界
有元伸子[著]
四六判・323頁・2800円
ISBN978-4-87737-293-4 (10・3)
没後40年、三島の遺作『豊饒の海』を、〈ジェンダー〉と〈語り〉によって解析!
Ⅰ物語構造とジェンダー
1物語る力とジャンダー
2浄と不浄のおりなす世界
3人間関係図/時系列データ表
Ⅱ男性ー認識と行為の物語
1「客観性の病気」のゆくえ
2転生する「妄想の子供たち」
Ⅲ女性ー〈副次的人物〉は何を語るか
1綾倉聡子とは何ものか
2烈婦/悪女と男性結社
3「沈黙」の六十年
Ⅳ典拠と物語のジェンダー性
1『竹取物語』典拠説の検討
Ⅴ生成過程ー創作ノート・直筆原稿から見えるもの
1『天人五衰』の生成研究
2透と絹江、もう一つの物語
3 『天人五衰』の結
宮沢賢治 読者論
西田良子[著]
A5判・368頁・4800円
ISBN978-4-87737-298-9 (10・3)
第20回宮沢賢治賞!
序 如是我読
Ⅰ
賢治童話研究の始点
一つの「心象スケッチ」の出来上がるまで
四つの「銀河鉄道」
賢治童話の基底にあるもの
(一)死の意識について
(二)「いかり」と「あらそい」の否定から超克へ
賢治童話の思想
賢治童話の魅力
Ⅱ
賢治思想の軌跡
大正十年の宮澤賢治─賢治と国柱会─
賢治童話における「雪渡り」の位置
Ⅲ
[雨ニモマケズ]論
[雨ニモマケズ]読者論
Ⅳ
宮沢賢治のめざしたもの
宮沢賢治のメッセージ
宮沢賢治最後のメッセージ
❼……英語圏の世界を知る
フェリス女学院大学[編]
四六判・259頁・2800円
ISBN978-4-87737-203-2(10・3)
岸田國士の世界
日本近代演劇史研究会[編]
A5判・402頁・4500円
ISBN978-4-87737-294-1 (10・3)
鷗外白描
佐々木雅發[著]
A5判・607頁・8000円
ISBN978-4-87737-295-8 (10・3)
一 「舞姫」前夜
二 「舞姫」委曲
三 「舞姫」後日
「文づかい」論 ─イイダの意地─
「灰燼」論─挫折の構造─
「阿部一族」論─剽窃の系譜─
一 先行文献への疑義
二 原拠『阿部茶事談』増補過程の検討
三 『阿部茶事談』原本の性格
四 『阿部茶事談』増補の趨向
五 「阿部一族」─もう一つの異本─
「大塩平八郎」論─枯寂の空─
「安井夫人」論─稲垣論文に拠りつつ─
Ⅱ 鷗外記念館を訪ねて
「うたかたの記」
「灰燼」について考えていること
「大塩平八郎」
鷗外二題
一 「余興」その他
二 「津下」四郎左右衛門」
「歴史其儘と歴史離れ」
Ⅲ 抽斎私記
近代作家の構想と表現
清田文武[著]
四六判・317頁・3600円
ISBN978-4-87737-289-7 (09・11)
資性や風土的契機、時代の背景及び比較文学の視点からその現代的意義を探求。良寛にも及ぶ、豊穣な近代文学再発見の書!
Ⅰ 夏目漱石『行人』 とその周辺
Ⅱ 上田敏とその遺響
Ⅲ 小川未明の世界
Ⅳ 横光利一の構想と表現
Ⅴ 戦時下の小説とその背景
Ⅵ 坂口安吾の説話的世界
Ⅶ 詩人たちと佐渡・越後
文学の権能
漱石・賢治・安吾の系譜
押野武志[著]
四六判・317頁・3600円
ISBN978-4-87737-289-7 (09・11)
第1章 夏目漱石と同時代言説
1『平凡』をめぐる冒険 『門』論
2〈浪漫趣味〉の地平 『彼岸過迄』論
3『こゝろ』における抑圧の構造
4漱石と「大逆」事件論争の行方
第2章 病と死の修辞学
1〈痔〉の記号学 夏目漱石『明暗』論
2夢の修辞学 宮沢賢治「ガドルフの百合」論
3〈クラムボン〉再考 宮沢賢治「やまなし」論
4ばらまかれた身体 モダニズム文学と身体表象
第3章 詩と散文のあいだ
1南方オリエンタリズムへの抵抗
2ファシズムと文学Ⅰ 坂口安吾「真珠」の両義性
3ファシズムと文学Ⅱ 「十二月八日」作品群をめぐって
4「雨ニモマケズ」のパロディ 坂口安吾「肝臓先生」の戦略
5六〇年代詩の帰趨 天沢退二郎論
終章 文学のフラット化に向けて
精神分析以前
無意識の日本近代文学
生方智子[著]
A5判・311頁・3800円
ISBN978-4-87737-286-6 (09・11)
第一部
第一章 『はやり唄』 描写の欲望
第二章 「文章世界」 特集「写生と写生文」と田山花袋の描写への試み
第三章 「ホトゝギス」の「写生」 実践における視点のテクノロジー
第四章 寺田寅彦の「小説」におけるプロットの方法
第二部
第五章 『草枕』 〈運動〉の表象
第六章 『蒲団』 セクシュアリティをめぐる語り
第七章 『ヰタ・セクスアリス』 男色の問題系
第八章 『三四郎』『青年』 表象する〈青年〉たち
第三部
第九章 夏目漱石「写生文」と志賀直哉『濁った頭』 〈狂気の一人称〉という語り
第十章 『それから』「遊民」の共同性
第十一章 『行人』 歇私的里者のディスクール
第十二章 『二人の芸術家の話』 「天才」という存在
第十三章 『指紋』 〈謎解き〉の枠組
寂しい近代
漱石・鷗外・四迷・露伴
村好子[著]
四六判・375頁・2900円
ISBN978-4-87737-279-8 (09・11)
漱石と近代日本語
田島優[著]
A5判・368頁・4800円
ISBN978-4-87737-290-3 (09・11)
漱石の作品から、明治以降変遷する近代日本語の歴史を探る漱石を読むことは近代日本語の歴史を知ることである。
目次
第一章 近代日本語資料としての漱石作品
第二章 漱石の生涯と近代日本語
第三章 違和感(ノイズ)
第四章 漱石と江戸語(東京方言)
第五章 語の移り変わり
第六章 翻訳語法の定着
第七章 話しことばの移り変わり
第八章 漱石表記と書記意識
大正期の絵本・絵雑誌の研究
三宅興子・香曽我部秀幸[編]
B5判・370頁・全頁カラー・7200円
ISBN978-4-87737-287-3 (09・10)
第31回日本出版学会奨励賞受賞
第34回児童文学会特別賞受賞
札幌市中央図書館所蔵の池田コレクション8大正期の絵本95冊、絵雑誌19種182冊、その他の資料4冊9の意義とその考察。
第1部 「池田コレクション」所蔵 絵本・絵雑誌の概要と意義
第1章 絵本コレクションの概要と意義
第2章 絵雑誌コレクションの概要と意義
第2部 「池田コレクション」の絵本・絵雑誌の特色
第3章 絵本・絵雑誌にみる印刷技法と絵画表現
第4章 大正期の絵本・絵雑誌の言語表現
第3部 「池田コレクション」の絵本・絵雑誌の諸相
第5章 歴史絵本と絵雑誌にみる歴史英雄像
第6章 絵本・絵雑誌とポンチ
第7章 絵本・絵雑誌の「尽くし」的表現
第8章 絵本・絵雑誌の「しかけ」についての一考察
第9章 絵本・絵雑誌にみる〈遊びのイメージ〉
終章 日本絵本史における大正時代と「池田コレクション」の意味
源氏物語の歌と人物
池田節子・久冨木原玲・小嶋菜温子[著]
A5判・463頁・8800円
ISBN978-4-87737-284-2 (09・5)
光源氏の歌 高田祐彦/紫の上の歌ー育まれ、そして開かれていく歌 鈴木宏子/花散里・朝顔の姫君・六条御息所の物語と和歌 高木和子/歌から読む帚木三帖 津島知明/明石一族の和歌 秋澤亙/夕霧・雲居雁・落葉の宮と歌 橋本ゆかり/玉蔓十帖の和歌(玉蔓・蛍宮) 今井久代/近江の君・末摘花の和歌 青木賜鶴子/女三宮の「ひぐらし」の歌 井野葉子/八の宮・匂宮 の和歌 針本正行/薫の歌 久保朝孝/「隔てなき」男女の贈答歌 吉野瑞恵/浮舟の和歌 久富木原玲/『源氏物語』における歌わない人々 陣野英則
第二部 地位役柄からみた作中歌
帝の歌 室城秀之/后妃の歌 秀之/内侍の歌 高野晴代/官人たちの歌 池田節子/従者の和歌 長谷川範彰/女房たちの歌 吉井美弥子/男たちの記憶の中の女たちの歌 鈴木裕子/尼・僧侶の歌 松岡智之/老人の歌 小嶋菜温子/子どもの和歌 青木慎一/源氏物語の人物論・表現論を拓く 高橋 亨/『源氏物語』の歌と人物別和歌一覧
漱石・龍之介の俳句
斉藤英雄[著]
四六判・280頁・3000円
ISBN978-4-87737-277-4 (09・5)
万葉集と新羅
梶川信行[著]
A5判・286頁・4500円
ISBN978-4-87737-280-4 (09・5)
Ⅰ八世紀の東アジアにおけるグローバル化と日本 阿騎野と宇智野
古代日本におけるグローバル化をめぐる問題
Ⅱ心の中の「新羅」 万葉集と新羅
武庫の浦の入江
Ⅲ挽歌の諸相 遣新羅使歌の「挽歌」
新羅の尼理願の死をめぐって
Ⅳ東アジアの中の『万葉集』 東アジアの中の『万葉集』
付 渡来系人物辞典
万葉集と新羅(韓国語)
夏目漱石論
〈男の言説〉と〈女の言説〉
小泉浩一郎[著]
A5判・368頁・6000円
ISBN978-4-87737-283-5 (09・5)
Ⅱ『坊っちやん』の構造
『草枕』論
『野分』の周辺
観念と現実 『野分』論
Ⅲ『三四郎』論
『門』・一つの序章
『彼岸過迄』をめぐって
相対世界の発見
漱石『心』の根底
(付)戦後研究史における「漱石と『明治の精神』」
Ⅳ『心』から『道草』へ
『道草』の言語世界
『明暗』の構造/臨終前後
Ⅴ漱石論をめぐる二つの陥穽
『私の個人主義』の位置づけをめぐり
柿本人麻呂の詩学
西條勉[著]
A5判・261頁・4500円
ISBN978-4-87737-281-1 (09・5)
一 天武朝の人麻呂歌集歌
二 人麻呂歌集施頭歌の略体的傾向
三 人麻呂歌集七夕歌の配列と生態
四 人麻呂歌集略体歌の固有訓字
五 人麻呂歌集略体歌の「在」の表記
六 人麻呂作歌の異文系と本文系
七 石見相聞歌群の生態と生成
八 人麻呂の声調と文体
九 枕詞からみた人麻呂の詩法
補 あとがきにかえて
源氏物語〈桐壺巻〉を読む
吉海直人[著]
A5判・175頁・1600円
ISBN978-4-87737-274-3(09・4)
不思議の国・ニッポン
神尾登喜子[著]
四六判・304頁・1600円
ISBN978-4-87737-275-0(09・4)
女と絵本と男
中川素子[編]
A5判・174頁・1800円
ISBN978-4-87737-291-0 (09・4)
半開きの扉……ジェンダ─センシティブな絵本たち 落合恵子
