水浜電車の客

大洗と水戸とを結ぶ電車に水浜電車というのがあった。水戸の高校に通うことになってはじめて乗った乗り物で、人によって水浜線とか、水浜鉄道などと呼ばれもするが、一両だけのいわゆるチンチン電車である。所要時間は、片道およそ四〇分程度だが、その乗客になってわたしは、教科書以外の文庫本や雑誌を読む自分を見出すことになった。

───────── Ⅰ ─────────
伊藤整に会わざるの記
青春ひとり芝居
「花の女子大生」という記号
小笠原克
山田昭夫
藤の七年
人の住む場所
初めての中国
滞英雑感
気まぐれ街角紀行
夕陽と歓談─花田俊典追懐
荷風・アメリカ・魯文

───────── Ⅱ ─────────
『雪明りの叢書』のこと
新しい文学世代の肖像─長田弘と清水昶
早稲田文学通史[第三次]
伊藤整
深沢七郎『甲州子守唄』
状況へ架橋する女性作家
中野美代子の現在
文芸映画鑑賞五篇
井上ひさしの戯曲「日本人のへそ」
村上春樹『羊をめぐる冒険』の「耳の女」
「伽倻子」のために
歌人大熊信行のことなど

───────── Ⅲ ─────────
筒井康隆と現代
「青春小説」の流行
現代史と文学
小檜山博『出刃』その他
遠藤周作『海と毒薬』鑑賞のてびき
松本清張『無宿人別帳』
批評理論の転回・知のプロジェクト
菊池寛
『座談の愉しみ「図書」座談集』
織田作之助
重ね書きされる戦争
安部公房『城塞』

───────── Ⅳ ─────────
文学全集「月報」八篇
文芸文庫・作家案内五篇

───────── Ⅴ ─────────
ほろ酔い詩歌紀行


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