狭衣物語 文学の斜行
文学史的縦の観点
特別寄稿論文
能〈狭衣〉小考―能劇としての可能性 田村良平(村上湛)
同時代的横の観点を超えて「斜行」という批評的視座から平安後期物語を読む
Ⅰ 内なる斜行
書き付けから始まる恋―『狭衣物語』中将妹君の登場を読む 井上眞弓
性空上人と『狭衣物語』―聖たちの時空を〈斜行〉する狭衣 井上新子
〈斜行〉する狭衣の生―狭衣の内面と「世」のかかわりから 水野雄太
『狭衣物語』諸本を〈斜行〉する古歌―「あな恋し」歌の引用をめぐって 萩野敦子
「斜行」する「形見」たち 野村倫子
結ぼほる大君―『夜の寝覚』の斜行するまなざしをめぐって 三村友希
『狭衣物語』を斜行する者―大弐の乳母をめぐって 千野裕子
Ⅱ 関係性の斜行
『夜の寝覚』―斜行する〈源氏〉の物語 乾澄子
『夜の寝覚』の寒暖語と〈風〉―物語展開における働き 山際咲清香
『いはでしのぶ』における『狭衣物語』享受―邸宅の名称から 勝亦志織
『木幡の時雨』継子いじめからの《斜行》―母娘・姉妹の物語へ 伊達舞
『恋路ゆかしき大将』における法輪寺―文学作品に見えるイメージの斜行 横山恵理
英訳された『とりかへばや』―〈斜行〉する『とりかへばや』の世界 片山ふゆき