翻訳が挑発する読者のセクシュアリティ 村中李衣
絵本と男たちの饗宴─『僕が生まれた音』をめぐって 石井光恵
『Oの物語』から考えるセクシュアル・マイノリティ 刈谷雅
男性の身勝手と女性の自立─おんぶされているのはどっち? 藤本朝巳
石と仔犬─平凡な、かけがえのない個性 今田由香
私は生まれた、母のあそこから 中川素子
第二章 授業「絵本とェンダ─」から
第三章 女と男を考える絵本ガイド三六冊
漱石の「こゝろ」を読む
佐々木雅發[著]
四六判・148頁・1800円
ISBN978-4-87737-276-7(09・4)
方丈記における日中文学の比較的研究
張利利 [著]
A5判・270頁・6000円
ISBN978-4-87737-271-2(09・1)
流動するテクスト 堀辰雄
渡部麻実[著]
A5判・324頁・3600円
ISBN978-4-87737-268-2(08・11)
上司小剣論
吉田悦志[著]
四六判・320頁・3200円
ISBN978-4-87737-273-6(08・11)
小剣の摂津多田神社時代は、この作家が常に遡行した原点である。「天満宮」などの名作は、小剣がこの時代に体験し抱え込んだ宿命を形象化した作品である。いま一つ、いわゆる明治社会主義本体への接近と離脱の時代が小剣文学の核心を形成する。二つの時代の原体験が重なり合って、自我隠匿の独自の小剣文学が創生する。
〈自己表象〉の文学史 〔増補版〕
自分を書く小説の登場
日比嘉高[著]
A5判・280頁〈2刷〉・4200円
ISBN978-4-87737-272-9 (08・11)
姫君たちの源氏物語
三村友希[著]
A5判・239頁・4800円
ISBN978-4-87737-266-8(08・10)
狭衣物語が拓く言語文化の世界
狭衣物語研究会[編]
A5判・375頁・6800円
ISBN978-4-87737-267-5(08・10)
表象の現代
関礼子・原仁司[編]
A5判・312頁・3600円
ISBN978-4-87737-270-5 (08・10)
思想篇 「朕」の居場所 篠崎美生子/経験の実験/一九九五年-荒川修作+マドリン・ギンズ『養老天命反転地』から 永野 宏志/語ることと沈黙すること-昭和史論争と歴史のポイエーシス 山崎 正純
映像篇 物語る身体-田中絹代と戦前・戦後の映像空間 関 礼子/喪の失敗ー新藤兼人『原爆の子』と「戦後」・ヒロシマ 深津謙一郎/司馬遼太郎と映画- 一九六〇年代におけるプログラムピクチャーの変容 紅野 謙介
芹沢光治良
評伝
勝呂奏[著]
A5判・346頁・4000円
ISBN978-4-87737-265-1(08・9)
序作家の精神/誕生・我入道/楊原尋常小学校/沼津中学校/第一高等学校・東京帝国大学/農商務省・結婚/パリ留学・結核闘病/作家デビュー/同伴者作家/日中戦争/太平洋戦争/戦後の再出発/ヨーロッパ再訪/作家の覚悟/『人間の運命』(1)(2)/芸術院会員・日本ペンクラブ会長/『芹澤光治良作品集』の頃/妻の死・〈神〉との出会い/〈神〉との日々/作家の死
太宰治の〈物語〉
遠藤祐[著]
四六判・378頁・3800円
ISBN4-87737-183-4(08・9)
上野発一〇三列車/「魚服記」「地球図」「燈籠」など/「地球図」を読む/「俗天使」の〈私〉/〈走る〉ものの物語/〈背骨〉のなかでうたうもの/「鷗」と「風の便り」を軸に/「誰」/ふたつの音/〈奥さま〉と〈ウメちゃん〉と/『人間失格』と大庭葉蔵/応えられた物語
❹……多文化・共生社会のコミュニケーション論
フェリス女学院大学[編]
四六判・300頁・2800円
ISBN978-4-87737-264-4(08・6)
源氏物語の〈記憶〉
橋本ゆかり[著]
A5判・253頁・4800円
ISBN978-4-87737-263-7(08・4)
薫りの源氏物語
源氏物語をいま読み解く2
三田村雅子・河添房江[編]
四六判・231頁・2400円
ISBN978-4-87737-262-0 (08・4)
【座談会】薫りの誘惑/薫りの文化
高島靖弘+三田村雅子+河添房江
源氏物語の〈栞〉「梅枝」の薫香 尾崎左永子
芳香の成立 森 朝男
平安京貴族文化とにおい─芳香と悪臭の権力構造─ 京樂真帆子
『源氏物語』における闇と「におい」 安田政彦
「嗅覚」と「言葉」 金秀姫
紫上の薫物と伝承 田中圭子
「身体が匂う」ということ─薫の体香の再考へ向けて 吉村晶子
〈見えるかをり〉/〈匂うかをり〉─薫の〈かをり〉が表象するもの─ 助川幸逸郎
「飽かざりし匂ひ」は薫なのか匂宮なのか─もうひとつの別の解釈─ 吉村研一
〈香りの源氏物語〉のための文献ガイド 吉村晶子
宮本百合子と湯浅芳子
黒澤亜里子[編・著]
A5判・683頁・5000円
ISBN978-4-87737-261-3 (08・3)
「三島由紀夫」の誕生
杉山欣也[著]
A5判・375頁・4500円
ISBN978-4-87737-260-6(08・2)
アプローチ児童文学
関口安義[編]
A5判・224頁・1800円
ISBN978-4-87737-257-6(08・1)
Ⅰ 近代児童文学の史的展開 Ⅱ 児童文学の諸分野 伝承文芸・歴史物語・冒険物語・幼年童話 少年少女小説・動物物語・戦争児童文学・絵本ファンタジー・童謡・漫画・アニメーション Ⅲ 児童文学の周辺 わらべうた・ストーリーテリング・児童劇の世界 児童文学とジェンダー・児童文学と教科書 Ⅳ 日本児童文学の作家と作品 巌谷小波・小川未明・浜田広介・千葉省三・宮沢賢治・豊島与志雄・宇野浩二・坪田譲治・新美南吉・北原白秋・金子みすゞ・壺井栄・椋鳩十・いぬいとみこ・佐藤さとる・松谷みよ子・今西祐行・今江祥智・安房直子・谷川俊太郎 Ⅴ 児童文学研究図書館・資料館案内 Ⅵ 児童文学主要研究文献一覧
歌舞伎文字勘亭流
伏木寿亭[著]
A5判・292頁・2800円
ISBN4-87737-259-0(08・1)
三島由紀夫と歌舞伎
木谷真紀子[著]
四六判・311頁・2800円
ISBN978-4-87737-258-3(07・12)
インタビュー 永山武臣/長谷川勘兵衞
明治女性文学論
新・フェミニズム批評の会[編]
A5判・415頁・3800円
ISBN978-4-87737-255-2 (07・11)
世阿弥と禅
大友泰司[著]
四六判・204頁・2400円
ISBN978-4-87737-256-9(07・11)
京都北山の「花の御所」に鹿苑寺金閣があり、臨済宗の大徳寺がある。大徳寺・相国寺の中国僧や帰化僧達が幕府に貢献し、禅宗をもとにした諸文化が醸成された。一方曹洞禅にあっても、全国のネットワークが出きるほどの発展を見せた。そんな中で申楽能は世阿弥の曹洞禅との出会いによって芸術あふれる芸能となり文化史上特に精神文化の面で確固たる地位を築いたのである。
鷗外文芸とその影響
清田文武[著]
A5判・560頁・9000円
ISBN978-4-87737-254-5(07・11)
幸田文「わたし」であることへ
藤本寿彦[著]
四六判・232頁・2800円
ISBN978-4-87737-253-8(07・8)
それは笑顔で始まった/「向嶋蝸牛庵」-中廊下型住宅というトポス/三 花柳界における情報媒体、「女中」の物語/大正期、「不良」の身体性/暮しの情報発信者、というセルフイメージ/ディスコミュニケーションの現場を構築する語りの方法/日本の戦後空間と幸田文/語りが孕むフィクション世界の位相/メディアと幸田文
志賀直哉
暗夜行路の交響世界
宮越勉[著]
A5判・408頁・6900円
ISBN978-4-87737-252-3(07・7)
江戸の俳諧説話
伊藤龍平
A5判・392頁・8800円
ISBN978-4-87737-246-0(07・6)
永井荷風のニューヨーク・パリ・東京
造景の言葉
南明日香[著]
A5判・400頁・3800円
ISBN978-4-87737-251-4(07・6)
狭衣物語/批評
鈴木泰恵[著]
A5判・512頁・12000円
ISBN978-4-87737-250-7(07・5)
児童文学研究を拓く
三宅興子先生退職記念論文集刊行会[編]
A5判 382頁
ISBN4-87737-249-1(07・5)
江戸文学の冒険
大輪靖宏[編]
四六判・224頁・2800円
ISBN978-4-87737-247-7(07・4)
ある無名作家の肖像
東郷克美[著]
四六判・287頁・2800円
ISBN978-4-87737-245-3 (07・3)
児童文学の愉楽
三宅興子
四六判・376頁・3600円
ISBN4-87737-241-5(06・12)
式子内親王の歌風
平井啓子[著]
四六判・319頁・2800円
ISBN4-87737-236-9(06・12)
式子内親王研究史
一 古典摂取の位相
二 漢詩摂取
三 『新古今集』所収の忍恋の歌
大和物語研究史
柳田忠則[著]
四六判・285頁・3800円
ISBN4-87737-239-9(06・12)
漱石のなかの〈帝国〉
柴田勝二[著]
A5判・287頁・3000円
ISBN4-87737-240-7(06・12)
連続する個人と国家/〈戦う者〉の系譜/〈光〉と〈闇〉の狭間/自己を救うために/陰画としての〈西洋〉/表象される〈半島〉/未来への希求/〈過去〉との対峙
文学的記憶・一九四〇年前後
大原祐治[著]
A5判・351頁・4800円
ISBN4-87737-237-7 (06・11)
シュイクスピアの喜劇における両義性
赤羽美鳥[著]
四六判・301頁・2500円
ISBN4-87737-235-0(06・11)
独歩と漱石
佐々木雅發[著]
四六判・366頁・3000円
ISBN4-87737-216-4 (06・11)
横光利一と中国
井上聰[著]
A5判・319頁・3800円
ISBN4-87737-234-2(06・10)
1 本文(復刻)/『改造』『文學クオタリイ』
2 『上海』(書物展望社版)五・三〇事件に関連する本文比較と異同
3 横光利一と中国-『上海』の構成と五・三〇事件
4 資料 『上海』関連略年表/主要参考文献
山上憶良の研究
東茂美[著]
A5判・1016頁・28000円
ISBN4-87737-230-X(06・10)
雑-東アジアのなかの憶良/世間論/愛児論/身体論/沈痾自哀文論/好去好来歌論/憶良の帰去来/終焉
ことば、ことば、ことば
久保田淳[著]
四六判・253頁・2500円
ISBN4-87737-233-4(06・10)
廣津和郎研究
坂本育雄[著]
A5判・512頁・6800円
ISBN4-87737-232-6(06・9)
二部 論考Ⅰ/一 初期の廣津和郎/性格破産者論/論争/廣津和郎とその周辺
三部 論考Ⅱ/戦時下の廣津和郎/実名小説の傑作「あの時代」/日本の作家と「満州」問題/廣津和郎の徳田秋聲観/廣津柳浪「女子参政蜃中楼」/廣津和郎と廣津桃子/廣津和郎の中のチェーホフ 資料
横光利一の文学世界
石田仁志・渋谷香織・中村三春[編]
A5判・228頁・2500円
ISBN4-87737-227-X(’06・6)
鷗外・漱石・鏡花-実証の糸
上田正行[著]
A5判・580頁・9000円
ISBN4-87737-231-8 (06・6)
光源氏物語學芸史
上原作和[著]
A5判・424頁・9400円
ISBN4-87737-229-6(06・5)
文献実証主義の文学理念のもと、出典論・作家論・歴史社会学などの諸成果を参看しつつ「光源氏物語」の成り立ちと仕組みを究明する。
光源氏物語〈學藝史〉の構想/『源氏の物語』原姿〈本文史學〉構築のために/記憶の中の光源氏/物語作家誕生
描かれた源氏物語
源氏物語をいま読み解く1
三田村雅子・河添房江[編]
四六判・231頁・2400円
ISBN978-4-87737-238-5 (06・4)
佐野みどり+三田村雅子+河添房江
「源氏物語絵巻」と物語の《記憶》をめぐる断章 河添房江
女三宮再考 稲本万里子
『花鳥風月』における伊勢・源氏 高橋 亨
源氏物語絵巻の境界表象 立石和弘
源氏の間を覗く─白描源氏物語絵巻と女房の視座 メリッサ・マコ─ミック
光吉系色紙形源氏絵の行方─斎宮歴史博物館蔵「源氏物語絵色紙」 の紹介をかねて 河田昌之
源氏絵の中の「天皇」 三田村雅子
松岡映丘筆「宇治の宮の姫君たち」 をめぐって 片桐弥生
〈描かれた源氏物語〉のための文献ガイド 水野僚子
源氏物語の方法
三谷邦明[著]
A5判・462頁・9000円
ISBN978-4-87737-244-6(06・4)
絵本と子どものであう場所
幼稚園絵本文庫10年の記録
三宅興子ほか[編]
A5判・422頁・3200円
ISBN4-87737-228-8(06・4)
芥川龍之介と中島敦
鷺只雄[著]
四六判・261頁・2800円
ISBN4-87737-225-3 (06・4)
「羅生門」の誕生
関口安義[著]
四六判・1800円
ISBN978-4-87737-282-8(09・5)
芥川龍之介
絵画・開化・都市・映画
安藤公美[著]
A5判・554頁・5600円
ISBN4-87737-224-5(06・3)
幸田露伴論
関谷博[著]
A5判・369頁・5600円
ISBN4-87737-221-0(06・3)
室生犀星研究
髙瀬真理子[著]
A5判・400頁・5000円
ISBN4-87737-226-1(06・3)
太宰治はがき抄
近畿大学日本文化研究所[編]
A5判・222頁・2500円
ISBN4-87737-223-7(06・3)
高橋氏文注釈
上代文献を読む会[編]
A5判・600頁・9800円
ISBN4-87737-220-2(06・3)
石川啄木とロシア
安元隆子[著]
A5判・386頁・4800円
ISBN4-87737-222-9(06・2)
Ⅰ 啄木と日露戦争//「マカロフ提督追悼の詩」論/ロシア・クロンシュタットのマカロフ提督碑文考証/トルストイ日露戦争論と啄木 Ⅱ 啄木と社会主義女性論/「ソニア」の歌/啄木と社会主義女性論/”ATARASIKI MIYAKO NO KISO‘論/ツルゲーネフ‘On the eve’と啄木 Ⅲ 啄木詩歌の思想 /啄木の「永遠の生命」/「呼子と口笛」論/「呼子と口笛自筆絵考/ゴーリキーと啄木/啄木と樺太 Ⅳロシアにおける啄木啄木詩歌のロシア語翻訳考/ロシアにおける啄木研究/等
係争中の主体
中村三春[著]
四六判・334頁・3800円
ISBN4-87737-219-9 (06・2)
物語夏目漱石 『』と物語のメカニズム他/フラグメント太宰治 アンドレ・ジイドと太宰治の“純粋小説”他/パラドックス宮澤賢治 賢治的テクストとパラドックス他/エピローグフィクションとメタフィクション
古代文学の諸相
多田みや子[著]
A5判・453頁・12000円
ISBN4-87737-215-6(06・1)
第18号
特集◎『明暗』
《鼎談》加藤周一
2400円
ISBN4-87737-218-0(05・10)
近代小説、どこが? 富山太佳夫
資本主義と“文学”藤森 清
◎はじめとおわり
「擬いの西洋舘」のト(ロ)ポロジー 高山 宏
〈終り〉をめぐるタイポロジー 高橋 修
◎『明暗』のうしろがわ
不可視と不在の『明暗』 長山靖生
『明暗』とポアンカレの「偶然」 小山慶太
◎愛と女性
『明暗』の「愛」に関するいくつかの疑問 飯田祐子
女の「愛」と主体化 池上玲子
▼エッセイ 竹盛天雄・一海知義・十重田裕一・本杉浦芳夫
▼インタビュー香山リカ
▼香水をつけたハンカチ加藤洋介
▼書評 飛ヶ谷美穂子
▼文献目録 '01・7〜'03・6
日本近代象徴詩の研究
佐藤伸宏[著]
A5判・382頁・8000円
ISBN4-87737-214-8(05・10)
上田敏論 上田敏の翻訳態度/〈秋の歌〉/「象徴詩」の理念/「象徴詩」の再定義 蒲原有明論 『春鳥集』から『有明集』へ/『有明集』論/蒲原有明の詩的理念/「人魚の海」論/『有明集』の位相/散文詩への展開 明治期象徴詩の帰趨 自然主義と象徴詩/象徴詩の転回他
近代文学 性の位相
秋山公男[著]
四六判・409頁・3800円
ISBN4-87737-212-1 (05・10)
樋口一葉と現代
木村真佐幸[著]
四六判・224頁〈2刷〉・1800円
ISBN4-87737-209-1(’05・5)
3……平野謙と「戦後」批評
A5判・692頁・5000円
ISBN4-87737-177-X(05・5)
子供たちに伝えたい校長先生のお話
澤正宏[著]
A5判・192頁・定価1800円+税
ISBN4-87737-211-3(05・5)
西鶴小説論
対照的構造と〈東アジア〉への視界
染谷智幸[著]
A5判・588頁・9800円
ISBN4-87737-207-5(05・4)
[一部]総論[二部]西鶴と東アジア、そして十七世紀[三部]西鶴のロマンスとユートピア[四部]西鶴の空間、変転するコントラスト
第10号
特集◎物語の未来へ
《座談会》今西祐一郎・高橋亨
2400円
ISBN4-87737-210-5(05・4)
◎身体の交感 松井健児/水と光の情景/河添房江/女三の宮物語と唐物/木村朗子/宇治の宿直人
◎欲望する読者 陣野英則/『源氏物語』の読者論序説/安藤徹/雲居雁三態/井上眞弓/比定する精神
▼インタビュー白石加代子
▼文献ガイド秋本宏徳
▼「源氏物語」と私 久保田淳
▼源氏物語の栞
長谷川政春/関根賢司
▼海外における源氏研究 依田富子
▼インターセクション 三田村雅子
軍記と王権のイデオロギー
大津雄一[著]
A5判・416頁・8000円
ISBN4-87737-206-7(05・3)
平安後期公卿日記の日本語学的研究
清水教子[著]
A5判 475頁・12000円
ISBN4-87737-208-3(05・3)
秋成考
飯倉洋一[著]
A5判・395頁・8000円
ISBN4-87737-205-9(05・2)
❸……異文化の交流と共生
フェリス女学院大学[編]
四六判・295頁・2800円
ISBN978-4-87737-203-2(04・12)
漱石と漢詩
近代への視線
加藤二郎[著]
A5判・333頁・5600円
ISBN978-4-87737-196-6(04・11)
漱石研究の未踏の領野への到達を示す畢生の論集。
日本女子大学で学んだ文学者たち
青木生子・岩淵宏子[編]
四六判・416頁・2500円
ISBN4-87737-202-4(04・11)
対話する漱石
内田道雄[著]
四六判・294頁・3200円
ISBN4-87737-197-4(04・11)
岡本かの子 いのちの回帰
高良留美子[著]
四六判・213頁・2400円
ISBN4-87737-194-X(04・11)
王朝摂関期の養女たち
倉田実[著]
A5判・855頁・24000円
ISBN4-87737-201-6(04・11)
Ⅰ『栄花物語』と歴史文献から 平安時代の養子女論/『栄花物語』の出養にかかわる語彙・用語 付・養子縁組表 他/Ⅱ『源氏物語』から 養女養育婚姻譚の生成/明石姫君の袴着/玉鬘の裳着/Ⅲ『夜の寝覚』と『夜寝覚物語』から 石山姫君の出養と源氏物語引用 他/Ⅳ『狭衣物語』から 源氏の宮の養女性/今姫君の養女性/預かりの若宮の即位 他
第17号
特集◎『門』
《鼎談》川本三郎
2400円
ISBN4-87737-200-8(04・10)
「平凡」をめぐる冒険 押野武志
占領の言説、あるいは小市民たちの帝国 五味渕典嗣
◎女たちの物語
「残酷な母」の語られ方 久米依子
失われゆく避難所 北川扶生子
『虞美人草』と『門』の抱一屏風 玉蟲敏子
◎『門』を生きる時間
『門』─野中夫婦のゆくえ 玉井敬之
『門』の幾何学紋様 福井慎二
過去を書き換えるということ 千田洋幸
▼恐怖と排除の構造朴 裕河
▼書評 関礼子・斉藤英雄・朴裕河
〈名作〉の壁を超えて
舞姫』から『人間失格』まで
高田知波[著]
四六判・255頁・2400円
ISBN4-87737-195-8 (04・10)
読本研究新集
第五集
A5判・228頁・6800円
ISBN4-87737-199-0(04・10)
わたしの身体、わたしの言葉
ジェンダーで読む日本近代文学
江種満子[著]
A5判・555頁・6000円
ISBN4-87737-198-2(04・10)
夏目漱石詩句印譜
玉井敬之[著]
四六変型
ISBN4-87737-192-3(04・9)
絵本ガイドブック
三宅興子・浅野法子・鈴木穂波[編]
A5判 160頁
ISBN4-87737-191-5(04・9)
2……差異の近代
透谷・啄木・プロレタリア文学
A5判・635頁・5000円
ISBN4-87737-176-1(04・6)
芥川龍之介
日本文学コレクション
庄司達也・篠崎美生子[編]
A5判・120頁〈3刷〉・1500円
ISBN4-87737-189-3(04・5)
有吉佐和子の世界
井上謙・半田美永・宮内淳子[編]
A5判・335頁・3800円
ISBN4-87737-193-1(04・10)
第9号
特集◎歌と伝承の回路
《座談会》岩佐美代子
2400円
ISBN4-87737-187-7(04・4)
◎せめぎあう歌ことば 近藤みゆき/男と女の「ことば」の行方/鈴木宏子/葛藤する歌
/生成としての享受 前田雅之/藤壺密通事件をめぐる言説と注釈/石井正己/女性たちの源氏物語/田渕句美子/『物語二百番歌合』の方法
▼インタビュー ジョシュア・S・モストウ
▼文献ガイド 三村友希
▼源氏物語の栞 内海清美/林田孝和
▼「源氏物語」と私 中西進
▼海外における源氏研究 藤井由紀子/吉野瑞恵/三田村雅子
▼インターセクション 池田和臣
源氏物語における思惟と身体
石阪晶子[著]
A5判・384頁・9000円
ISBN4-87737-186-9(04・3)
Ⅰ正篇における思惟と身体/Ⅱ宇治十帖における思惟と身体
源氏物語の准拠と系譜
浅尾広良[著]
A5判・406頁・8000円
ISBN4-87737-185-0(04・1)
序章「准拠」研究の可能性/Ⅰ太上天皇・天皇・政治学/Ⅱ「太上天皇になずらふ」光源氏/Ⅲ物の怪の論理/Ⅳ系譜意識の論理
芥川龍之介新辞典
関口安義[編]
A5判・850頁・12000円
ISBN4-87737-179-6(03・12)
〈主な項目〉Ⅰ時代と社会/Ⅱ軌跡/Ⅲひと/Ⅳ外国の作家・思想家/Ⅴ作品・著書/Ⅵ雑誌・新聞/Ⅶ知的空間/Ⅷことば/Ⅸ土地/エピソード/付録
⑫……文林逍遙
四六判・606頁・3800円
ISBN4-87737-184-2(03・12)
1……漱石・女性・ジェンダー
A5判・530頁・5000円
ISBN4-87737-175-3(03・12)
一葉以後の女性表現
文体スタイル・メディア・ジェンダー
関礼子[著]
A5判・340頁・3800円
ISBN4-87737-182-6(03・11)
Ⅰ メディアの時代/Ⅱ 「一葉」というハードル/Ⅲ 明治から読む『源氏物語』
俳人・高田蝶衣
小早川健[著]
四六判・220頁
ISBN4-906434-25-2(93・11)
第16号
特集◎『虞美人草』
《鼎談》水村美苗
2400円
ISBN4-87737-180-X(03・10)
◎『虞美人草』のトポロジー
女が男を誘うとき 塩崎文雄
博覧会と読書 和田敦彦
◎恋と相続の問題系
藤尾一人の恋 小山静子
男の法、女の法 北田幸恵
◎引用を織り上げる
『虞美人草』と『青春』 平岡敏夫
模倣の転覆 瀬崎圭二
◎型のかたち
アレゴリー小説としての『虞美人草』 高橋 修
メロドラマとしての『虞美人草』 関 肇
◎小説の方へ
「小説」の構築武田信明
小説に似る小説:『虞美人草』金子明雄
▼書評 藤森清・島村輝・北川扶生子・石井和夫・若林幹夫
▼文献目録 '00・7〜'01・6
芥川龍之介 文学空間
佐々木雅發[著]
A5判・520頁〈2刷〉・4000円
ISBN4-87737-179-6(03・9)
真珠夫人
本文・注解・考説
菊池寛研究会[編]
A5判・2分冊(300頁・254頁)・4000円
ISBN4-87737-172-9(03・8)
本文編
注解・考説編 1注解・考説 2本文異同 3参考地図 4「真珠夫人」評価史稿
風土記逸文注釈
上代文献を読む会[編]
A5判・727頁・18000円
ISBN4-87737-116-8(03・6)
読本研究新集
第四集
A5判・276頁・6800円
ISBN4-87737-173-3(03・6)
中世後期語論考
出雲朝子[著]
A5判・532頁・12000円
ISBN4-87737-174-5(03・5)
もうひとつのイギリス児童文学史
三宅興子[著]
B5判・320頁・8000円
ISBN4-87737-188-5(03・5)
源氏物語の人物と表現
その両義的展開
原岡文子[著]
A5判・670頁・12000円
ISBN4-87737-169-9(03・5)
第8号
特集◎新たなる入門
《座談会》俵万智
2400円
ISBN4-87737-170-2(03・4)
◎身体知へのアクセス/今井上/六条御息所生霊化の理路/東原伸明/源氏物語の読み方
◎エクリチュールの揺らぎ/稲本万里子/「源氏物語絵巻」の景観/神田龍身/エクリチュールとしての〈音楽〉
◎転生するカノン/津島知明/教科書の中の源氏物語/河添房江/正典化する現代語訳
▼文献ガイド 吉野誠
▼インタビュー 林 望
▼海外における源氏研究金秀姫
▼源氏物語の栞 吉岡幸雄/小泉吉宏/神野藤昭夫
▼「源氏物語」と私 鈴木日出男
▼インターセクション 小池笑芭
石川達三の戦争小説
白石喜彦[著]
A5判・220頁・3800円
ISBN4-87737-168-0(’03・3)
司書教諭のための 学校図書館概論
〈改訂版〉
潟沼誠二・清野隆・吉田裕男・潟沼潤[著]
A5判・228頁・1900円
ISBN4-87737-146-X(03・3)
Ⅰ 学校経営と学校図書館 Ⅱ 学校図書館メディアの構成 Ⅲ 学習指導と学校図書館 Ⅳ 読書と豊かな人間性 Ⅴ 情報メディアの活用 【付録】
天平万葉論
梶川信行・東茂美[編]
A5判・285頁・4000円
ISBN4-87737-171-0(03・4)
古代の和歌言説
吉野樹紀[著]
A5判・376頁・9000円
ISBN4-87737-167-2(03・3)
❷……ペンをとる女性たち
フェリス女学院大学[編]
四六判・266頁・定価2400円
ISBN4-87737-165-6(03・2)
近世冷泉派歌壇の研究
久保田啓一
A5判・396頁・8800円
ISBN4-87737-166-4(03・2)
二葉亭・漱石と自然主義
田中保隆[著]
A5判・620頁・12000円
ISBN4-87737-161-3 (03・1)
王朝文学論叢
山田清市[著]
A5判・446頁・12000円
ISBN4-87737-163-X(02・12)
小林多喜二の人と文学
布野栄一[著]
四六判・223頁・2800円
ISBN4-87737-156-7(02・10)
笑いのユートピア
『吾輩は猫である』の世界
清水孝純[著]
A5判・427頁・6000円
ISBN4-87737-159-1(02・10)
作品と歴史の通路を求めて
〈近代文学〉を読む
伊藤忠[著]
四六判・197頁・2800円
ISBN4-87737-157-5 (02・10)
〈シンポジウム〉 日本近代文学の軌跡
四六判・309頁・3800円
ISBN4-87737-158-3(02・10)
秋成と宣長
小椋嶺一[著]
A5判・542頁
ISBN4-87737-152-4(02・10)
第15号
特集◎『行人』
《鼎談》吉本隆明
2400円
ISBN4-87737-160-5(02・10)
恋愛と家父長制 三浦雅士
狂気と恋愛の技術 松下浩幸
ロマンチックラブの敗退とホモソーシャリティの忌避 森本隆子
◎意識と身体
漱石と神経衰弱 川村邦光
歇私的里者のディスクール 生方智子
医療のお得意さま 小平麻衣子
暗示は戦う 佐々木英昭
◎脱特権化される漱石
「黙約」のポリティクス 田口律男
文科大学の学者ということ 高田理惠子
行人注跡上史郎
▼書評 木股知史・戸松泉・押野武志・小森陽一
▼文献目録 '99・7〜'00・6
八雲と鷗外
浅野三平[著]
A5判・385頁・8000円
ISBN4-87737-155-9 (02・9)
❶……源氏物語の魅力を探る
フェリス女学院大学[編]
四六判・246頁 定価1800円
ISBN4-87737-153-2(02・7)
俳諧とその周辺
森川昭[著]
四六判・289頁
ISBN4-87737-154-0(02・6)
坂上郎女と家持
大伴家の人々
小野寺静子[著]
A5判・386頁・8000円
ISBN4-87737-148-6(02・5)
宮廷歌人車持千年
奈良前期万葉研究
村山出[著]
四六判・204頁・3800円
ISBN4-87737-149-4(02・5)
大岡昇平と歴史
柴口順一[著]
A5判・238頁・4800円
ISBN4-87737-144-3(02・5)
源氏物語の言説
三谷邦明[著]
A5判・496頁・9000円
ISBN4-87737-151-6(02・5)
第7号
特集◎物・住まい・自然
《座談会》田辺聖子
2400円
ISBN4-87737-150-8(02・4)
◎文化の記憶/植田恭代/『源氏物語』にみる場としての「藤壺」/清水婦久子/「光源氏と夕顔」再論/浅尾広良/光源氏の算賀
◎空間の表象/葛綿正一/匂宮三帖における物・住まい・自然/吉野瑞恵/「端近」なる女君たち
▼文献ガイド 橋本ゆかり
▼インタビュー
ツベタナ・クリステワ
▼海外における源氏研究 エイドリアン・ピニングトン/キャサリン・リュー/金鍾徳
▼源氏物語の栞 水原紫苑/田中貴子/増田繁夫/三田村雅子
▼「源氏物語」と私 三谷邦明
▼インターセクション 上野英子/ナオミ・フクモリ、キャサリン・リュー
中世・鎌倉の文学
佐藤智広・小井土守敏[編]
A5判・128頁・1600円
ISBN4-87737-147-8(02・3)
蚕娘の繊絲Ⅰ
日本近代劇のドラマトゥルギー
西村博子[著]
A5判・582頁・9000円
ISBN4-87737-121-4(02・3)
蚕娘の繊絲Ⅱ
日本近代劇のドラマトゥルギー
西村博子[著]
A5判・520頁・9000円
ISBN4-87737-122-2(02・3)
小説の〈かたち〉・〈物語〉の揺らぎ
日本近代小説「構造分析」の試み
戸松泉[著]
A5判・422頁・3800円
ISBN4-87737-142-7 (02・2)
語り物の比較研究
韓国のパンソリ巫歌と日本の語り物
邊 恩田[著]
A5判・426頁・9000円
ISBN4-87737-143-5(02・2)
小野家の女たち、小町とお通
笠原ひさ子[著]
四六判・223頁・1800円
ISBN4-87737-139-7(01・12)
近代日本語における用字法の変遷
尾崎紅葉を中心に
近藤瑞子[著]
A5判・435頁・120000円
ISBN4-87737-141-9 (01・11)
周作人と日本近代文学
于耀明[著]
A5判・230頁・4000円
ISBN4-87737-135-4(01・11)
近代文学 美の諸相
秋山公男[著]
四六判・560頁・4200円
ISBN4-87737-136-6 (01・10)
読本研究新集
第三集
A5判・219頁・6800円
ISBN4-87737-138-9(01・10)
第14号
特集◎『吾輩は猫で ある』
《鼎談》中島梓
2400円
ISBN4-87737-140-0(01・10)
◎日露戦争の中の『猫』
拗ねた人間と哲学する猫 大江志乃夫
「太平の逸民」の日露戦争 五井信
戯作と論説の邂逅 真銅正宏
運動としての殺戮 小森陽一
◎関係性を生きる『猫』
交際と戦争 赤井恵子
猫の家の人々 久米依子
◎その後の『猫』たち
メディア「吾輩」百年後までのリアリティ 太田鈴子
吾輩の死んだあとに 日比嘉高
▼『吾輩は猫である』を読むベスト21 福井慎二
▼インタビュー 南條竹則
▼二つの『心』孫軍悦
▼書評 小平麻衣子・篠崎美生子
▼文献目録 '98・7〜'99・6
詩の成り立つところ
日本の近代詩・現代詩への接近
澤正宏[著]
四六判・301頁・3800円
ISBN4-87737-118-4(01・9)
近代の詩精神
飛高隆夫[著]
四六判・292頁・3800円
ISBN4-87737-031-5(01・9)
廣津和郎
評伝
坂本育雄[著]
四六判・278頁
ISBN4-87737-133-8(01・9)
父の贈り物
青木笙子[著]
四六判・274頁・定価1800円+税
ISBN4-87737-131-1(01・7)
鷗外・漱石と近代の文苑
伊狩章[著]
A5判・482頁・9000円
ISBN4-87737-132-X (01・7)
宮本百合子の時空
岩淵宏子・北田幸恵・沼沢和子[編]
四六判・380頁・3800円
ISBN4-87737-127-3(01・6)
❷……漱石以後Ⅱ
四六判・480頁・4800円
ISBN4-87737-130-0(01・6)
読み歌の成立
大伴旅人と山上憶良
原田貞義[著]
A5判・466頁・12000円
ISBN4-87737-119-2(01・5)
源氏物語いま語り
三田村雅子・河添房江・松井健児[編]
四六判・322頁・2400円
ISBN4-87737-125-7(01・5)
現代に甦る『源氏物語』/瀬戸内寂聴/橋本治/尾崎左永子/隣接する知の地平から/河合隼雄/山口昌男/山折哲雄/メディアとしての『源氏物語』/千野香織/松岡心平/篠田正浩/大和和紀/エピローグ-21世紀の『源氏物語』/藤井貞和
第6号
特集◎21世紀を拓く
《シンポジウム》三谷邦明/高橋亨/小林正明/三田村雅子
2400円
ISBN4-87737-124-9(01・4)
ハルオ・シラネ/今西祐一郎/リリー・セルデン/河添房江/土方洋一/吉井美弥子/秋山虔
◎可変態としての第一部/高田祐彦/長編の始動/加藤昌嘉/源氏物語のさまざまの貌
◎逆説のなかの第二部/高木和子/若菜巻発端の論理/松井健児/紫の上の最期の顔
◎反転する第三部/鈴木裕子/薫論のために/井野葉子/〈隠す/隠れる〉浮舟物語/三田村雅子/浮舟を呼ぶ
▼文献ガイド 徳江純子
▼共同討議 安藤+助川+立石+橋本+松岡+松井
▼海外における源氏研究
ロイヤル・タイラー
▼「源氏物語」と私 山中裕
▼源氏物語の栞
鈴村和成/俵万智
▼インターセクション
中西立太/近藤泰弘
村上春樹
分身との戯れ
酒井英行[著]
四六判・245頁・1800円
ISBN4-87737-129-X(01・4)
奈良朝漢詩文の比較文学的研究
藏中しのぶ[著]
A5判・544頁・12000円
ISBN4-87737-117-6(01・2)
奈良朝の漢文体の伝について、初めて分類と時代区分をふくむ大系化を試み、奈良朝漢詩文について基礎的な本文校訂と出典考証をくわえた。また、その成果にもとづいて、唐・新羅に直結する東アジア世界の漢字文化圏・仏教文化圏の一環として、奈良朝漢詩文生成の場「大安寺文化圏」の様相をあきらかにした。
❼……芥川文学の周辺
宮坂覺[編]
A5判・390頁・6000円
ISBN4-87737-087-0(01・2)
近代文学の夢と知性
文学・思想の昭和10年前後
文学・思想懇話会[編]
A5判・368頁
ISBN4-87737-133-3(00・10)
更級日記の研究
安貞淑[著]
A5判・315頁・8800円
ISBN4-87737-114-1(00・10)
第13号
特集◎漱石山脈
《鼎談》関口安義
2400円
ISBN4-87737-120-6(00・10)
呼び水としての虚子 坪内稔典
東洋城の「起源」鈴木章弘
寺田寅彦と漱石 小山慶太
郷土の人・小宮豊隆 中野記偉 森田草平 関川夏央
安倍能成と夏目漱石 安倍オースタッド玲子
阿部次郎に於ける漱石 佐藤伸宏
誰が一番愛されていたか 半田淳子
夏目漱石と内田百閒 内田道雄
漱石と中勘助 十川信介
野上弥生子の特殊性 飯田祐子
〈漱石・芥川〉神話の形成 石割透
和辻哲郎の漱石体験 吉沢伝三郎
橋口五葉と津田青楓の漱石本 山田俊幸
岩波茂雄と夏目漱石山本芳明
▼『行人』における主体の希求と回避 遠藤伸治・有元伸子
▼書評 生方智子・押野武志・松下浩幸・丸尾実子
▼文献目録 '97・7〜'98・6
❹……芥川龍之介論
四六判・377頁・3800円
ISBN4-87737-112-5(00・9)
細見綾子秀句
林徹[著]
四六判・223頁・1800円
ISBN4-87737-109-5(00・9)
小説は玻璃の輝き
高橋英夫[著]
四六判・533頁・4500円
ISBN4-87737-111-7 (00・7)
手塚治虫〈変容〉と〈異形〉
大野晃[著]
A5判・192頁・定価2000円+税
ISBN4-87737-107-9(00・6)
読本研究新集
第二集
A5判・248頁・6800円
ISBN4-87737-106-0(00・6)
向田邦子鑑賞事典
井上謙・神谷忠孝[編]
四六判・400頁・3200円
ISBN4-87737-108-7(00・6)
向田邦子への誘い/向田邦子全作品鑑賞/向田邦子語彙ワールド/向田邦子年譜/著書目録/「向田邦子全集」について/ラジオ・テレビ・映画・舞台一覧/主要参考文献目録
小大君集全釈
平塚トシ子・松延市次・長野淳[編]
A5判・368頁・9800円
ISBN4-87737-110-9(00・6
漱石から漱石へ
玉井敬之[編]
A5判・407頁・8000円
ISBN4-87737-104-4(00・5)
万葉集の形成
熊谷直春[著]
四六判・278頁・2800円
ISBN4-87737-098-6(00・5)
源氏物語の生活世界
松井健児[著]
A5判・384頁・6800円
ISBN4-87737-102-8(00・5)
宮沢賢治の美学
押野武志[著]
四六判・344頁・3200円
ISBN4-87737-101-X(00・5)
近代の童謡作家研究
滝沢典子[著]
A5判 734頁
ISBN4-87737-090-0(00・5)
梶井基次郎論
濱川勝彦[著]
四六判・256頁・3600円
ISBN4-87737-099-4(00・5)
第5号
特集◎源氏文化の視界
《座談会》藤井貞和
2400円
ISBN4-87737-103-6(00・4)
◎内なる文化史/百川敬仁/浮舟─〈死の練習〉としての物語/石阪晶子/〈なやみ〉と〈身体〉の病理学─藤壺をめぐる言説
◎大衆文化の中で/助川幸逸郎/一九七〇年代のヘーゲリアン達─言説史としての『源氏物語』研究/立石和弘/『源氏物語』の加工と流通─美的王朝幻想と性差の編成/河添房江/メディア・ミックス時代の源氏文化─デジタル情報化への流れ
▼文献ガイド 今井俊哉
▼インタビュー 尾崎左永子
▼海外における源氏研究張龍妹
▼源氏物語の栞 大塚ひかり/深瀬サキ/後藤祥子/吉海直人
▼「源氏物語」と私 今井源衛
▼インターセクション 伊藤也
憂鬱なる季節
玉井敬之[著]
B6変型・303頁
ISBN4-87737-105-2(00・3)
語り 寓意 イデオロギー
西田谷洋[著]
A5判・224頁
ISBN4-87737-095-1(00・3)
芭蕉歳時記
乾裕幸
四六判・272頁・2000円
ISBN4-87737-096-X(00・3)
❶……羅生門
今昔物語の世界
浅野洋[編]
A5判・348頁・4000円
ISBN4-87737-081-1(00・3)
ベストセラーのゆくえ
真銅正宏[著]
A5判・256頁
ISBN4-87737-094-3(00・2)
竹取物語の研究
奥津春雄[著]
A5判・867頁
ISBN4-87737-097-8(00・2)
河東碧梧桐の基礎的研究
栗田靖[著]
A5判・750頁
ISBN4-87737-088-9(00・2)
大物主神伝承論
阿部眞司[著]
四六判・278頁・2800円
ISBN4-87737-091-9(99・12)
❻……河童・歯車
晩年の作品世界
宮坂覺[編]
A5判・303頁・4000円
ISBN4-87737-086-2(99・12)
近世国学論攷
浅野三平
A5判・483頁・15000円
ISBN4-87737-093-5(99・11)
❽……近代文学遠近Ⅰ
四六判・512頁・4200円
ISBN4-87737-077-3(99・10)
第7回宮沢賢治賞!
漱石と禅
加藤二郎[著]
A5判・272頁
ISBN4-87737-089-7(99・10)
第12号
特集◎『坊つちやん』
《鼎談》半藤一利
2400円
ISBN4-87737-100-1(99・10)
〈戦争=報道〉小説としての『坊つちやん』芳川泰久
矛盾としての『坊つちやん』小森陽一
◎書くことと語ること
街鉄の技手はなぜこの手記を書いたか 高原和政・五味渕典嗣・大高知児
『坊っちゃん』と標準語雄弁術の時代 松元季久代
◎読むことの神話学
『坊っちやん』を〈読むこと〉 菅聡子
大事な手紙の読み方 城殿智行
『坊っちゃん』を性転換すれば 西川祐子
◎関係の中の『坊つちやん』
聖母を囲む男性同盟 佐伯順子
穢の波動 小林正明
▼『坊つちやん』を読むベスト21 丸尾実子
▼インタビュー河合隼雄
▼書評 大澤吉博・石井和夫・小森陽一
▼文献目録 '96・7〜'97・6
狭衣の恋
倉田実[著]
四六判・320頁・3200円
ISBN4-87737-092-7(99・10)
中世の歌謡
真鍋昌弘[著]
四六判・192頁
ISBN4-87737-079-X(99・9)
❷……地獄変歴史
王朝物の世界
海老井英次[編]
A5判・291頁・4000円
ISBN4-87737-082-X(99・9)
❸……西方の人キリスト教
切支丹物の世界
石割透[編]
A5判・303頁・4000円
ISBN4-87737-083-8(99・8)
❺……蜘蛛の糸
児童文学の世界
関口安義[編]
A5判・275頁・4000円
ISBN4-87737-085-4(99・7)
源氏物語の時空と想像力
高橋文二[著]
四六判・240頁・2400円
ISBN4-87737-076-5(99・6)
❹……舞踏会開化期
現代物の世界
清水康次[編]
A5判・277頁・4000円
ISBN4-87737-084-6(99・6)
日本の近代戯曲
日本近代演劇史研究会[編]
A5判・312頁・2500円
ISBN4-87737-073-0(99・5)
焔の舌/静/老船長の幻覚/和泉屋染物店/ある日の午後/黄楊の〈CODE NUM=4154〉/或日の一休和尚/工場法/父帰る/谷底/洗濯屋と詩人/お国と五平/骸骨の舞跳/奈落/首を切るのは誰だ/志村夏江/二十六番館/火山灰地/女の一生/夕鶴/解説
児童文学 12の扉をひらく
三宅興子・多田昌美[編]
A5判・224頁・1800円〈5刷〉
ISBN4-87737-078-1(99・5)
森鷗外
研究と資料
大屋幸世[著]
四六判・256頁・2800円
ISBN4-87737-074-9(99・5)
第4号
特集◎遊びと空間
《座談会》河合隼雄
2400円
ISBN4-87737-075-7(99・4)
◎空間を渉る/小林正明/夜を往く光源氏/松井健児/酒宴と権勢─光源氏の嵯峨遊行/竹内正彦/池のほとりの光源氏─「少女」巻の〈放島の試み〉を起点として
◎物語絵の風景/川名淳子/男たちの物語絵享受/木谷眞理子/二つの「源氏絵」をめぐって/小町谷照彦/源氏百人一首のことなど─源氏物語享受の一位相
▼文献ガイド 安藤徹
▼インタビュー 大和和紀
▼海外における源氏研究 ドーリス・G・バーゲン紫上の再見/木村朗子/第七回MAJLS参加報告
▼源氏物語の栞
小谷野敦/北村薫/三田村雅子
▼「源氏物語」と私 秋山光和
▼インターセクション 池浩三/池田忍/中村康夫/伊井春樹
源氏物語研究ハンドブック❶
吉海直人[編]
A5判・168頁・1200円
ISBN4-87737-071-4(99・4)
源氏物語研究ハンドブック❷
吉海直人[編]
A5判・168頁・1200円
ISBN4-87737-072-2(99・4)
源氏物語研究ハンドブック❸
吉海直人[編]
A5判・284頁・1200円
ISBN4-87737-173-0(99・4)
風羅念仏にさすらう
口語俳句の祖 惟然坊評伝
沢木美子
四六判・426頁・3200円
ISBN4-87737-060-9(99・3)
近代文学 弱性の形象
秋山公男[著]
四六判・356頁・3200円
ISBN4-87737-059-5(99・2)
漱石を語る1
四六判・268頁・2500円
ISBN978-4-87737-056-0(98・12)
井上ひさし・安岡章太郎・津島佑子・小島信夫・筒井ともみ・江國滋・奥本大三郎・古井由吉・阿刀田高
漱石を語る2
四六判・268頁・2500円
ISBN978-4-87737-057-9(98・12)
柄谷行人・大岡信・島田雅彦・芹沢俊介・水田宗子・蓮實重彦・富山太佳夫・小倉脩三・飯田祐子・関礼子・平岡敏夫
❾……近代文学遠近Ⅱ
四六判・400頁・4200円
ISBN4-87737-048-X(98・12)
近代文学の多様性
井上謙[編]
A5判・502頁・8000円
ISBN4-87737-058-7(98・12)
読本研究新集
第一集
読本研究の会[編]
A5判・256頁・6800円
ISBN4-87737-050-3(98・11)
要説国語学
風間力三[著]
A5判・256頁・2500円
ISBN4-87737-053-6(98・11)
幸田文の世界
金井景子・小林裕子・佐藤健一・藤本寿彦[編]
A5判・400頁・2400円
ISBN4-87737-054-4(98・10)
西鶴 はなしの想像力
有働裕[著]
四六判・228頁・2800円
ISBN4-87737-049-8(98・10)
序章 西鶴と「はなし」の時代/第1章『諸艶大鑑』と遊女評判記/第2章 色道の「かぎり」と/「勤の身の悲しさ」/第3章 間夫に狂う女たち/第4章 拡散する「はなし」/第5章『西鶴諸国ばなし』論の課題/第6章 因果譚の解体/第7章 「はなす」ことへの凝視/終章 断絶するはなしが換気するもの
小林多喜二とその周圏
小笠原克[著]
四六判・356頁
ISBN4-87737-047-1(98・10)
廣津和郎著作選集
橋本迪夫・坂本育雄・寺田清市[編]
A5判・550頁・6000円
ISBN4-87737-052-8(98・10)
漱石そのユートピア的世界
清水孝純[著]
四六判・301頁・3800円
ISBN4-87737-051-X(98・10)
第11号
特集◎『彼岸過迄』
《鼎談》姜尚中
2400円
ISBN4-87737-055-2(98・10)
「東京朝日新聞」から見た『彼岸過迄』 安藤恭子
〈浪漫趣味〉の地平 押野武志
◎都市の中のテクスト
あかり探偵欲望 柴市郎
「都市」と「都会」田口律男
『彼岸過迄』宮内淳子
◎『彼岸過迄』をめぐる言説
漱石の探偵小説 伊藤秀雄
『彼岸過迄』から『須永の話』まで 山本芳明
▼『彼岸過迄』論ベスト21 松下浩幸
▼インタビュー関川夏央
漱石と渋川玄耳 青柳達雄
「太陽」の「漱石」 青木稔弥
▼書評 上野千鶴子・小倉脩三
▼文献目録 '95・7〜'96・6
散歩する漱石
西村好子[著]
四六判・272頁・2800円
ISBN4-87737-045-5(98・9)
宮本輝論
酒井英行[著]
四六判・240頁・2500円
ISBN4-87737-046-3(98・9)
世俗字類抄
印影ならびに研究・索引
大友信一[監修]・三宅ちぐさ[編]
B5判・1219頁・48000円
ISBN4-87737-038-2(98・8)
本書は天理大学付属天理図書館蔵の二巻本『世俗字類抄』を紹介する事を目的として、本文の影印と漢字、仮名の総索引、それに研究を付す。[影印篇][索引篇]仮名索引・漢字索引[研究篇]『色葉字類抄』諸本の概説/二巻本『世俗字類抄』/部門立て/語彙の所収状態/注記/他の古辞書との影響関係
日本人の敬語生活史
西田直敏[著]
A6判・432頁
ISBN4-87737-041-2(98・5)
第10号
特集◎『それから』
《鼎談》水田宗子
2400円
ISBN4-87737-040-4(98・5)
特権化される「神経」 一柳廣孝
『それから』の感覚描写 藤井淑禎
『それから』に記述された画家と、表現上の視覚的イメージ操作について 田中日佐夫
◎横断するテクスト
代助と新聞小森陽一
オートポイエシスする文学 仲正昌樹
『それから』再読 佐藤泰正
◎性の境界
姦通文学としての『それから』 千種・キムラ・スティーブン
妾の存在意義小谷野敦
▼『それから』論ベスト30 生方智子
▼インタビュー/『それから』を撮る 筒井ともみ
『倫敦塔』をめぐる記憶・知覚・時間 鈴木敦子
『三四郎』をめぐる女たち 藤原尚昭
『三四郎』遡行 杉田智美
▼書評 中島国彦・飯田祐子
透谷と現代
21世紀へのアプローチ
透谷研究会桶谷秀昭・平岡敏夫・佐藤泰正[編]
四六判・384頁・4000円
ISBN4-87737-043-9(98・5)
芥川龍之介の基督教思想
河泰厚[著]
四六判・336頁
ISBN4-87737-037-4(98・5)
第3号
特集◎〈歴史〉の想像力
《座談会》山折哲雄
2400円
ISBN4-87737-039-0(98・4)
◎歴史学からの提言/保立道久/『竹取物語』と王権神話─五節舞姫の幻想
◎歴史の転倒/今井久代/延喜の帝と桐壺帝/小嶋菜温子/ゆらぎの〈家〉の光源氏─失われた生誕儀礼
◎外部とジェンダー/松岡智之/桐壺更衣と和様─美人史上の源氏物語/河添房江/交易史のなかの『源氏物語』─「唐物」と文化的ジェンダー
◎源氏幻想の生成/三谷邦明/囚われた「思想」─なぜ薫なのかあるいは分裂する人格と性なしの男女関係という幻想/三田村雅子/「源氏物語絵」の神話学─権力者たちの源氏物語/兵藤裕己/歴史としての源氏物語─中世王権の物語
▼文献ガイド 立石和弘
▼源氏物語の栞 伊吹和子/三枝和子/服藤早苗
▼「源氏物語」と私 中村真一郎
▼インターセクション 篠田正浩
芥川龍之介
人と作品
宮坂覺[著]
四六判・182頁〈3刷〉・1600円
ISBN4-87737-036-6(’98・4)
作家の解題
作品と鑑賞/大川の水/羅生門/鼻/奉教人の死/舞踏会/少年/点鬼簿/歯車
年譜
参考文献
渡宋した天台僧達
日中文化交流史一斑
小田切文洋
四六判・125頁 1800円+税
ISBN4-87737-033-1(98・3)
ジェンダーの日本近代文学
中山和子・江種満子・藤森清[編]
A5判・192頁〈3刷〉2000円
ISBN4-87737-032-3 (98・3)
伊勢物語の水脈と波紋
島内景二[著]
四六判・246頁・1800円
ISBN4-87737-034-X(98・3)
源氏物語表現史
河添房江[著]
A5判・534頁
ISBN4-87737-035-8(98・3)
第9号
特集◎漱石と家族
《鼎談》芹沢俊介
2400円
ISBN4-87737-030-7(97・11)
夫婦の他者性と不幸 水田宗子
夏目漱石と家族 山下悦子
漱石と「家」玉井敬之
◎歴史の中の家族
民法制定下の『道草』丸尾実子
国民文学としての『坊つちやん』 生方智子
◎物語と家族
小六という〈他者〉出原隆俊
『こゝろ』の家族戦略 小仲信孝
『行人』論中山和子
▼インタビュー/文人夏目漱石
奥本大三郎
『漱石全集』の装幀から 松村茂樹/最初の夫の死ぬ物語 平野芳信
▼文献目録 '94・7〜'95・6
▼書評 藤尾健剛
ジェンダーで読む『或る女』
総力討論
中山和子・江種満子[編]
四六判・272頁
ISBN4-87737-029-3(97・10)
⑩……日本近代詩とキリスト教
四六判・480頁・4800円
ISBN4-87737-028-5(97・10)
山部赤人
万葉史の論
梶川信行[著]
A5判・592頁・15000円
ISBN4-87737-025-0(97・10)
源氏物語の状況的人間像
佐貫新造[著]
A5判・454頁・8800円
ISBN4-87737-023-4(97・10)
内田百閒
『冥途』の周辺
内田道雄[著]
四六判・208頁・2400円+税
ISBN4-87737-027-7(97・10)
歌人の風月
有吉保[著]
四六判・201頁
ISBN4-87737-024-2(97・7)
変容する文学のかたち
高橋英夫[著]
四六判・263頁・2500円
ISBN4-87737-022-6(97・7)
持続する文学のいのち
高橋英夫[著]
四六判・267頁・2500円
ISBN4-87737-021-8(97・7)
日本近代文学と西欧
比較文学の諸相
佐々木昭夫[編]
四六判・362頁・4000円
ISBN4-87737-019-6(97・7)
岩倉使節団のパリ
富田仁[著]
A5判 400頁
ISBN4-87737-016-1(97・6)
佐多稲子
体験と時間
小林裕子[著]
四六判・272頁・2800円+税
ISBN4-87737-015-3(97・5)
憶良・虫麻呂と天平歌壇
井村哲夫[著]
A5判・255頁・6800円
ISBN4-87737-013-7(97・5)
芭蕉の生と死
発句で読む
赤羽学
四六判・224頁・2600円
ISBN4-87737-014-5(97・5)
第8号
特集◎『夢十夜』
《鼎談》古井由吉
2400円
ISBN4-87737-020-X(97・5)
パトス的身体の露出 笠原伸夫
開かれたテクスト 大浦康介
夢の幾何学 高山宏
篝火と蹄 小林康夫
物語のファンタジー構造 中村三春
ながく、はてしない待機 有田英也
停滞と循環 芳川泰久
闇からのメッセージ 清水孝純
豚パナマ・帝国の修辞学 山本真司
▼『夢十夜』論ベスト30 生方智子
▼インタビュー/夢ではない夢のはなし 阿刀田高
「第一夜」の構造と主題 須田千里
言説はいかに理解されるか 西田谷洋
「集合意識」と「明治の精神」藤尾健剛
▼漱石俳句異見(二) 林望
▼倫敦消息 恒松郁生
▼書評 須田千里・西田谷洋・藤尾健剛
謡曲選
松田存ほか[編]
A5判・216頁
ISBN4-87737-017-X(97・5)
伝承の碑
遍路という宗教
谷口廣之[著]
四六判・176頁
ISBN4-87737-004-8(97・5)
第2号
特集◎身体と感覚
《座談会》山口昌男
2400円
ISBN4-87737-018-8(97・4)
◎身体の反照/松井健児/柏木の受苦と身体─深まりゆく身、身の深みへ/立石和弘/鏡のなかの光源氏─光源氏の自己像と鏡像としての夕霧
◎感覚の越境/高橋文二/「思い出」の中の官能性─「手習」巻と「幻」の表現をめぐって/橋本ゆかり◎抗う浮舟物語─抱かれ、臥すしぐさと身体から/三田村雅子/濡れる身体の宇治─水の感覚・水の風景
▼インタビュー
源氏能の身体と感覚 松岡心平
▼文献ガイド助川幸逸郎・松岡智之
▼海外における源氏研究 ジョシュア・モストウ/『源氏物語』の「絵」
▼源氏物語の栞
塚本邦雄/本田和子/山口仲美
▼「源氏物語」と私 秋山虔
▼インターセクション 小山利彦/伊藤鉄也
1910年代の文学
玉井敬之・小川直美・北川秋雄・村田好哉[編]
A5判・255頁〈5刷〉2100円
ISBN4-87737-009-9 (97・2)
❺……太宰治論
四六判・311頁・3689円
ISBN4-87737-008-0(97・2)
太平記の受容と変容
加美宏[著]
A5判・392頁・8800円
ISBN4-87737-012-9(97・2)
天台談所で法華経を読む
廣田哲通[著]
四六判・303頁 3689円
ISBN4-87737-011-0(97・2)
説話-異界としての山
説話伝承学会[編]
四六判・270頁
ISBN4-87737-007-2(97・2)
第7号
特集◎漱石と子規
《鼎談》 井上ひさし
2400円
ISBN4-87737-010-2(96・11)
ヘルメス的友情 高橋英夫
俳句と散文の間で 小森陽一
カステラを懐いて徘徊す 坪内稔典
◎ジャンルの記憶
漱石と子規の写生 安森敏隆
商標としての「写生文」 鈴木章弘
◎子規の視座から
子規と漱石の日本 松井利彦
子規と漱石の「西郷隆盛」 中野一夫
子規と漱石和田克司
▼インタビュー/子規を歩く 森まゆみ
文字からの文学論 常石史子/[調査]漱石と接触があった人のこと 上杉伸夫/「テクストはまちがわない」か? 浅田隆/それでも「テクストはまちがわない」 石原千秋/▼文献目録 '93・7〜'94・6
▼書評 阿部高裕
江戸初期の三十六歌仙
藏中スミ[著]
光琳・乾山・永納・B5変形・192頁(カラー40頁)・9709円
ISBN4-87737-002-1(96・11)
漱石の20世紀
深江浩[著]
四六判・192頁・2330円
ISBN4-906424-98-8(’96・10)
宮本百合子
家族、政治、そしてフェミニズム
岩淵宏子[著]
四六判・333頁・2718円
ISBN4-906424-96-1(96・10)
歌舞伎から新派へ
小笠原幹夫[著]
四六判・245頁・2718円
ISBN4-906424-85-6(96・7
近世仏教説話の研究
唱導と文芸
堤邦彦[著]
A5判・446頁・11650円
ISBN4-906424-95-3(96・7)
万象亭森島中良の文事
石上敏[著]
A5判・846頁・31068円
ISBN4-906424-68-6(96・7)
[目次]森島中良の生涯/戯作者としての軌跡/諸作品の位相/年譜と文献目録
❻……宮沢賢治論
四六判・254頁・2330円
ISBN4-906424-87-2(96・5)
第6号
特集◎『こゝろ』
《鼎談》蓮實重彥
2400円
ISBN4-87737-000-5(96・5)
〈他者〉としての妻:先生の自殺と静の不幸 水田宗子
クイアーファーザーの夢、クイアーネイションの夢 大橋洋一
静の一面 硲香文
◎関係としての『こゝろ』
こころの場所、家の場所 石崎等
『こゝろ』の現象学 田口律男
定番を求める心 高橋広満
◎『こゝろ』のエリクチュール
始源の反語 佐藤泉
闘争する表象空間 中山昭彦
テクストはまちがわない 石原千秋
▼座談会/『こゝろ』論争以後
飯田祐子+石原千秋+小森陽一+関礼子+平岡敏夫
▼漱石俳句異見 林 望
▼倫敦消息 恒松郁生
▼文献目録 '92・7〜'93・6
▼書評 吉川豊子
迷羊のゆくえ
熊坂敦子[編]
A5判・418頁
ISBN4-906434-94-5(96・5)
創刊号
特集◎王朝文化と性
《座談会》橋本治
2427円
ISBN4-906424-99-6(96・4)
◎身体・性・子ども/原岡文子/『源氏物語』の子ども・性・文化─紫の上と明石の姫君/松井健児/『源氏物語』の小児と筍─身体としての薫・光源氏の言葉
◎性差と会話の力学/河添房江/蛍巻の物語論と性差/安藤 徹/会話の政治学・序説─「蛍」巻のエスノメソドロジー
◎現在への架橋/与那覇恵子◎結婚しない女たち─王朝の性/島内景二豊饒なる不毛─光源氏・『源氏物語』・国文学
▼インタビュー
王朝美術とジェンダー 千野香織
▼アメリカの『源氏物語』研究 高橋亨
▼自著紹介 中山眞彦/永井和子
仮名書き論語
論語集注
大友信一・木村晟・片山晴賢[編]
A5判・125頁・1748円
ISBN4-906424-93-7(96・4)
国語教育の実際と表現
中学校高等学校の指導上の試み
北条常久
四六判・270頁・2427円
ISBN4-906424-92-9(96・4)
夏目漱石の小説と俳句
斉藤英雄[著]
四六判・342頁
ISBN4-906424-86-4(96・4)
源氏物語の女たちPart2
その愛のゆくえ
赤羽淑[著]
四六判・187頁・2524円
ISBN4-906424-97-X(96・4)
古代中国陰陽五行の研究
井上聰[著]
A5判・366頁
ISBN4-906434-80-5(96・3)
都市モダニズムの奔流
「詩と詩論」のレスプリ・ヌーボー
澤正宏・和田博文[編]
四六判・326頁・2718円
ISBN4-906424-84-8(96・3)
松浦宮物語〈改訂版〉
久保田孝夫・関根賢司・吉海直人[編]
A5判・144頁・1800円
ISBN4-906424-89-9(96・3)
川端康成と横光利一
日本文学コレクション
井上謙・羽鳥徹哉[著]
A5判・184頁〈2刷〉1800円
ISBN4-906424-81-3 (95・11)
[収録作品]川端康成骨拾ひ/母/伊豆の踊り子/貧者の恋人/雪国/十七歳/他、横光利一少年の悲しみ/笑はれた子/蝿/園/上海/旅愁/他、略年譜、参考文献
伊勢の歌枕とその周辺
中川竫梵[著]
A5判・224頁・4854円
ISBN4-906424-82-1(95・11)
❸……透谷以後
透谷・藤村・小林秀雄
四六判・384頁・3883円
ISBN4-906424-78-3(95・11)
初期万葉をどう読むか
梶川信行[著]
四六判・302頁・2913円
ISBN4-906424-77-5(95・11
第5号
特集◎漱石と明治
《鼎談》小島信夫
2400円
ISBN4-906424-90-2(95・11)
「帝国」の漱石 川村湊
漱石と帝国主義・植民地主義 中川浩一
ボディビルダーたちの帝国主義 谷内田浩正
ロンドン体験としての「草枕」 平岡敏夫
◎漱石と明治メディア
明治末期の新聞メディアと漱石 有山輝雄
史論の言説紅野謙介/速度の都市 吉見俊哉
明治の漱石 青木稔弥
◎漱石と制度
教養知識人の運命 竹内洋
『三四郎』に吹く〈風〉丸尾実子
長男の記号学 石原千秋
▼インタビュー/大岡信
▼文献目録 '90・7〜'92・6
▼書評 佐藤深雪・中山和子・内田道雄
翻訳の地平
翻訳者としての明治の作家
秋山勇造[著]
四六判・304頁・3689円
ISBN4-906424-79-1(95・11)
土の文学
長塚節・芥川龍之介
村上林造[著]
四六判・292頁・3800円
ISBN4-87737-026-9(95・11)
則天文字の研究
藏中進[著]
A5判・322頁
ISBN4-906434-75-9(95・00)
近世の文人たち
牛山之雄
A5判・290頁・6602円
ISBN4-906424-83-X(95・10)
夏目漱石の世界
熊坂敦子[編]
A5判・350頁
ISBN4-906434-65-1(95・8)
宮沢賢治
その独自性と同時代性
西田良子[著]
四六判・230頁・2524円
ISBN4-906424-74-0(95・8)
知的作文の技法
大井眞二・栗栖真人・中川幸廣・鳩貝久延・船山泰範[編]
A5判・174頁・〈3刷〉1359円
ISBN4-906424-67-8(95・6)
『三四郎』の世界
千種・キムラ・スティーブン[著]
四六判・315頁
ISBN4-906434-73-2(95・6)
真名本 伊勢物語
綾足校訂
木村晟・瀬尾邦雄・柳田忠則[編]
A5判・174頁・1748円
ISBN4-906424-72-4(95・5)
新編近代俳句
日本文学コレクション
栗田靖・清水弥一[著]
A5判・120頁・1400円
ISBN4-906424-69-4(95・5)
第4号
特集◎『硝子戸の中』
《鼎談》安岡章太郎
2400円
ISBN4-906424-70-8(95・5)
『硝子戸の中』の一面 玉井敬之
『硝子戸の中』、その可能性 柴市郎
「硝子戸の中」の「漱石」 村瀬士朗
〈硝子戸〉の中からの返書 島村輝
◎記号としての家庭
『道草』論─血の隠喩 関谷由美子
『道草』再考 松下浩幸
◎差異化する言葉
三人称回想小説としての『道草』 金子明雄
愛と差異に生きるわたし 立川健二
▼『硝子戸の中』『道草』論ベスト30 工藤京子
▼座談会/漱石と退化論 石原千秋+小倉脩三+小森陽一+富山太佳夫
▼〈自由な死〉をめぐって 松沢和宏
▼漱石秀句愚評 林 望
▼文献目録 '88・7〜'90・6
▼倫敦消息 恒松郁生
▼書評 佐藤泉
禅籍抄物 火尭和尚再吟
略注
木村晟・近藤良一・片山晴賢・渡會正純[編]
A5判・106頁・2718円
ISBN4-906424-47-3(95・4)
中世紀行文学選
藏中スミ・小早川健[編]
A5判・182頁
ISBN4-906434-71-6(95・4)
芥川龍之介とキリスト教
曺紗玉[著]
四六判・285頁
ISBN4-906434-63-5(95・3)
太宰治〈習作〉論
傷つく魂の助走
五十嵐誠毅[著]
四六判・436頁・4078円
ISBN4-906424-66-X(95・3)
⑪……初期評論二面
四六判・440頁・4078円
ISBN4-906424-61-9(95・3)
万葉の課題
森淳司古稀記念論集
A5判・482頁・14563円
ISBN4-906424-64-3(95・2)
源氏物語の女たち
その愛のかたち
赤羽淑[著]
四六判・246頁〈3刷〉・2718円
ISBN4-906424-58-9(95・2)
初期芥川龍之介論
友田悦生[著]
四六判・236頁
ISBN4-906434-49-X(94・11)
❼……遠藤周作と椎名麟三
四六判・272頁・2718円
ISBN4-906424-51-1(94・11)
第3号
特集◎漱石とセクシャリティ
《鼎談》津島佑子
2400円
ISBN4-906424-60-6(94・11
漱石文学のセクシュアルポリスティックス 織田元子/悲恋小説としての『こゝろ』 戸松泉/男になれない男たち 小森陽一
◎性差の系譜学
倫敦漱石猟色考 内田道雄/悲劇としての身体 伊藤博/『道草』の妊娠出産をめぐって 江種満子
◎隠喩としての性
「装い」のセクシュアリティ 関礼子/青春小説の性=政治的無意識 藤森清/軋みはじめた〈鳥籠〉 丸尾実子/神経衰弱の記号学 石原千秋
▼関連文献ベスト30 飯田祐子
▼インタビュー 山下 浩
▼東北大学所蔵『文学論』関係資料について 小倉脩三
▼倫敦消息 恒松郁生
▼書評 小谷野敦・伊豆利彦・石崎等
古代都市文学論
書紀・萬葉・源氏物語の世界
高橋文二・廣川勝美・神尾登喜子・駒木敏[著]
四六判・294頁・2816円
ISBN4-906424-57-0(94・11)
宮沢賢治 自然のシグナル
萬田務[著]
四六判・298頁・2816円
ISBN4-906424-55-4(94・11)
谷崎潤一郎論
安田孝[著]
四六判・198頁
ISBN4-906434-54-6(94・10)
古代の仏教と天皇
八重樫直比古[著]
四六判・238頁
ISBN4-906434-56-2(94・10)
イギリス絵本論
三宅興子[著]
四六判・348頁・3400円〈2刷〉
ISBN4-906424-52-X(94・10)
[目次]Ⅰ イギリス絵本史/Ⅱ 絵本史を拓いた絵本・絵本作家/Ⅲ 絵本にみる差別意識/Ⅳ 絵本研究/Ⅴ イメージの変通
イギリス児童文学論
三宅興子[著]
四六判・346頁・3400円〈3刷〉
ISBN4-906424-27-9(94・7)
古辞書の基礎的研究
木村晟ほか[編]
A5判・820頁
ISBN4-906434-41-4(94・6)
大伴坂上郎女の研究
浅野則子[著]
A5判・382頁・6602円
ISBN4-906424-46-5(94・6)
透谷と近代日本
透谷研究会[編]
四六判・436頁
ISBN4-906434-42-2(94・5)
第2号
特集◎『三四郎』
《鼎談》島田雅彦
2400円
ISBN4-906424-50-3(94・5)
大学の独立と文芸の独立 三谷太一郎
『三四郎』の東京帝国大学 一柳廣孝
『三四郎』と寺田寅彦 高田誠二
◎本郷文学圏
藁屋根とヌーボー式と 中島国彦
『三』と『四』の図像学 村瀬士朗
『三四郎』とイプセン 毛利三彌
◎新しい女たち
「商売結婚」と新しい女たち 中山和子
女の顔と美禰子の服 飯田祐子
◎バフチンラカンから
あてにならない観察者 千種・キムラ・スチーブン
語りうることのあかるみのうちに 佐藤泉
婚姻鏡父の名 芳川泰久
▼『三四郎』論ベスト50村田好哉
▼インタビュー 江國滋
▼隠蔽された欲望 渡仲良也
▼写生文的認識と恋愛 東浩紀
山上憶良
志賀白水郎歌群論
渡瀬昌忠[著]
四六判・196頁・2718円
ISBN4-906424-48-7(94・5
土佐日記
日本文学コレクション
村瀬敏夫[著]
A5判・78頁・1359円
ISBN4-906424-44-9(94・4)
『新體詩抄』研究と資料
西田直敏[著]
A5判・476頁
ISBN4-906434-38-4(94・4)
沖縄祭祀の研究
高阪薫・秋山紀子・武藤美也子・神野富一[編]
A5判・344頁・4854円
ISBN4-906424-39-2(94・4)
説話-救いとしての死
説話伝承学会[編]
四六判・254頁
ISBN4-906434-36-8(94・4)
❶……漱石以後Ⅰ
四六判・260頁・2718円
ISBN4-906424-40-6(94・4)
杜家立成雑書要略
注釈と研究
日中文化交流史研究会[編]
A5判・372頁・9320円+税
ISBN4-906424-34-1(94・2)
大和物語の研究
柳田忠則[著]
A5判・950頁・34951円
ISBN4-906424-33-3(94・2)
日本紀竟宴和歌
本妙寺本
西崎亨[著]
A5判・518頁
ISBN4-906434-35-X(94・2)
漱石『三四郎』書誌
村田好哉[編]
A5判・286頁・4660円
ISBN4-906424-19-8(94・2)
葉山嘉樹
文学的抵抗の軌跡
浅田隆[著]
四六判・274頁・3689円
ISBN4-906424-76-7(94・2)
漱石の『こゝろ』
総力討論
小森陽一・中村三春・宮川健郎[編]
四六判・228頁〈5刷〉・2330円
ISBN4-906424-31-7(94・1)
源氏物語の研究と鑑賞
中川竫梵[著]
A5判・348頁
ISBN4-906434-00-7(93・11)
島崎藤村
和田謹吾[著]
A5判・287頁・6602円
ISBN4-906424-23-6(93・10)
落窪物語の再検討
吉海直人[著]
A5判・216頁・1942円
ISBN4-906424-21-X(93・10)
創刊号
特集◎漱石と世紀末
《鼎談》柄谷行人
2400円
ISBN4-906424-30-9(93・10)
歴史に背を向けて 富山太佳夫
二〇世紀の最前線にある漱石 芳賀徹
博覧会の世紀へ『虞美人草』 石原千秋
夏目漱石と二〇世紀 小森陽一
▼インタビュー/岩波書店編集部 新「漱石全集」について
▼漱石研究の現在 相原和邦/石井和夫/石崎等/伊豆利彦/内田道雄/遠藤祐/小倉脩三/加藤二郎/小泉浩一郎/酒井英行/佐々木充/佐々木雅發/佐藤泰正/清水孝純/高木文雄/玉井敬之/十川信介/中島国彦/平岡敏夫/村松定孝
▼全集未収録資料 漱石「文話」紹介/堀部功夫
荷風文学とその周辺
網野義紘[著]
四六判・246頁
ISBN4-906434-28-7(93・10)
漱石
その反オイディプス的世界
清水孝純[著]
四六判・337頁
ISBN4-906434-29-5(93・10)
芥川龍之介論
奥野政元[著]
四六判・295頁
ISBN4-906434-24-4(93・9)
韻字之書
古辞書研究資料集成① 宮内庁書陵部蔵
木村 晟[著]
A5判・359頁・11650円
ISBN4-906424-26-0(93・9)
続・テキストのなかの作家たち
小泉浩一郎[著]
四六判・286頁〈2刷〉・3200円
ISBN4-906424-13-9(93・10)
柳田国男の思想世界
綱沢満昭[著]
四六判・198頁
ISBN4-906434-20-1(93・6)
『銀の匙』考
堀部功夫[著]
四六判・262頁
ISBN4-906434-11-2(93・5)
平安中期記録語の研究
清水教子[著]
A5判・208頁
ISBN4-906434-16-3(93・5)
宮沢賢治・童話の読解
中野新治[著]
四六判・294頁
ISBN4-906434-18-X(93・5)
大伴坂上郎女
小野寺静子[著]
四六判・254頁
ISBN4-906434-17-1(93・5)
雨月物語の探求
元田與市[著]
A5判・248頁
ISBN4-906434-07-4(93・4)
大伴旅人論
米内幹夫[著]
四六判・236頁・4078円
ISBN4-906424-08-2(93・4)
奈良前期万葉歌人の研究
村山出[著]
A5判・382頁・6602円
ISBN4-906424-12-0(93・3)
テキストのなかの作家たち
小泉浩一郎[著]
四六判・304頁〈3刷〉・3200円
ISBN4-906424-03-1(92・11)